8月30日日経新聞経済教室は、坂田一郎・東大教授の「IT戦略を問う。高度な人材育成の強化を」でした。
ビッグデータへの期待が高まっています。しかし、期待とは異なり、情報の量と種類の増加に比べて、経済社会で活用されているのは、ごく一部にとどまっています。その背景にある、3つの壁を指摘しておられます。
1つは、技術と人材の不足です。2つめは、情報を有効に生かすビジネスモデルの企画構想力の不足。3つめは、情報の利活用を進めるための社会システムの不足です。
膨大な情報を活用できるかどうか。分析をする側に、それを使ってどのようなビジネスに生かすか、どのような社会問題を解決するかを的確に認識していないと、価値はありません。
「情報科学者の関心は技術に偏りがちであり、市場や課題を深く知る人材との間に溝がある」と、先生は指摘しています。
詳しくは、原文をお読みください。
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他国の行動を大きく伝える
今日8月30日の各新聞夕刊の1面は、「英、シリア攻撃不参加。議会が否決」という趣旨の、大きな見出しの記事でした。これ自体は、大きなニュースなのでしょう。
でも、諸外国の新聞のトップニュースに、「日本、××攻撃に不参加」というような記事が載ることは、いつのことでしょうか。その前に日本の新聞に、「政府、××攻撃に不参加」と載るのは、いつのことでしょうか。あるいは、そもそもないのでしょうか。
ここには、2つの要素があります。
一つは、「イギリスの行動はわかった。では、日本はどうするのか」と問われた場合の答です。
もう一つは、諸外国で、日本がどのように報道・評価されるかです。
もちろん、戦争は避けるに越したことはありません。また、戦争に関し、日本が世界でも珍しい憲法を持っていることも事実です。しかし報道が事実なら、シリアで子どもや市民が、化学兵器で殺されています。
イギリスの行動を報道・評価するなら、わが国の取るべき態度も明らかにすべきです。ともに参加するのか、身を挺して反対するのか、我がことではないと傍観を決め込むのか。他人のことを評論する際には、我が身に対する質問と答も用意すべきだと思います。
西欧各国の動向を大きく伝えることの裏側に、「日本は別ですよ」という意識が、潜んでいないでしょうか。それとも、イギリスやアメリカは大国で、日本はその他の国なのでしょうか。「一国平和主義」の限界が見えてきます。
私ならどうするか。あなたは、どう判断しますか。難しいです。
海外メディアの日本報道、その2
「なぜ日本ばかりが謝罪しなければならないのか、という疑問を持つ人もいます」という問に対しては。
・・この20年ほどで、戦争の記憶に関する「グローバル記憶文化」とでも呼ぶべきものが生まれました。それは、国家が過去に行った行為について新しい国際規範ができた、ということを意味します。
戦後すぐは、その規範は存在しませんでした。国家の首脳は1950年代、「ごめんなさい」と言って回ったりはしなかった。この「謝罪ポリティクス」につながる新しい記憶文化が生まれた理由のひとつはホロコーストです。欧州連合(EU)が創設される過程でホロコーストはヨーロッパ共通の記憶になりました。多くの国が追悼の日を設け、教育を始めた。EUが1990年代以降に北・東欧に広がると、この記憶も広がった・・
日本は長い間、戦争の記憶に関して何もする必要がなかった。強固な日米関係に支えられていたからです。中国は共産主義国だから、存在しないのと同じだった。しかし、冷戦が崩壊し、日米関係が唯一の重要な国際関係ではなくなった。
アジアと向き合うことを余儀なくされ、90年代になって突然、日本政府は戦争の記憶に対処しなければならなくなったのです。それは世界的な「新しい常識」です。自民党が国内政治として扱おうとしても、それとは別種の国際環境が存在している。米下院が慰安婦問題で非難決議をしたのも、その流れです・・
海外メディアの日本報道
(海外メディアの日本報道)
朝日新聞8月20日オピニオン欄、キャロル・グラック教授(コロンビア大学)へのインタビューから。
「参院選でも大勝した安倍政権について、米メディアでも右傾化を懸念する意見が見受けられますが」という問に対して。
・・実は、うんざりしているんです。過去数カ月間の日本に関する報道で、ナショナリズムや軍国主義といった言葉が実に多く使われています。世論調査の結果を考えれば、そんな心配はないことがわかるのに。
日本に関する海外メディアの報道は極端で、しかも浅い。日本がすぐに軍国主義になることはないし、憲法9条への支持はまだ強い。なのにメディアは安易にラベルを貼る。橋下徹大阪市長の慰安婦発言も好例です。まるでウイルスのように、あの種の発言は広まる。日本人の多くは発言に賛同しているわけではないのに、米国人はそれを知らない。
以前から感じているのですが、日本はいつも極端な言葉で形容されます。経済問題でもそうです。1980年代には「世界を支配する」、90年代には逆に「日本は終わった」と報じられ、その後、日本はほとんど無視された。安倍首相が再登板してアベノミクスを言い立てると、おお、欧州ができなかったことをした、再び日本に注目しよう―。私は歴史家だから確信していますが、世の中は決して、極端から極端へは変化しない。歴史は、短距離走者ではないのです・・
「前回政権時、安倍首相は『戦後レジームからの脱却』を掲げていましたが、これはどう思いますか」に対して。
・・同種のことを言い始めたのも、別に安倍首相が最初ではありません。戦争が終わって70年近く経つというのに、いまだに「戦後」という言葉を使っているのは日本だけ、という点は実に興味深いですが。
日本が戦後という言葉を使い続けた理由は、それだけ、この体制が安定したものだったからでしょう。諸外国では、このように使われる言葉を見つけられません。その理由のひとつは米国です。米国が、日本の記憶とシステムを『冷凍』していたから。そして日本にとっては、それが快適だった。おかげで天皇は象徴となり、民主的で平和な国家が続いている、と・・
この項、続く。
警察の犯罪防止の新しい手法
読売新聞8月19日夕刊に、「押収名簿で詐欺防げ」という記事が載っていました。
「振り込め詐欺や投資詐欺などの犯行グループから押収した名簿を使って、全国の警察が、名前の掲載されている高齢者らに注意を呼びかける取り組みに力を入れている」というものです。
警視庁の「特殊詐欺被害防止対策電話センター」では、毎日約30人の民間オペレーターが警察官の指示を受けながら、高齢者に電話をしています。電話の相手は、犯人たちから押収した名簿に載っている高齢者です。詐欺の電話は、同じ地域で続く傾向があるので、ある地域で詐欺の電話がかかったことを察知すると、その周辺の高齢者に「気をつけてください」と連絡を入れて「迎撃」するのだそうです。この電話の後、詐欺犯から電話を受けた人から通報があって逮捕に結びついたのが、1~7月に31件にも上りました。警察は、犯罪が起きてから捜査に乗り出すのではなく、ここまで事前サービスをしているのです。
他方で、今年上半期の特殊詐欺被害額は、過去最悪だそうです。