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「新しい東北」ミーティングin東京。企業やNPOの協力

今日は、浜松町の「新しい東北」ミーティングin東京に行ってきました。大臣の挨拶の後、15分時間をいただいて、「復興の現状と新しい課題」を話しました。産業復興とコミュニティ再建には、企業やNPOの協力が必要です。多くの企業が、引き続き、復興を支援してくださっています。その活動を紹介するとともに、新しい仲間を引き込むことが目的です。キリン、IBM、NEC、ベネッセが、支援の事例を紹介してくれました。キリン絆プロジェクト、(活動実績動画)。IBM、(社員による問題解決術の支援)。NEC、(社員参加型の支援動画)。ベネッセ、(子どもの学習支援)。
今日の報告で印象的だったのは、企業の支援が、本業の強みを生かしたものになっていることです(キリンでは飲み物や食品、ベネッセでは教育、IBMでは職員のマネージャーとしての能力)。たぶん、その方が長続きするのでしょう。そして、ボランティア的な社会貢献だけでなく、企業活動を通じての社会問題の解決(CSV)へと発展しつつあることです。
キリンは、社長が、CSRからCSVへの転換を表明しておられます。・・・企業の社会的責任(CSR)」から、社会課題の解決と企業の成長の両立を目指す「共有価値の創造(Creating Shared Value=CSV)へ考え方を一歩進めることにしました。近年、お客様の社会課題への関心の高さや、キリンに対するご期待の大きさを強く実感しています。これらに対し商品やサービス等を通じてアプローチし、ご期待にお応えしていくことが、私たち自身の事業の成長にもつながると考えています。キリンが培ってきた強みを活かしながら、今後もCSVの実現をめざして継続的に取り組んでまいります・・・
これまでも復興庁では、企業との連携、NPOとの連携を進めてきました。企業の発表でも、復興庁が整理した「企業の支援の分類の表」(発災後その後)を使ってもらいました。しかし、まだまだ進める余地があるようです。このように意欲の高い企業や人たちと、支援を求めている現場とをどのようにつなぐのか。はやりの言葉で言えば、プラットフォーム機能です。
施設や設備は、お金を払えば作れて、また目に見えます。しかし、このような人やノウハウの支援は、お金を出せばできるものではなく、目にも見えにくいです。そして、継続が必要です。どのように世間の方に知ってもらうか、そして広めていくか。難しいです。

今月も今週も、あっという間に過ぎました

熱心な読者から、意見がありました。「7月になったら、いつものように『私の断りもなく、今年も半分が過ぎました』と書いてください」と。すみません、書こうと思ったのですが、他の記事が忙しくて。今週も、あっという間に過ぎました。昨日、職員の反応「朝が長くて困ります」を書いたところですが。
37年間の公務員生活で、「今日は、時間が余って困る」という事態は、思い出せません。仕事に追われているか、締め切りが迫った原稿を抱えているか、書きたいと思っている論文の企画書を書いているか、不義理をしている方との飲み会(異業種交流会)の設営に悩んでいるとか・・。
しかし、このホームページに何度も書いているように、日々の忙しさと、長期的な成果とは比例しません。毎日忙しい割には、成果が上がっていない。それはよくあることです。組織管理者になったら、1年や2年、あるいは5年で、その組織がどのような成果を出すか、を考えることが仕事です。
振り返ると、この3か月間、大臣や職員と一緒に「復興後期5ヶ年の事業計画」策定に力を入れてきました。それが、無事終わりました。そこで、「これからは、次官らしくゆっくりするぞ」と叫んだのですが。昼間は、次官室に座っているだけで、部下職員が断続的に攻撃に来ます。それを阻止せずに、どんどん入れる「悪い秘書」もいます(笑い)。部下と秘書は、「岡本次官が、好きで仕事をしているのでしょ」と反論するでしょう。その通りですけどね。
早退したいのですが、毎晩、異業種交流会があり。しかも、たいがい6時半開始なのです。今日も5時過ぎに、長島副大臣に職場を見回ってもらい、職員に「早く帰るように」と声をかけてもらいました。それを見届けて、5時15分に会社を出て、銀座まで2キロメートルを、1時間かけて歩いて行きました。銀座の、中国からと思われる旅行者の買い物風景は、すごいです。大型バスが止まっていて、その周辺は両手に商品を持った人や、商店を見て回る観光客で一杯です。40年前のパリやロンドンは、日本人観光客で、同じような風景だったのでしょうね。

