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5か月間の成果取りまとめ、今後の作業計画

2011年8月26日   岡本全勝

今朝、官邸で、復興本部会合を開きました(概要)。緊急災害本部や原発事故対策本部と合同です。
これまで5か月あまりの間の、復旧の状況、現在取り組んでいる課題、これからの作業計画を、わかりやすい資料(資料1-1)として報告しました。 基礎数字などは、別冊にしてあります(資料1-1別冊①)。我ながら、よくまとまった資料だと思います。ご利用ください。
私たちの仕事は、国民の皆さんに理解してもらうことが重要です。難しい資料を大量に示しても、読んでもらえませんよね。この資料は、項目を絞り、かつ1ページごとに最初に2~3行でポイントを書いてあります。そこさえ読めば、概要が分かるようになっています。工夫してくれた森参事官、ありがとう。

また今回は、各府省が作成しつつある「事業計画」と「工程表」も、発表しました。港湾や堤防など、インフラの復旧計画です(資料1-1別冊②)。これも、各省が大車輪で作ってくれました。それぞれ、かなり具体的な目標が、示されています。まだ熟度の低い事業は、順次具体化します。
当初、「8月中に取りまとめ、9月に発表する」と言っていましたが、今回の会議に間に合わせました。協力いただいた各省と、取りまとめてもらった上田次長、ありがとうございました。目標より遅れると批判されるのですが、目標より早く達成しても、褒めてくれる人はいませんねえ。

資料1-1のp9には、復興本部の今後の作業計画=何をいつまでにするかを、図にして示しました。これが、私たちがこれから取り組む主な作業一覧です。こうして見えるようにすると、目標による管理になります。今後この図で進行管理するとともに、達成度を評価することになります。復興本部内だけでなく、政府各府省、県や市町村にも共有してもらうことも重要です。もちろん、マスコミや国民の皆さんにも理解していただき、評価してもらえます。

被災地で考える公共哲学・その2

2011年8月25日   岡本全勝

被災地でいろいろ見聞きして、考えたジレンマを、紹介します。既に、新聞などでも、取り上げられている事例です。

(支援物資と地元商店)
被災地には、全国や世界から、たくさんの支援物資が届けられました。これはありがたいことです。ところが、児童生徒に、ノートや鉛筆がたくさん配られたので、地元の文房具屋さんは、商売あがったりになりました。同様に、スポーツ用品店や衣料品店も、売上げが大きく落ち込んでいるところもあるとのことです。
さて、このような場合、あなたが、まだたくさんの支援物資を保管している市役所やNPOの責任者だったら、どうしますか。

(被災者と支援ボランティア)
まだ初期の頃の話です。体育館に避難された人たちを支援するために、たくさんのボランティアが駆けつけました。避難所での物資の搬送と配分、炊き出しなどの作業をしてくれました。一生懸命汗を流しているボランティアの横で、避難者の何人かは、暇をもてあましていたという例が、あったそうです。もちろん、避難者の多くは、心身ともに疲れておられます。しかし、日が経つと元気な避難者もおられ、支援に行った人の中には、釈然としない人もいたとのことです。
さて、あなたがその場にいる支援者なら、どうしますか。

各県の復興計画

2011年8月24日   岡本全勝

国では、7月末に「復興の基本方針」を決めました。東北3県も、復興計画を作成しています。被災市町村も、復興計画の策定を進めています。しかし、国や県の復興方針・計画が考え方や事業の一覧であるのに対し、市町村の計画は、どこまで堤防を作るか、道路はどこに引くか、どの地域は住宅を建てないようにするか、住宅はどこに移転するかなど、具体的に場所と事業を決めなければなりません。
県や国の計画は文章が多くなるのに対し、市町村の計画は地図や事業計画の数字が必要になります。また、市町村が計画を決める際には、住民の同意が必要です。それで、少し時間がかかるのです。
復興本部のホームページでは、このような関係地方団体の情報も、見やすいように提供していきます。田中君ありがとう。

