カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ

行政-再チャレンジ

心の回復力(レジリエンス)学習

4月7日の日経新聞夕刊に「強い心 カギは回復力 レジリエンス学習、学校も導入 苦難の乗り越え方培う」が載っていました。
・・・精神的に苦しい場面からどう立ち直るか――。企業の研修などで導入が進む「レジリエンス(回復力)学習」を取り入れる学校が増えてきた。悩みや失敗をポジティブに捉える方法を話し合うなどする。子どもが話しやすい環境を整えるなど教員による細やかな配慮も必要だが、専門家は「多感な思春期こそ、つらさを乗り越える方法を学んでほしい」と話している・・・

よいことですね。これまでの教育は、立派な大人になることを教えていました。そこでは、落ちこぼれは弱い人間で、そうなってはいけないと教えていました。
しかし、みんながみんな、立派な大人になるわけでありません。みんなが、強いわけでもありません。強い大人も、挫折を経験しながら、強くなったのです。

これからの教育は、優秀な人を育てるとともに、そうなれない人、うまく行かない子ども、落ちこぼれるを支える教育が必要だと思います。そして、優秀な子どもは、放っておいても勉強します。支援しなければならないのは、後者です。
しかし、日本の教育は、まだその転換ができていないようです。

心のレジリエンスについては、拙著『明るい公務員講座 管理職のオキテ』P116で、「精神の体力」として取り上げました。

子供の貧困

4月6日の朝日新聞オピニオン欄は、中塚久美子記者の「子どもの貧困のいま 弱い所得再分配・窮迫続く母子家庭」でした。
要点は次の通り。
・子どもの貧困の「発見」から12年。問題意識は広まったが解消していない
・所得再分配が弱い。総合的な親の所得保障や教育費負担の軽減を
・貧困を生み出すのは構造的問題。賃金格差など社会的不利の改善に力を入れるべきだ

・・・日本の「子どもの貧困」が国内で注目され始めたのは2008年だ。研究者や当事者らが発信し、メディアで取り上げられるようになった。それ以前の朝日新聞でも、国内の子どもの貧困を指摘した記事はなかった。
翌09年、政府が初めて子どもの相対的貧困率を公表した。07年の数値で7人に1人にあたる14・2%。その後、過去の貧困率も公表され、1985年以降、上昇傾向にあることがわかった。

ワーキングプア、年越し派遣村などで貧困の可視化も進んでいた。生活保護家庭の子ども学習支援や困難を抱える子どもの居場所づくりなどの活動を支える市民が増える中、13年に子どもの貧困対策法が成立。「生まれ育った環境で将来が左右されることのないよう」にと教育支援に力点が置かれた。

貧困状態を把握するための25の指標のうち、21が進路や就園など教育関係。生活困窮家庭の学習支援や奨学金など教育費軽減策、学校を窓口とした福祉機関との連携などが進んだ。
12年の子どもの貧困率は16・3%。15年は13・9%に改善したが、先進国でつくる経済協力開発機構(OECD)の平均13・1%(16年)より高い・・・

・・・日本の母子世帯は8割が働いているが貧困率は高い。東京都立大の子ども・若者貧困研究センターによると、母子世帯(配偶者のいない65歳未満の女性と20歳未満の子ども)の貧困率は1985年の60・4%から、2015年に47・6%と下がったものの、高水準なのは30年にわたり変わっていない。

厚生労働省は02年、母子家庭の自立支援対策として、福祉の手当から就労を促進する方向性を打ち出した。一方、長時間労働を前提とし、男性が稼ぎ主で女性が補助的に働き育児や介護などを担う仕組みは、今も根強く残る。子どものいる男女の賃金格差は10対4。長年、母子家庭を支援するNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長は「結婚・出産で仕事を辞めた女性が子どもを抱えて働くのに合わせ、労働市場には月収10万円前後の仕事があふれている。母子家庭もそこに誘導される結果、働いても貧困になる」と指摘する・・・

引きこもり、8050問題

3月30日の朝日新聞が1面で「孤立リスク、推計57万世帯 無職独身40~50代と生活費出す親の同居」を伝えていました。
・・・無職で独身の40~50代の子が高齢の親と同居し、生活費を親に頼っているとみられる家庭は2013年時点で推計約57万世帯あり、1995年からの18年で約3倍に増えていたことがわかった・・・
数値や具体事例が詳しく書かれています。原文をお読みください。

「8050問題」という言葉があります。親が80代、子が50代で、独身の子が親と同居し、親に養ってもらっている状態です。親の収入が少なく貧困に落ちっている場合や親が亡くなると共倒れになるのです。
内閣府は昨年、40~64歳で引きこもり状態の人が、61万人いるとの推計を公表しています。

非正規雇用の増加

3月29日の朝日新聞「働くってなんですか プロローグ」は「働き手が元気になるために」は、新型コロナウイルスによる諸活動の自粛が、非正規雇用やフリーランスなど弱い人たちの生活に大きな影響を与えていることを解説しています。
そこに、1990年(平成2年、バブル期)と2019年の雇用形態別労働者数が、図になって載っています。平成の30年間の変化です。

数字だけを抜き出すと、次のようになります。各項目で、1990年、2019年の順に並べます。
正社員・男性 2438万人→2334万人。減少
正社員・女性 1050万人→1160万人。1割増
パート・アルバイト・男性 126万人→355万人。3倍
パート・アルバイト・女性 584万人→1164万人。2倍、600万人の増
派遣社員・男性 6万人→56万人。9倍
派遣社員・女性 21万人→85万人。4倍
外国人労働者 10万人→166万人。16倍

パート・アルバイト特に女性と、派遣社員、外国人労働者の増加が目立ちます。
日本の雇用者数は約6000万人ですから、600万人の増はその1割です。

学校一斉休校、子育て家庭への影響

新型コロナウィルス対策として、学校の一斉休校が要請されています。予定していなかった学校の休校で、さまざまところに影響が出ています。
3月12日の日経新聞「追跡コロナ 日本の宿題(2)」は「休校「子どもだけで留守番」3割 個人頼みの預け先探し」を報道していました。詳しくは記事を読んでいただくとして。

子育て中の家族がさまざまな状況にあることを、知る機会になりました。
女性の社会進出によって、母親も働いている家庭が多くなりました。その受け皿になっているのが、保育園であり、学校と学童保育です。これらがないと、小さな子どもを抱えた親は、働きに行くことができません。小学校低学年までは、一人で留守番をさせるわけにはいかないでしょう。

親が働きに行けなくなると、収入がなくなるだけでなく、勤務先は労働力を確保できません。小売店や保育園など、お母さんたちが働いている職場で、人手不足になっています。もちろん、母親が休むのではなく、父親が休むこともあります。母子家庭や父子家庭は、きついです。

さらに、給食がなくなって困ったという家庭もあるそうです。貧困家庭で、学校給食が一日のうちで最もバランスの取れた食事だという家もあるそうです。子供たちに無料または安い料金で食事を出す「子ども食堂」も、閉鎖されているところがあるようです。これも、困るでしょうね。

災害時やこのような危機の際に、社会における弱者が浮かび上がります。それを把握し対策を打つ、良い機会だと思いましょう。