昨日は、一部の職員を残して、多くの職員が定時に退庁したようです。今朝もほとんどの職員が8時半には出勤。感想を聞くと、「午前中が長いです」「お腹がすきます」とのこと。
私にも覚えがあります。大臣秘書官になって(37歳)、閣議日は4時半起床、5時15分には家を出る生活でした。午前中が長く感じられ、またお腹がすきました。それ以来、朝食はしっかり食べるようになりました。この生活が続くと、若手職員たちも、「残業などせずに、早く帰ろう」と思うようになるでしょう(苦笑)。
これで、霞が関に、「早朝出勤、早めに退庁」が定着するとよいですね。クールビズに続く第2弾になることを期待します(例えば2014年7月1日の記事)。法律でも補助金でもなく、官邸の声かけで生活の形が変わるという実例です。
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生き様-明るい課長講座
早朝勤務、残業削減
今日から「ゆう活」が始まりました。簡単に言うと、「残業せずに早く帰りましょう」ということです。日本のホワイトカラーが長時間労働をすること、その割には生産性が低いことは有名です。霞が関では、勤務時間を1時間早くすることが始まりました(ワークライフバランス)。原則9時30分~18時15分であるところを、8時30分~17時15分とするのです。
復興庁でも、この勤務時間を原則としました。今朝は、ほぼ全員が8時半に出勤。夕方、残業せずに帰ったかどうかは、明日確認します。私は率先して、17時15分定時に退庁したので、職員が何時に退庁したかわかりません。
9時半始まりという、これまでの原則がおかしいと、私は考えています。市町村役場も多くの企業も、8時半には仕事が始まっています。この霞が関独特の出勤時間は、通勤電車の混雑緩和が理由だと聞いたことがあります。本当ですかね。
国会開会中は、閣議は8時半開始が通常です。すると、大臣が閣議から戻ってこられても、幹部職員が出勤していないなんて、世間では通用しませんわね。国会の審議も、9時始まりが多いです。なのに、職員の多くが9時半出勤というのも、おかしな話です。もちろん、国会の答弁案作成のために、中堅若手職員が深夜まで残業しているという事情はあります。
私は、以前から、8時半~17時15分を勤務時間としています。実際は、8時前後に出勤し、18時までには退庁(異業種交流会に出発)しています。この際、1時間早めて、7時30分~16時15分にしようかと思いましたが、部下から反対されました。「次官がそんなに早く退庁されては、困ります」とのことです。しかし、職員が出勤するまでの時間帯が、私にとって「稼ぎ時」だったのです。
民間の友人や知人には、私より早い人がたくさんいます。S君(大企業の幹部)は、若いときから、弁当を2つ(朝食と昼食)持って、7時台には出勤しています。Hさん(中規模会社の社長)は、7時には出勤しています。それぞれ、「早朝は仕事がはかどる」とのこと。2人とも、毎日18時過ぎには「異業種交流会」や「教養を高める会」に励んでいます。
優秀な職員からの訴え、2
昨日の記事を読んだ職員から、抗議がありました。「私の頭文字は、KではなくOです」と。ごめん、小川補佐。お詫びして、訂正します。
優秀な職員からの訴え
先日「商店街の本格復旧、こんな支援もしています」(6月20日)を書きました。その中で、「復興庁の職員は、これまでにない課題に対し、新しい対策を考えるのが好きです。それも、机上の空論ではなく、現場に行って関係者と議論をして考えた案です。みんな能力とやる気のある職員なので、「前例どおり」や「できません」と言うより、新しいことに挑戦するのが好きなのです」と紹介しました。それを読んだ職員からの訴えです。
M君:ブログに取り上げていただいて、ありがとうございます。まさに私の××班は、この急先鋒に立つ班の1つではないかと自負しています。おかげさまで、今日も気持ちよく働かせていただいております。
O君:我々も、××班の次鋒くらいで頑張っています。今後とも、ブログで取り上げていただければ幸いです。
ちゃっかりしたものですわ(笑い)。
部下が鬱になる前に
日経新聞には、サラリーマンに(この言葉も古いですね)、職場での行動を教えてくれる記事が多く載ります。私も若い頃から、参考にしました。職場での立ち居振る舞い、宴会でのマナー、部下との接し方は、高校でも大学でも教えてもらえませんでした。でも、私の経験では、職場では、大学で学んだ法学や経済学以上に、これら社会人としての振るまい方の方が、重要でした。
28歳で、50人の部下をもって、その難しさを痛感しました。先輩に聞き、また、その手の本もかなり読みました。で、ハウツー本や「古典に学ぶ人生術」には、次のようなことが書いてあります。
「君子危うきに近寄らず」「虎穴に入らずんば虎児を得ず」。これを読んだ私は、「結局どっちなんや」と、当てにならないことを勉強しました(苦笑)。
さて、本論に戻って。6月11日の日経新聞夕刊に「気付こう、心のSOS。部下がうつになる前に」が載っていました。
・・・最近、20代の男性部下の顔色がさえない。社運をかけたプロジェクトと任せて1か月。会議で発言が減り、以前は冗談が好きだったが、話しかけても反応が鈍い。遅刻をするようになり、以前はなかったシャツのしわや寝癖も目立つ。
こんな時、あなたが上司なら、どう接するだろうか。
対応1 プレッシャーを減らすため、プロジェクトから外して残業が少ない別の仕事に配置換えする。
対応2 仕事の進捗を尋ね、「月内にここまで進めたらいい」と大ざっぱな方向を指示。プロジェクトの意義を強調し、「だから君に頼んだ」と声をかける。
さて、日経新聞の言う正解は、本文をお読みください。
ちなみに、私の対応は、次の通り。
まず、20代の若手(A君)に、社運をかけたプロジェクトを任せるようなことはしません。そんな危ないことを、ようしませんわ。ここに、その組織の間違いがあります。A君が悪いのではありません。
そして私が、A君の上司(B課長)なら、1か月も部下を放置しません。毎日のように、A君に「どこまで進んだ?」と聞きます。そもそも、その前に、粗々の方向性を示して、それも紙に書いて議論して、「ここを埋めてくれ」と指示します。
上司Bのその上司Cなら、B課長に対し、罰点を付けます。もちろんその前に、B課長に対し、1週間に1度は進捗を報告させます。
社運をかけるようなプロジェクトを、20歳の若手に任せて、1か月も放置するようなことは、通常の会社では考えられません。それは、そんなことをした上司Bとそれを放置したCの責任です。部下を鬱にするのは、多くの場合、上司であり組織です。すると、そのような上司を放置した人事課やその上司が悪いのです。とはいえ、上司が気を配っているつもりでも、設問のような事態も起こります。
という私も、いろいろな失敗をして、このようなことを学びました。