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被災者支援本部の取組

日にちとともに、被災地や避難所の状況が変わり、私たち支援本部の仕事も変わってきています。「現地の課題と支援本部の取組(分類)」を更新しました。インターネットは便利ですね。このようにホームページに載せることで、各府省、関係者、地方自治体の方に、何が課題で政府は何に取り組んでいるかを、簡単に知ってもらえます。

また今日は、自治体や避難所の方の協力を得て行っている、「3県の全避難所の実態把握(要支援度把握)」の、第1回集計ができました。対象となった約1,000か所のうち、回答が得られたのは約3割です。条件の厳しい地区の避難所からは、回答を得られなかったのではないかと、推測しています。
多くの避難所で、生活環境は改善しつつありますが、なお一部に厳しい避難所があることもわかりました。例えば、未だに電気・ガス・水道が来ていないところ、温かい食べ物が無いところ、1か月経ってもお風呂にはいることができていないところなどです。市町村役場や県庁には、このような厳しい避難所への対策を強化していただくことを、期待しています。
避難所の運営は、一次的には市町村の仕事であり、それを県が支援します。国が、今回のような実態把握を行うことは、初めてのようです。しかし、今回の震災の被害は大きく、市町村役場や県庁の手が回らないこともあるので、国が乗り出しました。現地でなるべく負担にならないように、記入様式は極めて簡単にしました。

砂原准教授の新著

砂原庸介大阪市立大学准教授が、『地方政府の民主主義-財政資源の制約と地方政府の政策選択』(2011年4月、有斐閣)を出版されました。著者の意図は、彼のブログをご覧下さい。
砂原君は、私が10年前に東京大学大学院に客員教授として出講していた時に、塾頭として授業を取り仕切ってくれました。とても優秀な院生で、教授である私より、彼の方がはるかに物事に詳しく、教えられることが多かったです。
もちろん、地方行政や国家行政の現場経験は、私の方が詳しく、その土俵で勝負していました(笑い)。もっとも、実務家教員である私に求められていたのは、本に書いてある理論ではなく、現場経験でしたから、それは間違っていなかったのですが。
講義を始めてしばらくして、学生の反応を確かめるため、「私の講義は難しいですか」と尋ねたら、「いいえ、どんどん難しくしてください。ついて行けない時は、言います。また、本に書いてあることは、『この本を読め』と指示してくだされば読みますから、本に書いてないことを教えてください」という趣旨の返事が返ってきたことを、覚えています。
社会学を専攻するものだと思っていたら、行政学しかも地方自治を専門に選びました。それについては、私も責任の一端があります。この本のあとがきに、少し触れられているので、お読み下さい。
う~ん、責任重大ですね。さらに研究を深められ、大成されることを期待しています。

東日本大震災被災者生活支援本部勤務

ご無沙汰していました。4月2日以来の加筆です。
連日、忙しく仕事をしていますが、最初のころと比べると、仕事が回るようになりました。そこで、最近は、比較的早く帰宅できるようになりました。もっとも、職員に指示を出して私だけが早く帰るので、職員はその後も残業です。ごめん。
私は早く帰宅しても、お風呂に入って、バタンキューなので、このホームページの加筆ができませんでした。たくさんの方から、励ましや参考情報などをメールで頂いているのですが、返事を出していません。申し訳ありません。
一方、朝は、早くに目が覚めます。あれもしなければ、これも指示しなければと、次々と課題が頭を駆け巡ります。それでも、最初の頃は、考え事でほとんど寝ることができなかったことに比べると、最近は睡眠が取れています。
で、早めに出勤して、職員が夜のうちにつくってくれた資料に手を入れ、布団の中で考えた事項を指示書に書いて、朝9時には一仕事を終えるというパターンを繰り返しています。

昼ご飯を食べそびれると、夕飯も食べそびれることがあるので、最近は会議中であろうが、職員が私の前に座って説明をしていようが、12時になったら、キョーコさんに作ってもらった弁当を広げて食べるという「わがまま」を通しています。その結果、減量は3キログラムで停止し、最近は復活基調にあります。ある職員は「岡本次長の減量に協力するため、もっと忙しくしよう」と言ってくれます(笑い)。
はじめの2週間は、100人入っている講堂で職員に指示を出すので、ついつい大声になり、喉を痛めました。薬を飲みつつ、ペットボトルのお茶で常時喉を潤さないと、咳が止まりませんでした。ようやく、それも治まりました。しかし、依然としてペットボトルは手放せず、会議などにも常に持ち歩いています。

