8日の読売新聞「この国をどうする」、大山礼子教授の 「衆院の権限強化が必要」 から。
・・憲法は、予算や条約については、国政を運営するために決定しなければいけない事項なので、衆院の優越を強く定めています。一方、法律案は、現状を変えようとするものですから、衆参両院でゆっくり議論してもいい、という考えなのだろうと思います。
ただ、予算関連法案は実質的には予算の一部のような法案ですから、衆院の意思をもう少し尊重するような合意を与野党がどこかでしないと、なかなかたいへんだと思います。どちらが与党になっても、ねじれが起きる可能性はあるのですから、合意できる余地はあるのではないでしょうか・・
今は与党が衆院で3分の2以上の議席を持っていますが、次の衆院選でおそらく割り込むでしょう。そのとき、いったいどうするのか。最終的には憲法改正になりますが、衆院の優越を強めないと将来はやっていけないでしょう・・
これまでの国会は、政府法案が提出される前に自民党内の事前審査で大方が決着してしまい、野党との論戦は一応するけれども、法案はあまり修正しないで成立させるのが慣例でした。でも、ねじれ状態では、法案提出後に国会でいろいろなやりとりをして合意を形成しなくてはなりません。
この臨時国会でも、話し合いで成立した法案はありました。ただ、残念なことに、話し合いは国会審議の外で行われ、与野党がどんな主張をし、どの辺りで妥協したのか国民に十分に説明されていません。裏で交渉してもいいが、同時に、国民の前で政策決定のプロセスを演じてみせて記録に残す、ということも民主主義では大切です・・
月別アーカイブ: 2008年1月
仕事始め
今日から出勤。久しぶりの満員の地下鉄で、気分が悪くなりました。あれは、非人間的ですね。
職場では、挨拶も不十分なままに、次々と仕事が入りました。う~ん、入れたという方が、正確かな。今週するべき仕事を、メモに書き出してあったので、順番に処理。その間にも、次々とメールと電話が入り、記者さんが訪ねてきてくださり・・。うれしいことです。
放課後は、マスコミの方との討論会。厳しい意見に、たじたじです。
ところで、内閣府の職場では、パソコンが入れ替わりました。例によって、北村君に、設定などはお願いしましたが、新しいソフトに慣れるまで大変です。IDで開かない(Oと0の違いがわからなかった。一方はオーで、もう一つはゼロです。発見したのは、横山秘書でした)。古いパソコンのメールとアドレスが、新しいパソコンに移っていない(これは結構大変です)。活字が小さくて見にくい、などなど。年末にもらったメールに、返事が打てないのです。すみません。
さらに変なのは、制限がきつくて、いくつかのホームページを見ることができません。NHKのウエッブが、見れないのです。でも、私のHPは、見ることができました。その他の放送局もダメでした。新聞社のHPは、見ることができました。そのうちに、修正されるでしょう。
8日には、NHKも見ることができました。
冬休みの成果
長い休みも終わって、明日からは仕事です。皆さんも、良いお正月だったでしょうか。
私は、10日間の間に、大連載「行政構造改革」の原稿が結構進みました。難渋していた第3章第1節を、ようやく越えることができました。万歳!9月から抱えていたので、4か月かかりました。書き終えると、「何だ、こんだけのことか」というほどのことでしたが。私の専門でなく、学会の動向を追っていない部分なので、先達の業績を調べ、自分の考えが間違っていないことを確認するのに、時間がかかったということです。
独りよがりの説にならないように、また既に共有されている考えを「新説」と思いこまないために、必要な作業でした。もちろん、私なりに議論を整理し、文章を読みやすくするのにも、時間がかかります。いつものことですが、原稿に赤を入れ、パソコンで修正して打ち出し、それに赤を入れと、いやになるほどの繰り返しです。第2節も完成させたかったのですが、半分しか進みませんでした。また、土日にこつこつ取り組みます。
2月号のゲラ校正は、編集長に渡しました。ついでに、3月号の校正もやってしまいました。
慶応大学の授業は、後2回分の準備もほぼ完了。こうしてみると、我慢して「家ごもり」しただけの、成果はありました。
地域経済発展と道州制
私は、道州制の目的を、政治にあっては、中央政府が国政を考えるため(地方のことは地方に任せるため)と、経済にあっては、地域経済を発展させるため(東京に依存しないため)、と説明しています。前者のスローガンは「霞ヶ関分割」であり、後者は「東京を向かずアジアを相手に」です。このHPでも、イギリスの経済道州制を紹介しました(2007年10月24日)。また、日本では、広域単位(道州規模)で地域経済を考える仕組みがないことも紹介しました(「地域振興と国家行政機構」2007年10月28日)。
日本の各道州(案)は、オランダ、ベルギー、オーストリアなどヨーロッパの国々と、同程度の人口や経済規模を持っています。各地域が東京を向いているから、地域の経済が活性化しないのです。道州の経済自立と発展は、そんなに難しい話ではないのです。EUの経済統合と方向は逆ですが、それと対比できます。日本は、アメリカ、EUと3極をつくるくらいの規模があったのですから。
一方、イングランドが経済道州制を導入していること合わせ、フランスの州は地域経済発展の見地からスタートしました。最後に、地方自治体になりました。いずれも、県や市では経済単位としては小さすぎ、国家では大きすぎるから設計されたものです。
日本の経済界も、道州制導入に熱心なので、期待しています。
冬休み
今日4日は、仕事に支障がないことを確認して、休みをいただきました。この後の土日を入れると、10連休です。若い時は、他人が休んでいても、働くのが当たり前と考えていました。それで、平日に休むと、何かしら落ち着きません。貧乏人ですね。ある人からは、「上司元気で留守が良い」と、いわれましたが。
もっとも、遊びに出かけるわけでもなく、原稿書きや授業の準備で終わってしまいます。こんなにまとまった時間が取れるのは、珍しいですから。でも、余計な本に手を出したり、書類をひっくり返すとそれを片付け始めたり・・。生産性は低いです。
ふだん、書類を放置しておくからですね。書類片付けも、良しとしましょう。