カテゴリー別アーカイブ: 知的生産の技術

生き様-知的生産の技術

パワーポイントは嫌い

パワーポイント」という、プレゼンテーション用のコンピュータのソフトがあります。会議で説明の際に使う、文章や図画を映し出す仕組みです。かつては、プロジェクター、OHP等も使われましたが、最近ではパワポが、圧倒的に使われているようです。商品名ですが、もはや普通名詞になっています。会議や講義、講演では、かなりの人が使っているのではないでしょうか。
講演の依頼が来る時も、「パワポを使いますか?」と聞かれます。私は「使いません。レジュメと資料を配るので、印刷してください」と答えます。私は、パワーポイントが嫌いです。理由は、次の通りです。

1 聴衆との間の視線(アイコンタクト)が、とぎれる。
私は、観客の目を見ながら、お話しします。目を見ると、「この人はわかっているな。あの人は、わかっていないな」とか「この小話は、受けたな」とわかります。
そして、なるべく多くの観客の視線を、話し手である私の方に向けさせ、集中してもらうようにしています。黒板に書く時も、なるべく観客の視線をそらさせないように、心がけています。
これは、人前で話す際のハウツー本には、必ず書かれていることです。パワーポイントを使うと、話し手に集中していた観客の視線が、とぎれてしまうのです。この点を、最近の「話し方講座」では、どのように教えているのでしょうか。

2 情報量が少ない。
パワーポイントに限らず、スクリーンに映し出す画像は、情報量が少ないです。活字だと、せいぜい3~5行でしょう。それより多くなると、読めません。頭に入りません。
グラフや写真、映像などは、映写する方が説明しやすいでしょう。私は、それを否定しません。しかし、私が使うようなレジュメや文字情報が多い資料だと、紙で配る方がわかりやすいです。
パワーポイントでも読みやすいように、図示したりイラストで工夫した資料も見ますが、あまり成功した例は見ません。文字情報をイラストにするには、限界があります。

3 持ち帰ることができない
私は、サービスとして、資料を持って帰ってもらうことにしています。話の骨格とか数字などを、書き取らなくても良いようにです。
パワーポイントの映像を印刷して配付する人もいますが、それなら資料を配ってあげた方がよいでしょう。パワーポイント1枚に入る情報は、少ないです。

4 横長は、人間工学に反する(笑い)
最近は、配付資料でもパワーポイントを使ったものがあります。A4の紙を横長に使い、文章も横書きです。これって、読みにくいですよね。1行の文章が長くて、それから折り返されます。
和書でも洋書でも、紙は縦長に使います。横長の本は、子どもの絵本か図画や音楽の教科書くらいでしょう。手紙でも役所の文書でも、横長はまずは見ません。日本の手紙は、古くは巻紙に書かれます。これは究極の横長ですが、その際は文章は縦書きです。パワーポイントでも、縦書きにすれば読みやすいのでしょうが、皆さん横書きに使っておられます。
また、紙を横長に使って、横書きにすると、箇条書きにする際の項目数が少なくなるのです。
欧米の封筒やカード、日本でも名刺などで、横長横書きがありますが、これは情報量が少ないので、問題ないのでしょう。
コンピュータの画面(ディスプレイ)にあわせて、横長なのでしょう。しかし、インターネットのいろいろなホームページも、画面の横幅いっぱいに、文章を書き連ねて使っているページって、そんなにないでしょう。新聞社のサイトも、文章は画面の左右幅いっぱいに広がらず、短く折り返しています。横には別の情報が入っています。文章は横に長いと、読みにくいのです。いまご覧のこのページ(表紙)も、左右に広く空間をとって、文章は短くしてあります。

「お前の勝手だ」と言われれば、それまでの話です。

ボールペン

職場では、万年筆とサインペンを使っています。外出時は、かつては2色ボールペンを使っていました(2006年11月13日の記事)。半年ほど前から、ボールペンを変えました。伊東屋で「2色ボールペンで、人前で品が良くて、書きやすいのはどれですか」と質問したら、直ちに「三菱鉛筆のジェットストリームが書きやすいです。よく売れています」と答が返ってきました。「そのピュアモルトが、品がよいです」とのこと。
確かに外見も良く、なんと言っても書き味がよいです。かすれもなく、すいすい書けます。一つ買いましたが、この難点は、2色のほかにシャープペンがついていることと、胴体が太めなことです。私はシャープペンは使わないので。よって、これは職員にプレゼントしました。
今は、3色ボールペンを胸の内ポケットに挿しています。これも胴体はやや太めで、見栄えはいまいちなのですが、それは辛抱しています。2色で良いのですが、職員の資料に手を入れる時に、たくさん加筆することがしばしばあります。加筆したものにさらに加筆する際に、赤と青の両方を使っています。
もう一つの難点は、書きやすくて、ペン先がすべってしまうのです。それくらいなめらかです。

