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三位一体改革の基本解説

2016年9月19日   岡本全勝
これは、平成14年から18年までに行われた、「三位一体改革」の解説のページです。詳しい経緯は、進む三位一体改革ーその評価と課題」「続・進む三位一体改革」として、論文にまとめてあります。
三位一体改革までの地方財政改革(平成14年春以前)については、拙著
「地方財政改革論議」をご覧ください。
また、「三位一体改革についての座談会」神野直彦東大教授や柏木孝大阪市財政局長らとの座談会(月刊『
地方財務』(ぎょうせい)2003年7・8月合併号や、「第11回地方財政学会の基調講演と概要」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2003年9月号もあります。 

三位一体改革の経緯(簡略版)
地方財政改革の経緯
三位一体改革の目標と実績
地方案の実現度
三位一体改革(補助金改革・税源移譲)金額内訳
三位一体改革・交付税改革1 三位一体改革って何(概要)
①国庫補助負担金の廃止削減(→詳しくは基本解説2
②国から地方への税源移譲(→詳しくは基本解説4
③地方交付税の見直し(主に総額削減)
の3つの改革を一緒に行うことから、「三位一体の改革」と呼ばれています。
平成14年6月「骨太の方針2002」でこの方針が決められ、名前が付けられました(キリスト教の教義とは、関係ありません。念のため)。

2 何のためにやるの(目的)
2つの目的があります。
1つは、「地方分権」のためです。①と②がこれに当たります。
もう1つは、「財政再建」のためです。③がこれに当たります。
この2つは、まったく違う目的です(①と②はセットですが)。
それを政治的に、「三位一体改革」と名付けたのです。目的の違う2つを一緒にやろうとしているので、わかりにくいです。

3 なぜ一緒にやるの(意図)
3つの改革がそれぞれに難しく、進みにくいので、「この際一緒にやってしまおう」という、政治的意図からです。
①は、各省とそれを応援する国会議員が反対します。また、財務省も積極的ではありません。権限が縮小する、仕事がなくなる(失業する)からです。
②は、財務省が反対します。国税が減るのですから。
③は、地方団体が反対します。総務省も、「理屈のない削減」には反対です。
それぞれ反対が強く、「三すくみ」と言う人もいます。そこで、一緒にやることで「三方一両損」を狙っている、ともいえます。

4 どうしてなかなか進まないの(困難さ)
3に書いたように、それぞれに(特に①②に)抵抗が強いからです。国庫補助金は、官僚の重要な権力の源泉、中央集権の手段であるといわれています。また、補助金がなくなると、多くの官僚が「失業」します。関係する国会議員も、「口利き」「補助金の地元への誘導」がなくなり、「寂しくなる」といわれています。
補助金を廃止し中央集権をやめることは、これまでの「日本の政治構造」を転換することなのです。
そして、官僚と国会議員は、現在の日本の「政治決定権」を握っています。その人たちにこのような改革を求めることが、無理な話ともいえます。「補助金廃止・税源移譲」は、本来、政権交代がなければできないほどのことなのです。

5 なぜ少しずつ進んでいるの(進展している理由)
(1)時代の要請
1つには、時代の要請があります。中央集権システムは、日本が発展途上にあるときには、効率的でした。しかし先進国になり、社会が成熟したときには、相応しくないシステムです。国民の多くが、地方分権が必要であると考えています。マスコミや論壇の主張も、分権を後押ししてくれます。

(2)小泉内閣
小泉総理は、「自民党をぶっこわせ」をスローガンにしておられます。そして、三位一体改革は、内閣の重要テーマになりました。16年秋に、これがもっとも大きな政治争点になり、連日新聞をにぎわしたことは、みなさん覚えておられるでしょう。
また、総理と麻生総務大臣が、補助金配分に深く関与した政治家なら、補助金廃止には手をつけられなかったと思います。さらに、麻生大臣という実力者が、担当大臣であることも大きいでしょう。

(3)仕掛けと場
しかし、総理のかけ声だけでは改革は、進みません。官僚がサボタージュするからです。進めるためには、それなりの「仕掛け」が必要です。
①諮問会議
まず、経済財政諮問会議という「場」が、重要です。ここが、改革の司令塔になります。そしてこの会議は、会議概要が公表されます。政治家は責任ある発言をしなければなりませんし、うやむやにすることもできません。
②目標の閣議決定
次に、三位一体改革は、「目標を決めること」によって、進んでいます。それも、「尺取り虫」のようにして、進んでいます。
方針を決めたのが、平成14年6月「骨太の方針2002」です。しかし、それではほとんど進まなかったので、翌年「骨太の方針2003」では、補助金廃止目標金額4兆円と期間(平成18年度まで)を決めました。
それでも16年度予算では、総理の指示がないと、1兆円の補助金改革も困難でした。そして、税源移譲は4千億円だけでした。そこで、「骨太の方針2004」では、税源移譲目標金額3兆円を決めました。
③地方団体に案を作ってもらう
さらに、ここでの重要な仕掛けは、「地方団体に補助金廃止案を考えてもらうこと」でした。
こうして、1つ仕掛けをしては少し進み、そして進まないことが見え、また次の仕掛けをして・・、と進めてきたのです

関連するページ
年表は「地方財政改革の経緯」「三位一体改革の経緯(簡略版)
目標と達成の表は「三位一体改革の目標と実績
これまでの動きと評価は「進む三位一体改革ーその評価と課題
地方団体の主張などは三位一体改革推進ネット
新聞記事などはヤフーニュース三位一体改革財政学のアンテナを利用ください。

