犬丸淳著『自治体破綻の財政学』

犬丸淳・島根県環境生活部長が、『自治体破綻の財政学 米国デトロイトの経験と日本への教訓』(2017年、日本経済評論社)を出版されました。
犬丸君は、1997年採用の自治省(総務省)官僚です。ニューヨーク勤務の際に、デトロイト市の財政破綻を研究し、論文を発表してきました。本書は、その成果をまとめたものです。450ページに上る大部な本です。

人口70万人、かつては自動車産業で栄えた大都市が、2013年に180億ドル、約2兆円の負債を抱え財政破綻しました。市はその後、連邦破産法の適用を受け、財政再建の道を進んでいます。
企業ならば、清算して会社を解散することができますが、自治体はそうはいきません。住民を抱え行政サービスを提供しなければならない自治体が財政破綻した場合に、どのようにするか。アメリカでは、その後も自治体の財政破綻が起きています。
日本でも、夕張市が同様な状態に陥り、再建が進められています。
本書では、夕張市との比較もされています。ご関心ある方は、一読ください。