被災地首長、岩手宮城では復興進捗8割から10割

3月11日の産経新聞が、被災地42市町村長への調査結果を乗せていました。

各首長に復興の進捗状況を数値化してもらうと、岩手、宮城は80~100%でした。復興が進んでいることがわかります。
他方、福島では30~80%です。50%以下と答えた首長は、川俣町、浪江町、双葉町、大熊町です。富岡町といわき市は、数字で示すことは困難との回答でした(紙面では各市町村長の数値が出ています)。原発被災地では、まだ避難指示区域が残り、復興はこれからです。

各首長の「国や県などへの要望も含め、震災や原発事故に対する現在の考え」も載っています。

政治家の自己愛と他者への共感力

3月14日の朝日新聞オピニオン欄「宰相の言葉」、水島広子・精神科医の発言から。

・・・政治家は自己愛が強いと言われます。「自分は特別な存在」という性格そのものは、私は全否定しません。人を酔わせる演説も、自己愛が強くなければできませんから。自己愛は多くの政治家にとって不可欠なエネルギー源です。
しかしもう一つ、まっとうな政治家に欠かせない条件があります。それは、他者への共感力です。他者とは、自分とは異なる意見を持つ人たちも含みます・・・

コーチング、職員の能力とやる気を引き出す

3月10日の日経新聞夕刊「Bizワザ」は「若手も学ぼう「コーチング」対話重ね、能力引き出す」でした。
・・・まもなく4月。新入社員の能力とやる気を引き出すには、若手でも「コーチング」を学ぶのが有効だ。相手の自発的な行動を促すコミュニケーション術は、自身の成長にも応用できる・・・
・・・コーチングとは相手の能力ややる気を引き出し、課題解決などにつなげるためのコミュニケーションスキルだ。相手との対話のなかで、効果的な質問をしたり助言をしたりすることで、目標達成のために必要な行動を促す。指導者に恵まれたスポーツ選手が、成績を大きく伸ばすことからヒントを得たとされる・・・

5つのステップが、別図で示されています。
1 相手を認める
2 話を聞く
3 質問する
4 相手に見えていない部分を指摘する
5 行動を促す

拙著『明るい公務員講座 管理職のオキテ』では、ティーチとコーチの違いをお教えしました。p89

・・・もう一つは、旧来型の職場内訓練(OJT)の限界だ。若手社員を短期間で成長させるには、先輩の背中を見せるだけでは不十分。指導側の意向を一方的に押しつけたり、できないことを責めたりすると、モチベーションの低下を引き起こしかねない。対話を重ねてやる気を高めることが、人材育成の現場で求められるようになった。
「何かを教え込むという姿勢はコーチングではない。話をよく聞いて質問することで、相手の能力を引き出すことが重要だ」・・・

・・・親近感を高める際に有効なのは「おうむ返し」のスキルだ。後輩社員から「最近あまり眠れていなくて」と相談されたら、「そうか、眠れていなかったんだね」と同じ言葉を繰り返すことで、安心感を抱いてもらえるという。
その上でコーチ役が質問を投げかけ、後輩社員の頭の中を整理して考えを具体化していく。さらに当事者以外の視点をフィードバックすれば、新たな気づきにつなげられる。「ここまでで信頼感を構築できていれば、ネガティブな意見も受け入れてもらいやすくなる」(大石氏)
最後は「それでは今週末までに企画書を仕上げてください」などと、具体的な行動をリクエストする。対話のなかで後輩社員の考えも十分に引き出した上での結論であれば、単なる命令とは受け取られずに相手の背中を押せる・・・

国の復興取り組み評価65%、全国世論調査

3月8日の福島民報が、全国世論調査結果(日本世論調査会)を載せていました。

被災地の復興について聞いたところ、順調に進んでいるが8%、どちらかといえば順調に進んでいるが47%で、合わせて55%でした。どちらかといえば順調に進んでいないが31%、順調に進んでいないが11%で、合わせて42%です。

国の復興や被災地支援の取り組みを評価しているかについては、大いに評価しているが5%、ある程度評価しているが60%で、合わせて65%です。余り評価していないが27%、全く評価していないが5%で、合わせて32%です。
3分の2の人が、評価してくださいました。

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第3章 日本は大転換期
1 成長から成熟へ
2020年
4月2日 39日本は大転換期―行政が前提とした社会の変化
4月9日 40日本は大転換期―驚異的な経済成長
4月16日 41日本は大転換期―経済成長が変えた暮らしと地域
4月23日 42日本は大転換期―経済発展で「一億総中流」の社会に
5月14日 43日本は大転換期―崩壊したバブルとその後続いた経済停滞
5月28日 44日本は大転換期―製造業から情報産業へ
6月11日 45日本は大転換期―スマホの普及で新たな商売・犯罪も
6月25日 46日本は大転換期―家族の変化でコンビニと外食産業が発展
7月2日 47日本は大転換期―平成で進んだ男女共同参画
7月9日 48日本は大転換期―利便性と引き換えに負の面も
7月16日 49日本は大転換期―平成の地方分権改革
7月30日 50日本は大転換期―うまくいかなかった平成時代

2 成熟社会の生き方は
(1)豊かな社会の不安
8月6日 51日本は大転換期―成熟社会で見えてきた問題
8月20日 52日本は大転換期―人口減少で社会の仕組みも変化
8月27日 53日本は大転換期―自由の獲得で重みを増した自己責任
9月3日 54日本は大転換期―憧れを手に入れ現れた閉塞感
(2)満足による停滞
9月10日 55日本は大転換期―満足しても現れる問題
9月17日 56日本は大転換期―成熟社会で浮き彫りになった労働の問題
9月24日 57日本は大転換期―成熟社会で見えた教育の問題と限界
10月1日 58日本は大転換期―学校外の子育て機能の低下
10月15日 59日本は大転換期―教育に税金を使わない日本
(3)生き方の模索
10月22日 60日本は大転換期―急速に変化した個人の暮らし
10月29日 61日本は大転換期―増加する結婚しない若者たち
11月12日 62日本は大転換期―進む少子化と家族の人数の減少
11月19日 63日本は大転換期―平成で大きく変わった夫婦の関係
11月26日 64日本は大転換期―成熟時代に求められる「居場所」のつくり方
12月3日 65日本は大転換期―個人と社会をつなぐ「付き合い」
12月10日 66日本は大転換期―孤独の増加が生む社会の不安定
12月24日 67日本は大転換期―社会の意識と個人の意識
2021年
1月7日 68日本は大転換期―どうつくるか、新しい時代の通念と道徳
1月14日 69日本は大転換期―善の基準を教える村と宗教の機能低下
1月21日 70日本は大転換期―成熟社会の達成でなくなった日本の目標
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