カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

接待の手土産

23日の日経新聞に、「接待の手土産セレクション2015」が載っていました。どうやら、取引先の接待の後にお渡しする手土産のリストです。上司が持っていく品物を、秘書が選ぶ際の候補のようです。たしかに、これは難しいですよね。日本の接待は、夜の料亭やレストランで行われます。休日のゴルフ場もあるようです。そこで、お持ち帰りいただくとすると、接待相手とともに、ご家族が喜ばれるもの、そしてかさばらないけどそれなりの金額のものである必要があります。
秘書が困るのは、自分はその相手を知らない、どの程度の金額がよいかわからない・・・からです。料亭やレストラン、ホテルなら、その店がつくっているお菓子などが定番でしょうが。この宣伝は、よいところを、ついていますね。品物を選んだ理由に、「日経新聞に載っていますから」と言えます。接待に使う店も、紹介してくれるようです。「明るい秘書講座」裏技編ですね。
国家公務員は、1990年代の官官接待や不祥事以来、接待を受けることは禁止されています(国家公務員倫理法)。よって、この悩みはありません。厳密に言うと、接待することは禁止されていないようなので、持っていく手土産を悩むことは可能ですが(苦笑)。誰も、していないでしょうね。

明るい課長講座上級編。困った、あなたならどうする

昨日に続いて、明るい課長講座です。ある人から「全勝さんなら、どうしますか」と質問されて、よい回答が浮かばなかった事例です。かなり上級編です。市販の「職場もの」の本には、出ていないでしょうね(苦笑)。
(場面1)
登場人物は、Aさん(上司、例えば局長)、B(その部下、例えば課長)、C(Bの部下、例えば課長補佐)。3人が、職場(Aさんの部屋)で、仕事の打ち合わせをしています。Aさんが、聞きます。「Cくん、あの件はこうなっていたけど、その後どうなったかな?」。あるいは、「Bさん、あの件はどうなっていたかな?」と。
実はその件は、C君が、直接の上司であるBさんには内緒で、Aさんと進めていた案件です。あるいは、Aさんが、部下であるBを飛ばして、C君と話を進めていた場合もあります。それほど、微妙な案件です。Aさんはそれを失念して、Bさんの前で、話題にしてしまったのです。
Bさんは、訳がわからず、きょとんします。しかし、いきさつがわかって、腸(はらわた)が煮えくりかえります。「Cのやつ、俺に内緒で、Aさんと仕事を進めやがって」。他方で、C君は、凍り付きます。「Aさん、それはないでしょ。Bさんには内緒と、言ったじゃないですか」。
さて、ここからが「課長講座」です。
問1、あなたがBさんだったら、どうしますか。
問2、あなたがCくんだったら、どうしますか。
Cくんの場合は、素知らぬ顔をして、Aさんの問に答える。そして、その場を離れてから、Bさんに「すみません、Aさんに言われて、作業をしていました」と言うのでしょうか。「いや~、Aさんが、Bさんに伝えていたと思っていました」と、白々しい嘘をつくことも可能ですが、そんな嘘は、Bさんはすぐに見破るでしょう。
Bさんの場合は、より難しいです。あなたがBさんだったら、怒りに震えています。しかし、Aさんに向かって「わたしは、その話を聞いていません」と言うことが正しいかどうか。言われたAさんは、ばつが悪いですわね。AさんとCくんと、2人を敵に回します。かといって、黙っていたら、この後、あなたは、AさんもC君も信用できなくなります。

