カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ

行政-再チャレンジ

子どもが不登校になったら

9月12日の朝日新聞教育欄に「親の苦悩、同じ立場の人とつながって 娘が不登校、臨床心理士の鈴木晶子さんに聞く」が載っていました。

・・・もし我が子に「学校に行きたくない」と言われたら、あなたならどう対応しますか? 臨床心理士で、不登校やひきこもりの当事者や保護者らを長年支援している認定NPO法人「フリースペースたまりば」(川崎市)の事務局次長・鈴木晶子さん(45)は、娘が不登校という当事者でもあります。自身の経験も踏まえ、親が同じ立場の人とつながることが大切だと言います・・・

子どもが不登校になったら。親や周りの人はどのようにしたら良いか、分かりませんよね。学校でも世間でも、教えてもらっていません。これまでの学校教育は「よい子に育てる」を目標としてきたので、そこから外れた子どもを考えてこなかったのです。
それは、職場でも同じです。良い職員や社員を育てる研修はあったのですが、そこから外れた社員をどのように指導するのか、これまでは研修内容に入っていませんでした。でも、「良い生徒」も「良い社員」(これらは組織の側から見た評価です)も、教師や上司には手がかからないのです。

外国人向け認可外施設

8月28日の朝日新聞に「外国人向け認可外施設、足りぬ「保育士」 日本の資格者確保 無償化の条件、滋賀県が緩和訴え」が載っていました。現行制度から漏れ落ちる人を、どのように拾い上げるか。原文をお読みください。

・・・約1万人のブラジル人が暮らし、製造業を支える滋賀県。外国籍の子どもたちの受け皿となっている認可外保育施設が、国の幼児教育・保育の無償化の基準見直しを訴えている。条件となる「日本の保育士資格を持つ職員」の確保が難しいためだ。外国人向けの保育施設が多い全国の自治体も、同じ事情を抱える。

滋賀県愛荘町のブラジル人学校兼保育施設「サンタナ学園」。1998年、日系2世の中田ケンコ校長(66)が始めた。保育施設には現在、0~5歳のブラジルやフィリピンの外国籍の子どもたち22人が県内8市町から通う。
2019年10月から始まった幼保無償化。認可外保育施設が対象となるには、保育士資格者の数や、子ども1人あたりの保育室の面積など、国の一定の基準を満たす必要がある。ただし、来年9月末まで5年間の猶予期間が設けられた。
学園では4年前から日本人スタッフが働き、日本語で書類作成をするなど基準を満たす努力をしてきた。しかし今秋行われる施設への立ち入り調査で、基準を満たせる見通しは立っていない。
最も高いハードルが、日本の保育士資格を有する職員を確保することだ。中田校長は「言葉の問題から、ブラジル人が日本の保育士資格を取るのは難しい。25年間続けてきたが、無償化が打ち切りになれば非常に厳しい」と話す。
学園に通う子どもや保護者の大半は、日本語が不自由だ。保育士には、ポルトガル語やブラジル文化の理解が欠かせない。ブラジルの教員資格を持つ職員が数人いるが、日本の保育士資格を持つ職員はパート1人。学園の規模では、最低2人の保育士が常勤勤務する必要があるという・・・

孤独・孤立の支援、寄り添う自治体

8月24日の朝日新聞に、「孤独・孤立の支援、寄り添う自治体」が載っていました。徐々に、孤立孤独対策の重要性と、その対策技法(これまでの行政手法と異なること)が理解されつつあります。

・・・孤独・孤立対策推進法は来年4月に施行される。背景には孤独・孤立が心身に有害な影響を与えることへの懸念がある。国は対策推進本部を設置し、対策の重点計画を作成する。
ただこれまでも市区町村は孤独・孤立対策を進めてきた。その現在地を知ることができるのが、地域福祉が専門の加山弾・東洋大学教授の論考だ。

論考によれば、近年の孤独・孤立支援の大きな転換点は2017年と20年の社会福祉法改正だった。「福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立」は解決すべき「地域生活課題」の一つと位置付けられた。具体的な施策としては、市区町村が任意で「重層的支援体制整備事業」を実施できるようになった。ワンストップの相談窓口の設置や、複数の機関による連携支援を可能にする、制度的・予算的な裏付けができたことから、加山さんは「近年では類例のない改革」だと評価した。
加山さんによれば、従来の福祉はいわば「タテ割り」。支援や給付を受けるためには、当事者が役所で申請する必要があるが、そうした支援だけでは、複雑で複合的な課題に対応することが難しくなっているという。「孤立している人は制度を利用できることを知らない、または支援を受けようとしない場合が多い」
加山さんが把握したある親子の事例では、不安定な就労や障害の疑い、家賃未払い、いじめなどの複数の課題を抱えながら孤立していた。こうしたケースへの対応で求められるのが「アウトリーチ」と「伴走型支援」だと加山さんは言う。
前者は当事者からの依頼を待たずに、支援者側から発見・接近して、ニーズを把握する。後者は就労や障害などの課題解決にとどまらず、当事者とつながりを持ち続けることを目的とする・・・

