カテゴリーアーカイブ:知的生産の技術

頭を切り替える

2026年5月9日   岡本全勝

かつては、自分は頭の切り替えが早い、また集中力はある方だと思っていたのですが。最近は、そうもいかなくなりました。

例えば、中断していた連載原稿の執筆を再開する場合です。
5月掲載分の「公共を創る」原稿は、海外旅行に出発する前に、編集長に提出していきました。次の6月掲載分の締め切りが5月半ばに来るので、執筆を再開しました。右筆に手を入れてもらうためには、締め切り1週間前には、右筆に届ける必要があります。
ところが、どこまで書いたか、どのような展開の予定かが、思い出せないのです。そこで、4月分の記事と5月分の原稿を読み返し、続きを考えることにしました。
忘れていますねえ、何を書いていたかを。情けないことです。頭の切り替えが悪いというより、記憶力が衰えているといった方が良いのでしょうか。一旦、頭の中が切り替えられると、そこからは集中できるのですが。もっとも、こちらの方も怪しくなってきました。

もう一つは、中断していた読書を再開する場合です。読みかけていた本を、ほかの本を優先することで中断することがあります。また、興味が移って、ほかの本を読むことがあります。机の上や枕元にあるそれらの本を見て、再開します。
しおりを挟んであるのですが、どこまで読んだか、どのような展開だったかを忘れています。目次を見て、何ページかを遡って読むことで、記憶を呼び戻します。一気に読んだ方が、効率的です。

その点、肝冷斎の多方面での活躍ぶり、頭の切り替えには尊敬します。古典漢文の解説、カレンダー作成、野球観戦、現地調査、猫の相手・・・。頭の中は、どうなっているのでしょうか。

学問は二度目が美味しい

2026年4月9日   岡本全勝

3月21日の日経新聞の書評欄、井上義和・帝京大学教授による、橋爪大三郎著『社会』の書評「「当たり前」問う知の移動能力」から。

・・・学問は二度目が美味しい。忙しいビジネスパーソンが「教養」を求めて読書する大きな理由の一つがここにあると思う。

大学入学後に生まれて初めて学問に触れた。抽象的な概念や用語を覚えるたびに世界の解像度が上がっていく気がした。後から振り返れば、それはバラバラに穿(うが)たれた幾つもの小窓から外を観察するようなものだった。卒業後、かつて小窓から窺(うかが)っていた外のリアルに触れる。さまざまな現場で当事者として具体的な経験を重ねるにつれ、借り物でない自分の言葉で物事を把握できるようになる。小窓の死角に隠れて見えなかったものの存在にも気づく。そして多くの人はここで満足する。

しかし、それに飽き足らず再び学問の門を叩(たた)いてみた人は驚くだろう。視界が開け自分で運転して自在に動き回ることができる。かつて小窓から見える断片的な景色を頭のなかで合成してなんとか想像しようとした世界が、車窓からパノラマとして広がって見える。二度目の学問の効用である・・・

「東大教師が新入生にすすめる本」2026年

2026年4月7日   岡本全勝

東大出版会「UP」4月号は、定例の「東大教師が新入生にすすめる本」特集です。
大学の先生が最近はどのような学問を教えておられるのかを知るとともに、学生にどのような本を薦めておられるか、勉強になります。特に後者は、古典というより新古典というような本が紹介されていて、参考になります。

本屋にはたくさんの本が並んでいますが、どれを読んだら良いか迷いますよね。その際に役に立つのが、新聞の書評欄です。書評欄は新刊書が中心です。その点で、「東大教師が新入生にすすめる本」は新古典などが挙げられていて、少し趣旨が違います。
いくつか読みたくなって、注文してしまいました。頂き物の本も溜まっているのに・・・。
東大教師が新入生にすすめる本」2019年、「文化、政治、経済の新しい古典

パワーポイントが作れました

2026年3月27日   岡本全勝

講演会では、話の骨子と投影資料、場合によっては配付資料を使っています。骨子は文字だけなので、一太郎で作り(私は一太郎の方が使いやすいので)、ワードに変換して、主催者に送ります。問題は投影資料です。過去に集めた写真や画像をPDFにして、スライドを作ります。定番のものができているので、追加したり削除したりしています。新しい画像を作る技能がないので、これまでは職員などにお願いしていました。簡単な図は万年筆などで書いて、それを読み取って画像にしたこともあります。

会社の中の私・私の中の会社」の図を作るに当たって、最初は万年筆で書いたのですが。一度やってみようと考え、パワーポイント作成に挑戦しました。インターネットで作業方法を調べ、試行錯誤の末にできたのが、あの図です。
意外と簡単にできました。少し変なところもありますが、良しとしましょう。70の手習い、正確には71歳の手習いです。若い人は笑うでしょうが。

試行錯誤したのですが、わかってしまうと、簡単なことで悩んでいました。職場なら、わかっている人に聞くことができて、悩まなくてもすむのでしょう。改めて、職場の機能を認識しました。
さて、話題の人工知能。使った人は便利だといいます。どうしましょうかね。調べものなら、今の検索機能で十分です。文章は考えながら書くものであって、機械や他人が書ける文章なら、私が書く必要はないですね。作業の効率化と思考の委託は、別のものだと思うのですが。

MSゴシックという活字体

2024年12月13日   岡本全勝

東京大学出版会の宣伝紙「UP」12月号、千葉滋・東大教授の「ご冗談でしょう、MSゴシックだなんて」に次のような話が載っています。

MSゴシックという活字体(フォント)は、コンピュータに詳しい人の間では、とても評判が悪いのだそうです。
MSゴシックは、マイクロソフト社が、ウイドウズ3.1で日本語を表示できるようにするために開発したフォントとのこと。この頃のパソコンは性能が低かったので、複雑な曲線を使わず、単純な線で作られました。なので、30年経った今では、美しいフォントとは言えなくなりました。
ウインドウズでも、標準的なゴシック体として、メイリオや游ゴシックが使えるようになっています。
ヒラギノやリュウミンというフォントはきれいだそうです。

へえ、そうだったんですね。知らずに、しばしばMSゴシックを使っていました。このホームページは、何を使っているのかな。