それ早く言ってよ。情報共有の課題

NHKのインターネットに、「人脈を共有!? 眠る名刺を資産に」という特集が載っています。NHKには珍しく、特定の会社名も載っています。記事を読んでもらうとわかるように、社員一人ひとりが受け取った名刺を、会社全体で共有する名刺管理サービスです。地下鉄車内の、動画広告にも宣伝が出ていて、良くできた広告だなと思っていました。上司の「早く言ってよ~」が、切なく笑えます。「面識あり編」「またやられた編」。
ところで、このサービスはICT技術を使ったものですが、その元には、会社内での情報共有という問題があります。ICTを使うか使わないかにかかわらず、職員が持っている外部との情報を、上司や会社内でどのように共有するかです。そしてしばしば、「それなら、私は知っていました」とか「それ、早く言ってよ~」がおこります。それは、名刺だけにとどまりません。
記事でも指摘しているように、ある職員が持っている情報は、彼の「財産」でもあります。それを他人に公開すると、場合によっては、彼の財産が減ってしまいます。そこをどう折り合いを付けるか。どこにどのような情報があり、誰が誰を知っているか。これが上司の重要な力です。顔が広い、情報通だという力です。笑えるコマーシャルですが、組織管理論からすると、深遠な問題を含んでいます。
この記事は、若手起業家、そして田舎でやっていることの紹介なのですが、ここでは組織間理論として紹介しました。