地方行政関係機関・研究機関・研究者

2016年9月19日   岡本全勝

0 三位一体改革の地方6団体の主張
三位一体改革推進ネット 全国知事会 全国市長会 全国町村会

1 関係機関
自治財政局 国の行政機関 経済財政諮問会議 地方分権改革推進委員会 地方制度調査会
全国の自治体

2 研究機関
(1)地方行政一般
地方自治研究機構 日本都市センター

(2)地域おこし等
地域活性化センター 地域創造 自治体国際化協会
ふるさと財団(地域総合整備財団)

(3)職員研修
自治大学校 市町村アカデミー 市町村国際文化アカデミー

(4)地方団体の研究機関
地方自治総合研究所(自治労)

(5) 学会
日本地方財政学会
地方自治学会

地方行財政刊行物案内

2016年9月19日   岡本全勝
【注意】かなり古くなっています。その後に廃刊になったり体裁が変わったものもあります。
地方行財政に関しては、数多くの雑誌などが刊行されています。関係者以外には、案外知られていないようです。また、どこにどのような雑誌があるかの、案内もないようです。このページに載せたいと考えています。(アイウエオ順・未完成)
1 地方行政

 

誌名 編集・刊行等 発行頻度
ガバナンス ぎょうせい 毎月一回1日発行
市政 全国市長会 毎月一回1日発行
自治研究 第一法規 毎月一回10日発行
自治総研 地方自治総合研究所 毎月一回発行
「住民行政の窓」 日本加除出版 毎月一回5日発行
住民と自治 自治体問題研究所 毎月一回1日発行
「地域政策研究」 財団法人地方自治研究機構 毎月一回1日発行
地方議会人 中央文化社 毎月一回1日発行
「地方行政」 時事通信社 毎週二回月曜日、木曜日発行
地方自治 地方自治制度研究会編・ぎょうせい 毎月一回5日発行
地方自治情報 財団法人地方行政総合研究センター 毎月一回発行
町村週報 全国町村会 毎週月曜日発行
「都道府県展望」 全国知事会財団法人都道府県会館 毎月一回発行
日経グローカル 日経産業消費研究所 毎月二回第1、第3月曜日発行
日本行政 日本行政書士会連合会 毎月一回25日発行
LASDEC 財団法人地方自治情報センター 毎月一回1日発行

 

2 地方税財政

 

誌名 編集・刊行等 発行頻度
公営企業 財団法人地方財務協会 毎月一回20日発行
ぎょうせい 毎月一回1日発行
税経通信 税務経理協会 毎月一回1日発行
税研 財団法人日本税務研究センター 毎月一回20日発行
税務弘報 中央経済社 毎月一回1日発行
税理 ぎょうせい 毎月一回1日発行
租税研究 社団法人日本租税研究協会 毎月一回10日発行
「地方行財政旬報」 財団法人地方財務協会 毎月二回第1、第3水曜日発行
「地方債月報」 地方債協会 毎月一回15日発行
地方財政 財団法人地方財務協会 毎月一回1日発行
地方財務 ぎょうせい 毎月一回5日発行
地方税 財団法人地方財務協会 毎月一回1日発行

 

3 地域振興等

 

誌名 編集・刊行等 発行頻度
コミュニティ 地域社会研究所 毎月一回15日発行
自治体国際化フォーラム 自治体国際化協会 毎月一回15日発行
地域開発 日本地域開発センター 毎月一回発行
地域創造 財団法人地域創造 毎年二回発行
地域づくり 財団法人地域活性化センター 毎月一回1日発行
「FURUSATOVitalization」 財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団) 毎月一回1日発行

 

4 職員研修等

 

誌名 編集・刊行等 発行頻度
「アカデミア」 市町村アカデミー 毎月一回1日発行
国際文化研修 全国市町村国際文化研修所 毎月一回15日発行
自治実務セミナー 第一法規 毎月一回10日発行
自治フォーラム 自治研修協会 毎月一回10日発行
「地方自治職員研修」 公職研 毎月一回15日発行

 

5 その他

 

誌名 編集・刊行等 発行頻度
「災害補償」 地方公務員災害補償基金 毎月一回10日発行
「選挙」 都道府県選挙管理委員会連合会 毎月一回1日発行
「選挙時報」 全国市区選挙管理委員会連合会 毎月一回25日発行
「全国自治体病院協議会雑誌」 全国自治体病院協議会 毎月一回1日発行
「総務省」 総務省 毎月一回1日発行
「地方公務員時報」 総務省自治行政局公務員課 毎月一回10日発行
デルクイ(富山県職員政策情報誌) 富山県総合政策課 季刊
都市問題 東京市政調査会 毎月一回1日発行
都市とガバナンス 日本都市センター 毎年一回発行
都市問題研究 都市問題研究会 毎月一回20日発行
判例地方自治 ぎょうせい 毎月一回1日発行
「Local Government Review inJapan」 Japan Center for Local Autonomy(財団法人自治総合センター

明るい公務員講座・中級編、掲載予定

2016年9月18日   岡本全勝

連載「明るい公務員講座」は、中級編に入ります。ようやく、第1回分を脱稿し、編集長に送りました。
なかなか執筆が進まなかったのです。書くのが難しいのではなく、書くことがたくさんあって、どのように構成するかに悩んでいました。また、その過程で、右筆と意見が合わず、時間がかかりました。右筆は同業者で、私が書く内容に精通しています。最初の読者として、文章を読みやすくするだけでなく、内容について意見を付けてくれます。ありがたいことです。
第1回目が掲載されるのは、10月3日号の予定です。