カテゴリー別アーカイブ: 生き方

生き様-生き方

本を読む人、読まない人

10月27日から11月9には、読書週間です。他方で、この時期には、本を読む人が減ったという記事が報道されます。

読売新聞の調査によると、この1か月で本を読んだ人の割合は47%です。2人に1人ですね。この数字は、この20年間、ほぼ変わっていません。
問題は、1995年に比べ、20代から30代の若者が、本を読まなくなったことです。スマホに負けているのでしょうね。

全国大学生協連合会の調査では、1日の読書時間がゼロの大学生は、約5割です。2010年には34%だったそうです。
まあ、驚く数字ではありません。大学が勉強をしたい人が行く場所から、 勉強が嫌いでも親が金を出してくれるので行くレジャーランドになって久しく.。進学率は、6割になっています。日本人全体の傾向と、同じ結果が出るのでしょう。

猫背近視製造機

「猫背近視製造機」って、なんだか分かりますか。
先日、知人との飲み会で、スマートフォン批判で盛り上がりました。朝の電車中で、多くの人がスマートフォンの操作に没頭していること。その多くは、ゲーム、漫画、映画を見ていること。周囲に気配りできず、自分の世界に浸っていることなどです。
いつも、同じことを言っていますが。「丸ノ内線の新しい決まり」「君は間違っていない、しかし

もう一つの批判は、姿勢が悪くなることでした。小さな画面を注視するので、猫背になっています。さらに、近視も心配です。
NHKウエッブ「私たちの目が危ない “近視クライシス”

ある人曰く、「無言人間製造機です」とも。そうですね、満員電車で、無言で人をかき分けて降りていきます。一声「降ります」と声をかければよいのに。

新採職員の離職率

2016年の卒業者のうち、就職後3年以内に仕事を辞めた人の割合は、大学卒業者は32%、高校卒業者では39%だそうです。(10月21日、厚生労働省発表共同通信ニュース
大卒では、1年にほぼ1割ずつ辞めて、2年で2割、3年で3割です。産業別の離職率は、宿泊業・飲食サービス業が50%、生活関連サービス業・娯楽業の47%、医療・福祉や小売業も離職の割合が40%近いです。
企業の規模別では、5人未満が58%で、規模が大きくなるに従って離職率が低くなっています。
高卒では、1年で約2割、2年で約3割、そして3年で約4割の人が辞めます。かつては、5割もの人が3年で辞めていました。半数です。

就職内定率が、大きくニュースとして取り上げられます。しかし、高卒で4割、大卒で3割の人が、3年で辞めていることを考えると、内定率の少々の変動より、こちらの方が問題です。それは、社会にとっても、各会社にとっても大きな損失ですが、本人にとってはもっと深刻です。
学生の就職率や内定には、学校も積極的に関与していますが、一度就職して辞めた人には、どのような支援があるのでしょうか。ハローワークでは、どのような扱いになっているのでしょうか。

鹿島茂先生の古書集め

鹿島茂著『子供より古書が大事と思いたい 増補新版』(2008年、青土社)を読みました。
いや~、感激しますわ。表題から、その内容を推測できます。で、私も読んだのです。

先生が集めておられるのは、ヨーロッパ19世紀の挿絵本です。中には、とんでもない値段が付いている本もあります。それらを扱う専門店があるのです。日本の街角にある古本屋とは、全く違う世界です。
フランスの古書、古書店の事情がよくわかりました。私の立ち入る世界ではないということも。

先生が、どのようにして、目当てのものを手に入れられるか。この本の元となった文章が書かれた頃は、インターネットがなく、ファックスでやりとりされています。
さらに、お金の問題です。先生は、大金持ちのお坊ちゃまでなく、大学教員です。どのようにして、費用を工面されたか。借金をして、その借金返しのために原稿を書き続けたとの趣旨が書かれています。

さて、表題にもなっている「子供より古書が大事と思いたい」は、フランス滞在中の出来事を書いた部分です。どのようにお子さんが「かわいそうな目」に遭ったか。それは本をお読みください。奥さんも子供さんも、えらい。

石毛直道著『座右の銘はない』

石毛直道著『座右の銘はない あそび人学者の自叙伝』(2019年、日本経済新聞出版社)を読みました。2017年に、日経新聞「私の履歴書」に連載されたものに加筆して本にしたものです。
石毛先生は、「鉄の胃袋」と呼ばれるほどの、何でも食べてきた人です。座右の銘は、「何でも食べてやろう」ではないでしょうか。もちろん、小田実さんのベストセラー『何でも見てやろう』のもじりです。

P129に、次のような内容の記述があります。
石毛先生が海外に出かけるようになった1960年代、世界で日本料理店があったのは、旧植民地の朝鮮半島、台湾と、日本人移民が多く日本人街が作られたロスアンジェルス、ホノルル、サンフランシスコ、サンパウロなどの都市に限られていました。
先生は、日本食が世界性を獲得するのは難しいと考えていました。理由は、世界のほとんどの地域で、肉や油脂、香辛料を多用した料理がごちそうとされていたのに対して、日本食は魚と野菜を主役とし、寿司や刺身などの生魚料理をごちそうとするからです。
「私の予想は見事にくつがえった。1970年代末に、ニューヨークとロスアンジェルスを拠点に、アメリカでスシ・ブームがおこったのである」

1980年に、ロスアンジェルスで50軒ほどの日本料理店で、約500人のアメリカ人にアンケートを実施します。日本食から連想される言葉に、健康的、軽い、ナマ、単純、清潔、美しいが上げられました。他方、アメリカ食からは、脂っこい、太る、重いという言葉が連想されます。日本食が健康によい食事と評価されたのです。
2007年ニューヨークには、約900軒の日本食のレストランがあるのだそうです。

先生の若き頃の交流に、京大人文研や民博の先生方がでてきます。私も大学時代から、これら先生方の著作を読みました。懐かしく思い出しました。「加藤秀俊先生」「梅棹忠夫先生」「高橋 潤二郎先生との対談