投稿者アーカイブ:岡本全勝

平成26年元旦

2014年1月1日   岡本全勝

あけまして、おめでとうございます。みなさん、良いお年をお迎えのこと存じます。東京は、暖かな元旦です。
我が家も、家族そろって、健康で正月を迎えました。近所の神社にお参りをして、娘夫婦も訪ねてきて。奈良の両親には、電話で挨拶を済ませ、届いた年賀状を整理してと、いつものお正月です。
今年もたくさんの年賀状をいただき、ありがとうございます。励ましの言葉や、近況報告が書き添えてあって、それぞれにうれしいですね。「ホームページ、毎朝見ています」や「最近、堅くて、おもしろくなくなりましたね」とかか。はい、ご指摘の通りです。
交通機関、病院、消防、警察など、年末年始の休みもなく働いておられる人たちに、感謝します。電気、ガス、水道などライフラインが支障なく使えるのも、運転しておられる職員のおかげです。
今年が、皆さんにとって良い年でありますように。

産業振興、政府はどこまで関与すべきか

2013年12月31日   岡本全勝

12月29日の日経新聞、「ベンチャー育成、官がどこまで」に、政府の成長戦略として、官が主導するファンドによる新企業育成の議論が載っていました(官民ファンド)。政府が産業にどこまで、どのように関与するのかは、大きな課題です。
国家が経済成長をするために、産業政策がとられます。かつては、欧米先進国に追いつくために、先進的な産業を導入し保護育成しました。他方で、衰退する産業を保護しました。これは、技術指導、補助金、低利融資、税制、参入規制などの手法を組み合わせました。
また、一時的に破綻に瀕した個別企業を救済したこともあります。企業再生や銀行救済などです。このほか、日本の生活文化を海外に売り込むための、「クールジャパン機構」も作られています。
かつてのような特定産業の保護育成は、終わったようです。今、話題なっているファンドは、どの産業と決めずに新産業・ベンチャーを育成しようというものです。追いつき型経済発展の時代が終わったら、自らで新しい分野を開拓する必要があります。既存企業が新しい分野に進出するほか、ベンチャー育成は、その一つです。
放っておいてもどんどん新企業が出てくれば良いのですが、近年の日本は廃業が多く開業が少ないとのことです。起業家精神を喚起し、どのような条件を整えると、新企業がたくさん出てくるのか。その際どこまで、政府が関与するかです。
ところで、銀行がこのような挑戦者に融資をしてくれるほかに、保険の役割もあります。新しく見込める商品やサービスに、リスクの補償をするのです(例えば、2013年7月18日、日経新聞「ニッポン金融力会議。新産業、保険で後押し」)。そのような観点からも、保険の役割は重要です。目的とともに、手法も大切です。

2013年大晦日

2013年12月31日   岡本全勝

今日は、大晦日。みなさん、今年はどのような年だったでしょうか。充実した1年であったことと、存じます。
私は、仕事では、大震災被災者支援からは3目年、復興庁が発足して2年目でした。それぞれに仕事が進み、新しい段階に入ることができました。12月27日「御用納め、この1年の仕事」に書いたとおりです。
新しい段階に入ると、また次の課題が出てきて、なかなか「失業」することはありません。大臣の下で、現場での復興を進めるという「成果の進行管理」とともに、そのために組織を動かすという「組織管理」の二つがあります。これは、どの省庁でも同じことですが、復興庁の仕事は成果が見えやすい一方で、これまでにないことが多く、また新設組織なので、その苦労もあります。支えてくれる職員たちに、感謝します。
このホームページは、200万人を突破しました。おもしろいことも書いていないのですが、読んでくださる方に感謝します。後輩たちや世間の方に、官僚はこんな生活をして、こんなことを考えているのだと、参考にしていただければと思って、書き続けています。
私事では、家族を含め、健康で過ごすことができました。これは、神様に感謝しなければなりません。なんと言っても、心身の健康があっての仕事です。
皆さん、良いお年をお迎えください。

アメリカ型組織・人事と日本型組織・人事。4

2013年12月30日   岡本全勝

雇用が個人や社会にとって重要なのは、それが安心の要にあるからです。雇用が安心の要にあるということを教えてもらったのは、宮本太郎北大教授(当時)です。
麻生政権の安心社会実現会議で、「安心と活力の日本へ」という報告書をまとめました。その報告のポイントは、安心の中心には雇用があり、その回りに、子育て、教育、健康、老後があるというものです。私は、安心と聞くと、健康保険や介護保険と年金、そして生活保護制度を思い浮かべていました。しかし、それらの中心に、雇用があるのです。日本社会が安定しているのも、安全安心な社会だといわれるのも、失業率が低いこととともに、労働者が安心して働けることと、そこそこ満足できているからです。それが、個人や家庭の安心にもなっています。
国家の視点からは、経済成長やGDPが重視されます。確かに、豊かさは重要な指標です。また経済成長によって、失業率は低下します。しかし、GDPが大きくても、貧富の差が大きくては、社会は安定しません(そのほかに、政治的・社会的自由と平等も、近代社会の安定には必要です)。生産や消費の数値より、個人にとっては雇用が重要なのです。欧米のように失業率が上がり、また近年の日本のように若者が非正規雇用に追いやられると、個人や家族そして社会の安心は保つことができません。社会の安定にとって、そして個人の安心にとって、雇用が大きな要素です。

仮想通貨ビットコイン

2013年12月30日   岡本全勝

「ビットコイン」という言葉を目にした方も、多いでしょう。ニュースやインターネットで、話題を集めています。これは、インターネット上に作られた「仮想通貨」です。実際に使われています。
わかりやすい解説が、日経新聞電子版に載っています(ビットコイン、ギークが育てた無国籍通貨。12月29日)。
なぜ、急速に広がっているのか。ビットコインは、金融機関を介さず、少ない手数料ですばやく送金できます。また、キプロスでは、金融危機の際に、政府が銀行預金への課税を決めると、ビットコインが資産の逃げ場になりました。
ビットコインは、通常の電子マネーやプリペイドカードとは違います。日銀金融研究所によると(1)発行体がない(2)発行時の払い込みがない(3)特定の資産による裏付けがないの3点で、従来の電子マネーとは大きく違うのだそうです。
日銀や政府といった、責任ある主体が発行しているのではありません。それでも通用するのは、皆がそれを通貨だと信じているからです。もっとも、その点では、紙幣も同じです。紙切れを、1万円や千円の価値があると信じているのですから。
しかし、通貨発行権は国家の重要な権限でした。実際には、中央銀行である日銀に委託しています。そして、金融政策として通貨の総量を管理しています。各国政府と離れて流通する通貨が巨額になった場合、金融政策や管理にどのような影響を与えるのでしょうか。
さらに、匿名であるので、犯罪に利用されているとも指摘されています。それらを含めて、インターネットが「主権国家」を掘り崩す例です。