年別アーカイブ:2024年

ナガミヒナゲシを抜く

2024年4月27日   岡本全勝

ナガミヒナゲシ、以前このページで紹介したことがあります。見た目はきれいなのですが、困った花なのです。
「特定外来生物や生態系被害防止外来種(要注意外来生物)には指定されていないものの、これらと同様に生態系に大きな影響を与える外来植物」として、自治体では駆除を呼びかけています。一個体から最大で15万粒の種ができ、繁殖力が強いこと、根から他の植物の生育を妨げる成分を含んだ物質を出すのだそうです。

ご近所の道路脇で見つけたら、抜くようにしています。小さなものはすぐに抜けるのですが、大きくなったものは地下茎が太くなっていて、なかなか抜けません。しかし、これを抜かないと、来年生えてきます。そして、よそさまの庭に生えているのは、抜くわけにはいきません。群生しているところもあるのですが。

市町村アカデミーの近くでも、広がっています。先日の昼休み、散歩の途中で見つけて抜いていたら、自転車に乗ったおじさんが話しかけてきました。「あなたも抜いているのですか」と。「ええ。これって、抜くのがよいのでしょ」と答えたら、「そうなんです。私も見つけたら抜いているのですが、追いつきませんね」と、ひとしきり会話しました。

ひとりミドルの衝撃

2024年4月27日   岡本全勝

4月11日の読売新聞「シングル欄」(こんな欄があるのですね)、宮本みち子・放送大学名誉教授へのインタビュー「ひとりミドルの衝撃って?」から。宮本先生には、私が第一次安倍内閣で再チャレンジ政策を担当したときに、ご指導をいただきました。

・・・ 「東京ミドル期シングルの衝撃」(宮本みち子・大江守之編著、東洋経済新報社)という本が刊行された。東京区部単身者の4割近くを占める35~64歳を対象にした研究だという。筆者もその一人。何が「衝撃」なのだろうかと、研究グループを主導した宮本みち子放送大学名誉教授を訪ねた・・・

――本に、この年代の単身者は行政には見えない存在だった、とありました。
「シングルに対する行政の関心は主に高齢者にあり、現役で働く人たちに政策としてかかわる必要はあまりないという認識が強いと思います。この本は2013年に開始した新宿区の調査を踏まえてその後23区に広げ、約10年に及ぶ研究をまとめたものです」

――何が見えましたか。
「ミドル期シングルには多様性があるとはいえ職業上の役割が生活の多くを占め、人間関係は限定的です。個人化と流動化が進む都市空間で、シングルが孤立せずに暮らすには、“開かれた場所”と“弱い絆”を豊かにする街づくりが必要です」

――調査したシングルたちの関心事は何でしたか。
「一番の不安は、寝込んだ時にどうするか、でした。女性は親きょうだいに頼る意識が強く、日頃から仲良くしてもいます。男性は仕事中心で親族との交流の頻度が低く、行政サービスを頼る意識が強い」
「互いの関心と配慮で結び付く持続的な関係を『親密圏』と呼びますが、これを持たない人が特に男性で目立ちます。家族を基盤にした親密圏が弱まる一方で、会社中心の日々で新たな親密圏の存在が見えない。そうなると孤立、孤独の問題が出てきます」

――どんな親密圏を築けばよいのでしょう。
「二つの方向があって、一つは家族の見直し。法律婚か未婚かという二者択一を脱して、LGBTQ(性的少数者)の人たちも含めた多様な親密圏を広げていくことです。もう一つは住宅。孤立した住宅ではなく、シェアハウスのように、プライバシーを確保しながら共同生活のメリットを増やしていくなど、住まいの多様化を進めることです。どちらも今のところ、期待されたほどには増えていません」

連載「公共を創る」5年

2024年4月26日   岡本全勝

連載「公共を創る」が、2019年4月25日から掲載を始めて、まる5年になりました。6年目に入るということです。180回を超えました。
最初の頃は毎週木曜日に、最近は月3回木曜日の掲載です。よく続いたものです。お付き合いいただいた読者の方々に感謝します。右筆、校閲担当者、編集長には、もっと感謝しなければなりません。

