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著作

コメントライナー寄稿第2回

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第2回が配信されました。今回は「管理職の必須知識」について書きました。同時に、iJAMPでも配信されました(それぞれ有料で登録会員だけです)。

企業も役所も、管理職の育成に悩んでいます。職員を使って業務を達成するという任務は変わらないのですが、社会の変化や従業員の意識の変化に対応する能力が必要となりました。
これとは別に、管理職に必要な知識が増えました。情報通信技術とサイバーセキュリティ、コンプライアンス、不祥事が起きた際の広報対応、災害時の業務継続、仕事と生活の調和、セクハラやパワハラの防止、心の不調を抱える職員への対応などなど。
担当している業務の専門知識の前に、このような共通知識が必要になりました。これは意外と気がつかれていません。
これらの項目それぞれに、専門書や研修はあります。ところが、これらの一覧、「管理職ならこれだけは覚えておこう」という教科書がないのです。

で、市町村アカデミーで、研修を作りました。
一つは、上に述べたような内容の「管理職の必須知識講座」です。
もう一つは、「政策の最先端」です。デジタル化や感染症対策など専門性の高い科目は既にあるのですが、それとは別に管理職や企画担当職員に最先端の政策課題とその動向を学んでもらいます。「最先端政策のデパート」を目指します。内閣官房や総務省などの専門部局の協力を得て、内容を練り上げました。

コメントライナー前回は、1月6日「若手官僚の不安と不満」でした。

発言が載りました。復興庁発足10年の評価

地方紙に、私の発言が載りました。例えば、河北新報2月10日「復興庁発足10年「橋渡し役」被災地評価」、2月19日東京新聞。共同通信社の配信記事です。
記事は復興庁発足10年の評価についてです。そこに、町の復旧に巨大な事業をしたのに空き地が目立つと指摘して、次のような文章があります。
・・・15~16年に復興庁事務次官を務めた岡本全勝さんは「震災前から進んでいた人口減少を踏まえずに復旧したことで、無駄を生んでしまった」と悔やんだ・・・

この経緯や原因について詳しく話したのですが、記事ではこのような表現になりました。空き地もこれから活用されれば、無駄ではないのですが。人口が戻らないと、過大な復旧になる場所もあります。
この原因については、「復興政策、終わってからの教訓」「復興事業の教訓、過大な防潮堤批判」をご覧ください。参考「復興10年関連記事の目次

連載「公共を創る」109回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第109回「倫理や慣習への介入」が、発行されました。
前回から、政府の役割として「この国のかたちの設定」を説明しています。今回は、差別禁止の次に、倫理や慣習への介入を取り上げます。

社会倫理を定める例として、生命倫理(何を持って死とするか、尊厳死を認めるか)、風俗の罪(わいせつや賭博)を挙げます。他方で、憲法が定めていながら、政府が積極的に行動していないこととして、第27条第1項の労働の義務があります。
これらが突然出てくることに、皆さん違和感を持つでしょう。ふだん社会倫理は議論されず、議論する仕組みがないのです。

政府の社会慣習への介入例として、公共の場での喫煙禁止、夏の軽装(クールビズ)があります。電車の駅での整列乗車やエスカレーターの片側空けは、政府でなく会社が呼びかけたものです。エスカレーターの作法は、現在では2列で立ち止まって乗るように誘導されています。

連載「公共を創る」108回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第108回「「国のかたち」の設定─平等と倫理」が、発行されました。
前回から、政府による社会(狭義)への介入を説明しています。公共秩序の形成、国民生活の向上の次に、「この国のかたちの設定」をとりあげます。

それは、倫理、慣習、国民の共通意識(社会意識)などへの関与です。これらを政府の役割として取り上げると、疑問を持つ人もいるでしょう。「内心には、国家は関与すべきではない」「慣習は、社会で自然とできるものだ」とです。
日本国憲法は、この国の基本を定めた法律です。そこでは、統治機構と人権について定めています。人権の規定は、基本的人権の尊重、幸福追求権、法の下の平等など、「社会の善悪」を規定しています。社会倫理の基本を定めているのです。

政府が行う「この国のかたち」の設定について、倫理、慣習、社会意識の順に検討します。今回は、平等、差別の禁止について考えます。憲法が法の下の平等を定めただけでは、平等は実現しません。その事例を取り上げます。

連載「公共を創る」執筆状況報告

恒例の、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況報告です。
「2社会と政府(2)政府の社会への介入」のその2を書き上げ、右筆に手を入れてもらって、編集長に提出しました。その1は経済への介入で、12月半ばに提出しました。
その2は、社会(コミュニティ)への介入です。一気に書き上げることができず、まず3回分を提出し、これが2月掲載分になりました。ようやく残りを書き上げて提出すると3回分になり、これが3月掲載分になります。

現在書いている部分も内容が広く、参考となる書物がないので、苦労しています。締めきりに追われて、考えていることを文章にするので精一杯です。文章としては未熟です。それを、右筆が完成させてくれます。ありがたいことです。