早朝勤務、残業削減、2

昨日は、一部の職員を残して、多くの職員が定時に退庁したようです。今朝もほとんどの職員が8時半には出勤。感想を聞くと、「午前中が長いです」「お腹がすきます」とのこと。
私にも覚えがあります。大臣秘書官になって(37歳)、閣議日は4時半起床、5時15分には家を出る生活でした。午前中が長く感じられ、またお腹がすきました。それ以来、朝食はしっかり食べるようになりました。この生活が続くと、若手職員たちも、「残業などせずに、早く帰ろう」と思うようになるでしょう(苦笑)。
これで、霞が関に、「早朝出勤、早めに退庁」が定着するとよいですね。クールビズに続く第2弾になることを期待します(例えば2014年7月1日の記事)。法律でも補助金でもなく、官邸の声かけで生活の形が変わるという実例です。

経済界の復興協力

経済同友会は、発災以来、様々な形で被災地支援をしてくださっています。広報誌『経済同友』6月号にも、「国連防災世界会議 パブリック・フォーラム防災シンポジウム。東日本大震災の経験・教訓を踏まえた防災への取り組み」などが載っています。また、裏表紙には、「福島県産品販売等支援協力のお願い」として、加盟企業の協力実績が載っています。ありがとうございます。

早朝勤務、残業削減

今日から「ゆう活」が始まりました。簡単に言うと、「残業せずに早く帰りましょう」ということです。日本のホワイトカラーが長時間労働をすること、その割には生産性が低いことは有名です。霞が関では、勤務時間を1時間早くすることが始まりました(ワークライフバランス)。原則9時30分~18時15分であるところを、8時30分~17時15分とするのです。
復興庁でも、この勤務時間を原則としました。今朝は、ほぼ全員が8時半に出勤。夕方、残業せずに帰ったかどうかは、明日確認します。私は率先して、17時15分定時に退庁したので、職員が何時に退庁したかわかりません。
9時半始まりという、これまでの原則がおかしいと、私は考えています。市町村役場も多くの企業も、8時半には仕事が始まっています。この霞が関独特の出勤時間は、通勤電車の混雑緩和が理由だと聞いたことがあります。本当ですかね。
国会開会中は、閣議は8時半開始が通常です。すると、大臣が閣議から戻ってこられても、幹部職員が出勤していないなんて、世間では通用しませんわね。国会の審議も、9時始まりが多いです。なのに、職員の多くが9時半出勤というのも、おかしな話です。もちろん、国会の答弁案作成のために、中堅若手職員が深夜まで残業しているという事情はあります。
私は、以前から、8時半~17時15分を勤務時間としています。実際は、8時前後に出勤し、18時までには退庁(異業種交流会に出発)しています。この際、1時間早めて、7時30分~16時15分にしようかと思いましたが、部下から反対されました。「次官がそんなに早く退庁されては、困ります」とのことです。しかし、職員が出勤するまでの時間帯が、私にとって「稼ぎ時」だったのです。
民間の友人や知人には、私より早い人がたくさんいます。S君(大企業の幹部)は、若いときから、弁当を2つ(朝食と昼食)持って、7時台には出勤しています。Hさん(中規模会社の社長)は、7時には出勤しています。それぞれ、「早朝は仕事がはかどる」とのこと。2人とも、毎日18時過ぎには「異業種交流会」や「教養を高める会」に励んでいます。