当初は半年くらいかなと思っていたのに、なんと6年目に突入です。なぜこんなに長引いたか。目次を見ると、第4章2社会と政府、3政府の役割の再定義が、長くなっています。

第1部 町とは何か
第1章 大震災の復興で考えたこと(第3回~23回)
第2章 暮らしを支える社会の要素(第24回~38回)
第2部 社会は変わった
第3章 転換期にある社会(第39回~70回)
第4章 政府の役割再考
1 社会の課題の変化(第71回~96回)
2 社会と政府(第97回~150回)
3 政府の役割の再定義(第151回~)

長くなると、以前に書いたところを探すのに手間がかかります。「確か、この項で書いたはずなのだけど」と。
先日の「連載「公共を創る」執筆状況」で書いたとおり、毎回、難儀しながら書き続けています。もうじき完結する予定なのですが・・・。
「「公共を創る」連載4年」「「公共を創る」連載3年

経産省、一貫性なき半導体政策

2024年4月26日   岡本全勝

4月11日の朝日新聞夕刊「取材考記」、大鹿靖明記者の「瞬発力のみ 経産省、一貫性なき半導体政策」から。

・・・自民党の萩生田光一前政調会長は文部科学相と経済産業相を歴任した。両省の官僚気質をこう例える。
「文科省は生徒会長の集まりのようなところで、地味だけどルールを守ってこつこつやる人が多い」
「それに対して経産省は文化祭実行委員長みたい。とても優秀で短時間にワーッとやるけれど、文化祭が終わったら関係ナシ。短期集中突破型で持続力がないんです」・・・

・・・ 前のめりになったかと思えば後ずさりし、「シリコンサイクル」とは経産省の半導体政策の「やる気度」のことを言うのかと思えてしまう。そう話すと、「まさしくそう」と萩生田氏。
「普通の役所は『引き継ぐ』でしょう。でも経産省は違います。自分の代に何かを『仕掛ける』。チャレンジングな文化なんです」
確かにそうだ。コロナ禍の半導体不足という一瞬の「市場のゆがみ」に飛びつく経産官僚の瞬発力たるや、すごい。それで台湾のTSMCを誘致し、ラピダスを設立するのだから。

50歳代の課長級が言う。「ウチの役所は大きなことを仕掛けることにロマンを感じる人が多い」。さらにこう付け加えた。「日本の農業を守る農林水産省や財政規律を大切にする財務省と違って、経産省は背負うものがないんです」
同省は過去にグーグルに対抗した検索エンジン構想や、脱ウィンドウズのOS構想などを打ち上げてきたが、成功したとは聞かない。その時々話題になりさえすればいいようである。過去の半導体の日の丸プロジェクトの資料を情報公開請求すると、担当課から「残っていない」との返答を受け取った。つい20年前のプロジェクトなのに。「ウチは2年で記憶喪失する役所」と元担当官は苦笑い。やはり文化祭実行委なのか・・・

連載「公共を創る」第184回

2024年4月25日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第184回「政府の役割の再定義ー戦後日本の転換点を巡る思索」が、発行されました。前号から、私が所管を越えて広く日本のあり方を考えるようになった経験を話しています。

富山県で総務部長という席で、中沖豊知事の薫陶も受け、また地方交付税制度の未来を考えていた延長で、地方行政全体を考えるようになりました(ここまで前号)。
富山から霞が関に帰ったところは、中央省庁等改革推進本部でした。何度か取り上げているように、行政改革会議の最終報告を読み、日本の社会と行政が転換点にあることについて意を強くしました。
東大でも教えることになり、その問題意識で講義するとともに、その内容を『新地方自治入門 行政の現在と未来』(2003年、時事通信社)にまとめました。
私は内政が専門でしたが、世界における日本のあり方についても、問題意識をもって眺めていました。