学童保育の必要性

このホームページでも、時々指摘しています。学童保育の必要性です。
保護者が働いている子供、特に低学年の児童にとっては、学校が終わった後、親が帰ってくるまでの居場所が必要です。保育園と同じです。新型コロナウイルス感染症拡大初期に、全国の学校を一斉休校したことがありました。学校とともに学童保育がないと、親は働きに行くことができません。

9月5日の朝日新聞に「「#学童落ちた」放課後どうすれば 待機児童1.6万人、受け皿整備追いつかず」が載っていました。
・・・「#学童落ちた」。この春、SNSにそんな投稿が相次ぎました。小学生の子どもを放課後児童クラブ(学童保育)に預けられなかった人の嘆きの声です。共働きの広がりで学童の利用希望者が増えているのに対し、受け皿の整備が追いついていない実態があります。
宮城県内の男性(40)に3月下旬、役所から茶色い封筒が届いた。入っていたのは、小学4年になる長男の学童保育の「落選通知書」だった。
「まさか落ちるとは」
それまで3年間通った学童に、翌月から行くことができなくなった。
男性は短大の教員で、帰宅は午後7時ごろ。妻もフルタイムの保育士で、6時ごろに帰宅して次男と三男を保育園に迎えに行く。男性の母親も同居しているが、平日はパートで働いていて帰宅は6時半ごろが多い。
「なんとか長男の居場所を確保しないと」
塾に週1回通っているほか、男性の母親に2週間に1回、ママ友に月1回見てもらえることになったが、週3~4日は自宅で一人で過ごすことになった。
長男が心配でGPS付きのスマートフォンを持たせたところ、男性の仕事中に「一人で不安」「寂しい」といった電話がくるようになった・・・

8月25日の朝日新聞オピニオン欄には、海津敦子さんの「障害児「中1の壁」 親の就労、社会で支えて」が載っていました。
・・・障害のある子を持つ働く親にとって、放課後、安全に過ごせる場所をどう確保するかは切実な問題です。
「放課後児童クラブ」に在籍する児童の多くは小学3年生までですが、特別な支援や配慮が必要な場合は6年生まで利用することができ、多くの障害児が対象になっています。親にとってこれは、子育てと仕事を両立させるための「命綱」です。
しかし、中学生になると、障害児の居場所はなくなります。「中1の壁」と言われている問題です・・・

少子化は個人でなく社会問題

8月20日の読売新聞に、猪熊律子・編集委員の「少子化 個人でなく社会問題」が載っていました。参考になります。原文をお読みください。

今後50年の間に人口が毎年平均80万人近く減少するとの将来予測に、「静かなる有事」といわれる少子化がいよいよ「牙をむき始めた」との指摘がある。危機感を強めた政府は「異次元」の少子化対策として、6月に給付拡充策を公表したものの、国民の間に理解が広がっているとはいえない状況だ。少子化の本質とは何か。改めて考えてみたい。

「日本の参考になるのでは」と関係者の間で注目されている政策がある。スウェーデンの経済学者、グンナー・ミュルダールが1930〜40年代に唱えた「予防的社会政策」「消費の社会化」がそれだ。
どんな政策か。
ミュルダール研究で知られる藤田菜々子・名古屋市立大教授によると、スウェーデンでは30年代に出生率が欧州で最低水準にまで落ち込み、「このままではスウェーデン人が消滅する」との危機感が強まった。
国力増強の観点から人口増を求める保守派は、出生率低下は個人主義的エゴイズムのせいだとして、独身者・無子夫婦への課税や、避妊具の販売禁止などの反・産児制限策を主張。一方、出生率低下は生活水準の向上につながると見る社民党支持者は、産児制限を推奨する「新マルサス主義」を支持。国を二分する論争に、第三の道を示したのがミュルダールだ。

彼は、出生率低下の原因は「個人ではなく社会構造にある」と喝破。従来、子どもには「老親の扶養」「労働力の担い手」などの役割が期待されたが、公的年金制度が導入され、女性の労働市場進出も進む中、子を持つことによる経済的負担が増し、個人の選択としては回避すべきものになったと指摘した。しかし、国が出生を強要するのは民主的国家にそぐわないと、保守派を批判した。

個人から見れば合理的な経済行動ともいえる出産回避の「個人的利益」は、国の存続や経済持続などの「集団的利益」と対立する。しかし、公的年金制度の廃止などは現実的ではない。解消策としてミュルダールが提唱したのが、個人の選択の自由は認めつつ、出産・育児に伴う障害を事前に取り除く「予防的社会政策」だった。出産などを理由とした解雇を禁じる政策や、出産手当、育児休業、保育サービスなどがこれに当たる。
対象はすべての子で、子どもにかかる費用は社会全体で賄うこの政策は「消費の社会化」と呼ばれた。子どもへの支援は「人的投資」として本人の生活を豊かにし、労働生産性の上昇を通じて、経済の成長・発展にもつながる・・・