被災地で考える公共哲学

2011年8月23日   岡本全勝

古くなりましたが、8月9日の朝日新聞オピニオン欄で、多田欣一岩手県住田町長のインタビューが載っていました。6月下旬から、被災者を対象とした東北地方の高速道路無料化が実施されました。無料通行には、被災証明書が必要です。住民の求めに応じて、停電や断水だけでも被災証明を出し、全世帯に発行する市町村もでました。その中で、住田町は岩手県内で唯一、「停電だけでは被災証明を出さない」方針を貫きました。以下、町長の発言です。

・・停電は被災ではない、という認識ではありません。ハウス栽培の農家などでは大きな物的被害がでますから当然、被災したことになる。ただ、停電が物的な被害に直結するとは限りません。住田町では、物的な被害があった場合は被災証明や罹災証明を出しますが、それ以外は基本的に証明書は発行しないという立場です。
国が東北の高速道路無料化を制度化したのは、大きな被害を受けた人の復興支援という趣旨のはずです。津波ですべてを流された人と、半日停電しただけで物的被害もない人が、同じレベルで復興支援の恩恵を受けるのは、本当に正しいのかと考えました・・

(同じように停電したのに、住田町だけ出さないのは不公平ではないですか、との問いに対して)
・・今回、無料化された区間は、東北自動車道をはじめ大半が内陸部です。大きな被害を受けた沿岸部の人は、あまり利用することがない。私が公務で高速道路を利用する回数は、1年に3~5回くらいですよ。本当に被災して困っている人は、ほとんど利用せず、わずかな被害しかなかった内陸部の人たちが無料で頻繁に利用している。それはかえって不公平ではないのか・・

(被災証明によく似たものに、罹災証明書があります。これは内閣府に基準があります。これによって、支援が受けられる場合もあります。しかし、被災証明書は、各自治体の裁量に任せられていて、それぞれの市町村で基準が違います。
被災証明にも、国の指針があった方がいいと考えますか、という問いに対しては)
・・それは違うと思います。こんなときこそ、自治体がそれぞれの良識で判断すべきでした。右へならえで全世帯に被災証明を出せば、国の役人に「やはり市町村には任せられない」と言われてしまう。もう少し頑張ってほしかったという思いはあります・・

ごく一部を紹介しました。あなたは、どう考えますか。マイケル・サンデル教授になって、考えてみてください。

避難所と仮設住宅の環境調査

2011年8月21日   岡本全勝

今日は、復興大臣と、石巻市に避難所と仮設住宅の視察に、行ってきました。石巻市は、16万人の市が中心部を襲われ、津波被害が最も大きい市です。がれきだけでも、岩手県内市町村の総量に匹敵します。
最大時では5万人の人が、260か所の避難所に、避難しておられました。現在は、2,300人の方が、64か所の避難所におられます。先日書きましたが、全国では8,600人、宮城県では5,700人おられます。
石巻市では、仮設住宅建設も進み、9月には全員が住宅に移ることができる予定です。今なお全員が住宅に入っていないのは、避難者の数が多かったことと、広範囲に浸水したため仮設住宅建設適地が無かったのです。
今日は、避難所1か所と仮設住宅団地を、見せてもらい、話を聞いてきました。避難所や仮設住宅の生活環境の問題を調べに行ったのですが、ここでは大きな不満はありませんでした。いくつか注文をもらったので、市役所と対応を検討します。

皆さんの要望の第一は、早く町の復興計画をつくって、元の住宅に戻れるのか移転する必要があるのかを、決めて欲しいということでした。皆さんの意識が、復興の段階に入っていることが、良くわかります。市役所は、既に計画(住宅を建てる場所の線引き)の案をつくっています。これから住民の意見を聞き、同意を得て進める予定です。町の将来を決めるのは、住民であり、議会と首長です。
石巻は、港湾と漁港の町です。漁港と水産施設の復旧計画も、順次進んでいるようでした。まずは、応急復旧です。町の中のがれきも、片付いていました。もっとも、壊さなければならない建物が、たくさん残っています。