万年筆のインク

職場では、未だに毎日、何枚もの指示書を書いています(4月20日の記事参照)。ペン先が太いうえに、字が大きいので、万年筆のインクの減りが早いのです。書いている途中でインクが無くならないように、カートリッジからコンバーターに変えました。それも大きなものに。先日の休みに、伊東屋に行って買ってきました。毎日一円も使わない生活を続けているので、久しぶりに、お金を使いました。
「インクの減りが早いから、コンバーターを買ってきた」と言ったら、職員から「え~、まだまだ仕事をするのですか」と嫌がられました。たくさん指示書をあげるよ、M参事官、F参事官。

校正の悲しみ

北海道大学の宮脇淳先生から依頼されていた、原稿の校正をしました。「行政改革の現在位置~その進化と課題」年報『公共政策学』第5号(2011年3月予定、北海道大学公共政策大学院)です。1990年代以降の行政改革を分類し、その範囲と目的の変化を論じました。この数年間にわたり温めていた勉強の成果なので、自信作です。
今日の話は、原稿の校正についてです。かつては、手書きの原稿が活字になって帰って来るので、ゲラ刷りを校正することは楽しみでした。ところが最近は、ワープロ原稿を渡すので、汚い手書きがきれいな活字に変わる喜びは小さくなりました。それどころか、校正をするたびに、がっかりします。
原稿を書き終えて提出した時は、ほっとするとともに、書き上げた高揚感で満足しています。「我ながら良く書いた」と。ところが、ゲラになって戻ってきて読み返すと、落ち込みます。時間をおいて読み返すことで、書き足りなかった点や、読みづらい文章が見つかるのです。自らの力不足を反省します。 しかし、執筆の分量は限られ、締め切りが迫っているので、最小限の手直しをして送り返します。その際、編集長の朱が入ったところは、「なるほどねえ。そうだわ」と納得し、安心します。ありがたいことです。
私は依頼を受けると、なるべく早く骨子だけは書いておき、それをいったん原稿にした後、締め切り前にもう一度加筆するようにしています。そしてできれば、誰かほかの人に読んでもらって、意見を聞くようにしています。時間をおいて読み返すと、書き足りないところや読みにくいか所が見えてきます。また、読み返すたびに、加筆する場所が見つかるのです。もっとも、今続けている連載は、毎回締め切りに追われて、「熟成させる」時間が取れません。反省。

新しい携帯パソコン・初期設定

携帯パソコンを、買い換えました。前のは、2002年にヨーロッパに行く際に、買ったものでした。東芝の「リブレット」。小型ながら、便利なものでした。当時、「海外でも使える」を書いてあったのも、選んだ理由でした。その後、国内出張の時なども、重宝しました。最近は、出張も少なく、使う機会は減っていましたが。また、USBメモリーを持ち歩けば、大概のところでは、向こうのパソコンを使わせてもらって、仕事も済むので。
そろそろ買い換えようと、物色していたのですが、東芝はかなり前にリブレットを生産中止しています。他のメーカーの機種は、性能は上がっているのですが、わたしに不要な機能が、たくさん付いているのです。携帯電話のカメラと同じです。そんなことを言っていても仕方がないので、決断しました。あわせて、無線通信にも入りました。
初期設定に結構手間取り、目が痛くなりました。デスクトップからよけいなアイコンを削除したり、ウイルス防止ソフトを更新したり。
インターネット(エクスプローラー)もメール(アウトルック)も、本文の文字を大きくすることは成功したのですが、基本動作の部分(お気に入りの部分や受信トレイの部分)は大きくならず。

と書いたら、早速、玉岡先生からご指導いただきました。その通りにしたら、成功しました。いつもいつも、ありがとうございます。