(場面2)
よく似た場面として、飲み会の翌朝があります。前の晩にAさんとC君さらには他の人が一緒に飲みに行って、あなた(Bさん)だけが呼ばれなかった場合です。それが翌朝の会話で、わかったのです。事前にお誘いがあったけど、あなたは、別件があって断ったなら、問題がありません。しかし、あなただけ、どうやらお誘いがなかったような場合です。
AさんとCくんだけなら秘密は守れるのでしょうが、参加者が多くなるとこんなことも起きます。無邪気に「ゆうべはよかったね・・」と、Bさんの前で話してしまうのです。それを知ったあなたは、どのような行動をとるべきか。知らなかったら、良かったのにね。
教訓=飲み会は、誰を誘うかより、誰を呼ばないかを決めることが難しい
この設問は、職場での人間関係編であり、トラブル対応編です。

話が通じないのは、相手の頭が悪いのか、私の説明が悪いのか

久しぶりに、「明るい課長講座」です。最近の経験から。ある人(Aさんと、しておきましょう)に説明していたら、話がかみ合いません。しばらくして、Aさんが別のことを思い浮かべておられることに、気がつきました。Aさんは、かつての上司であり、気心の知れた先輩です。
対応1 かつての私なら、「なんだこの人、物わかりが悪いなあ」と考えたでしょう。
対応2 私の説明が、不十分だったのですね。反省。すぐに「すみません、私の説明が悪かったです。実は、××を説明しようとしていたのです」と謝りました。
対応1をしていたら、相手も「全勝は頭の悪い奴、説明の下手な奴だなあ」と、思っておられたのでしょうね。

先輩たちも新人だった

日経新聞土曜日の別刷り「プラス1」3月14日は、「先輩たちも失敗した。新社会人に贈る言葉15」でした。第1位は、電話に出るのが怖かった。第2位は、職場の人の顔と名前が覚えられない。3位は、周囲に相談できなかった、です。
皆さんも、覚えがあるでしょう。記事には、「こうしてみよう」という対策も書かれています。良い記事ですね。問題は、新入生はこの記事を読んでいないことでしょう。私は、自治省に採用が決まったときに、先輩から「君は、日経新聞を読んでいないのか。それでは、官僚失格だ」と宣告されました。38年前のことです。それは別として。
あなたにも、このような失敗の経験があるのなら、この春に職場に来る新人に、このような失敗をさせない心配りをしてください。新人は、大卒の新採だけではありません。他部局から異動してくる新人もいます。職場の先輩ができる一番の心配りは、「何でも相談できる雰囲気」を作ることです。「こんなことも知らないのか」と、いらだつこともあるでしょう。でも、あなたも新人の時は、そうだったんですよ。それを叱っては、新人は次から萎縮し、相談できずに傷口を広げます。新人さんを教育して、早く戦力にする。それが、あなたにとっても、組織にとっても、良いことなのです。部下を育てた、あなたの評価も上がりますよ。
「危ないと子を叱るより、手を引こう」。これは、交通安全の標語であり、職場で事故を起こさないための標語でもあります。
以下、4位は寝坊して遅刻、5位は緊張でうまく話せなかったなど。敬語を使いこなせなかったは、11位です。

人事評価への不満

日経新聞3月3日人事面は、「人事評価に不満、4割」を解説していました。20~50代の会社員約千人を対象にインターネットで調査した結果です。
人事評価の仕組みについて、不満が38%、満足が19%です。どちらでもないが43%です。不満の理由(3つまで回答可)は、「評価基準が明確でない」が41%、「評価者の好き嫌いで評価される」が39%、「評価者が直属の上司しかおらず、評価が一面的」が25%です。
人事評価で知りたい項目(3つまで回答可)は、「評価された実績や行動、態度」が66%、「余り評価されなかった理由」と「改善が必要な職務行動、役割意識」が40%を超えています。
一般論ですが、高く評価されたら、評価制度には不満を持たないでしょう。低く評価されると、評価制度や評価者に不満を持つでしょう。
全員が優秀な部下という場合は少ないでしょう。また、全員を高く評価することはできません。すると、上司としては、「できる限り部下に納得させること」、そして「欠点を直してもらって、より優秀な職員になってもらうこと」です。そのためには、会話が必要です。愚痴っていても、改善されません。