生活支援事務局のホームページができました。被災者や避難者の数、インフラなどの被害と復旧状況などのほかに、関係者に共有してもらうために、生活支援本部が取り組んでいる仕事の概要を載せました。また、これまでの対策の経過(事務記録)も載せてあります。毎日忙しく仕事に追われていると、日にちの感覚がなくなります。仕事の内容も、どんどん変化します。記録しておかないと、「あれはいつのことだったっけ」「忙しかったけど、毎日何をしたのだろう」と忘れてしまいます。ご関心ある方は、ご覧下さい。数値などは、毎日更新します。

異動しました

ご無沙汰していました。3月17日以降、このホームページを加筆をしていませんでした。
3月19日に、内閣府にできた、被災者生活支援特別本部事務局次長に指名されました。今回の東日本大震災には、政府をあげて取り組んでいます。この事務局は、緊急災害対策本部の下で、被災者の方々の生活を支援することが任務です。もちろん、被災者支援は市町村と都道府県が第一の責任者であり、各省もそれぞれ取り組んでいます。しかし、それだけではできないことを、担当しています。

就任以来、大至急でしなければならないこと(被災者支援と事務局の立ち上げ)があり、とてもパソコンを開く時間がありませんでした。毎日、組織を拡充し、課長やその下の職員を、各省から派遣してもらい増員しました。現在、次長が私を含め2人、審議官が2人、課長級が13人、職員が100人程度(2交代制の席もあるので、実数はそれ以上)まで、大きくなりました。13年前の省庁改革本部での経験が、とても役に立ちました。その時一緒に仕事をした職員も、参加してくれています。
場所は、内閣府本府講堂で、24時間態勢で、被災地から寄せられる不足している物資(食事、水、日用品、燃料)の調達と、その配送手配に取り組んでいます。また、一部職員はそこに入りきらないので、別館(プレハブ庁舎)で、物資以外の支援対策をしています。多くの職員が、急に呼び出され(何人かの職員は3連休中に突然呼ばれました。というか、呼び出しました)、それまでの仕事を放り出して駆けつけてきてくれました。そして、その日以来、家に帰ることができなかったとか、睡眠時間を削って仕事をしてくれています。ありがたいことです。
もちろん、被災された方々のご苦労とは、比較になりません。被災者のために全員で頑張ります。皆さんのご支援も、よろしくお願いします。

今日は、総理のお供をして、自衛隊のヘリコプターで、陸前高田市とJビレッジ(原発事故対策の前線基地)に、行ってきました。上空から見る各地の被災状況、そして真っ平らになった陸前高田の状況は、言葉にできません。

あっという間の2週間でした。この間の仕事は、我ながら「すさまじい」ものでした。初日の2日間で、2キログラムの減量に成功しました。特段の運動もせずにです(笑い)。その後も、昼ご飯や晩ご飯を食べそびれることがあるので、減量はさらに進み、リバウンドもしていません。
今日は、少し時間ができたので、久しぶりにこのページを加筆しています。もうしばらくして時間ができたら、仕事の内容をご報告したいと思っています。(2011年4月2日)

自治大学校・研修計画変更

今日、4月から始まる研修の変更を決定しました。
第1部課程(半年間)は、取りやめ。希望者は、後期に優先して入校してもらう。同じく4月開講予定の監査専門課程(2か月半)は延期し、開校時期を今後検討する。5月に開講する予定の課程は、もうしばらく様子を見る、です。
申し訳ありませんが、計画停電が続くようなので、研修は無理と判断しました。4月入校予定者は既に内定していて、各自治体には、ご迷惑をおかけします。事情をご理解下さい。
自治大学校も、今夕から停電に入りました。今日は寒さが厳しく、暖房用に電力の消費が増えたようです。寮にまだ研修生が残っていること、初めてのことなので、保安要員の他に連絡要員を残して、職員には帰宅してもらいました。その時点ではまだ予定だったのですが、18時半過ぎに職員から、「自治大も電気が消えました」との連絡が入りました。