カテゴリー別アーカイブ: ワシントン特派員

ワシントン特派員「稲熊君」です。稲熊君は、私の元部下です。今、ワシントン大使館に勤めています。随時載せますので、乞うご期待。
ワシントン特派員報告終了
このHPを豊かにしてくれていた、ワシントン特派員が3年間の勤めを終えて、帰国しました。よって、特派員便りも終了します。ありがとうございました、稲熊君。(2005年4月17日)

米国まめ日記4

道路ボコボコ
President’s Day(2月17日。米国では祝日)の前後、ワシントンは史上何番目かの大雪に見舞われました。雪は3日ほど降り続き、私の住んでいるメリーランドでは、25インチ(63.5センチ)ほどの積雪を記録いたしました。
雪に埋もれた稲熊家のビートル
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美人の奥さんを埋もれさすなよ!
今年のワシントンは例年より雪の日が多く、州や郡でも軒並み”雪かき予算”が底をついてしまっていた中、放っておくわけにもいかなかったのでしょう、不十分なりにも除雪車が夜通し働き、18日の朝にはそれなりに除雪が行われておりました。
しかし、大雪よりも私を驚かせたのは、除雪が終わった後の道路のボコボコさでした。除雪車の影響か、まさに穴ぼこだらけ状態。かなり危ない状態でしたし、実際、そのような道路が原因でパンクしている車も何台か見かけました。
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米国に来て以来、その道路のできの悪さには辟易しております。自動車社会の米国、その道路もさぞかしすばらしいものに違いないといった幻想は、来てすぐに打ち砕かれました。わき道はいうに及ばず、高速道路や幹線道路とて例外ではありません。全体的にでこぼこしていますし、大きな亀裂が入っていたり、穴が開いているといったことも決して珍しいことではなく、「あぶねーよ、おいっ」などと思ったことも一度や二度ではありません。そのような亀裂や穴の近くに裂けたタイヤが転がっていたりすることも多く、シャレになりません。車(特にサスペンション辺り)もすぐに傷みそうです。
拡大図
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そういえば、道路の水はけもかなり悪いです。ちょっと激しい雨が降るとすぐに道路が川又は池のようになります。雨&夜と悪条件が重なるとかなり危ないです。この辺にも米国におけるSUV人気の原因を見つけることができるかもしれません(本当か?)。
さらに、高速道路への入り口に合流のための車線がまったくないところがあったりと道路に対する不満はとめどなく溢れてきます。
日本の道路が懐かしい・・・。日本の道路建設の費用が諸外国に比べて割高などという議論があったように記憶していますが、単純に費用だけを比べて議論してはいけません(きっぱり)。品質も大切です。ただ、日本の道路建設の費用は単位当たり米国の9倍(「東洋経済」1993年10月号)とは、ちと高すぎるような気が・・・。

米国まめ日記3

一般教書演説と施政方針演説
 古い話で恐縮ですが、1月末、ブッシュ大統領による一般教書演説、小泉首相による施政方針演説が立て続けに行われました(それぞれ1月28日、1月31日)。米国ではイラク問題が、日本では経済問題が現時点での一番の関心事項になるのでしょうか。内容についてコメントする能力を持ち合わせていないので、内容以外で気づいた点についてコメントしてみたいと思います。
 米国における一般教書演説は、夜の9時過ぎから始まります。なぜそんな時間に始まるのか。それは、米国民が一般教書演説を聴く(又は見る)ことができるようにするためです(たぶん)。そのため、同演説は、CBS、abc等のネットワークにより全米中に放送されていました。特別番組として。
 本当に米国の人達は一般教書演説を聴いて(又は見て)いるのか。確かめたわけではありませんが、いつも髪を切ってもらう散髪屋さんによれば、一般教書演説の日には、同演説をテレビで見ることができるよう、教会での集会も早々と打ち切られたとのことでしたので、結構な数の人達がテレビで一般教書演説を見ていたものと考えられます(視聴率は分かりませんが)。
 一般教書演説に対するリアクションはどうか。米国では、一般教書演説の後のニュース又は特別番組で、一般教書演説の解説、批判等が行われていました。また、一般教書演説への感想等が通常の会話の中にも出てくることがあると感じました。
 ひるがえって、日本の状況、小泉首相による施政方針演説はどうでしょうか。その時間は?テレビ局の対応は?また国民の対応は?
 ブッシュ大統領による一般教書演説、小泉首相による施政方針演説、ともにそれぞれの国の方針を発表する最も重要な演説の一つであり、それぞれの国民にとって無関心ではいられないものではないかと思うのですが、両演説への対応には若干の違いがあるようです。

米国まめ日記2

米国のクリスマスと正月
 米国(ワシントン)で初めてのクリスマス&正月を経験しました。日本であれば、クリスマス→餅つき→年越しそば→紅白(ゆく年くる年+除夜の鐘)→初詣などと続いていくこの華やかな期間、米国ではどうなのだろうと密かに期待しつつ。
 が、過ぎてしまえば、クリスマスは思っていた以上に地味。ニュースでも、家族や内輪の者だけで過ごす人たちが多いと報道していましたし、みんながタキシードやイブニングドレスを着て一流ホテルでのパーティに参加しているわけではなかったようです。
 もちろん、普段よりは飲み歩く人たちの数も多かったようですが、日本のように多くの酔っ払いを見かけるということもありませんでした。そもそも、ワシントン周辺地区に新宿や銀座のようなところはありませんが。
ホテルの飾り付け
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 ただ、”各家庭のクリスマス電飾”はド派手なものでした。各家庭が競うようにツリーだの、トナカイだのの電飾をこれでもかっ~と見せつけておりました。これを見て、「電気代がかかりそうやのう」とか「京都議定書に署名しないわけだ」と思った日本人は私だけではないでしょう。ちなみに、それらの電飾は年を越しても残っていたりします。
家庭の電飾
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 大晦日から正月にかけての期間は、それはもう寂しいくらいに地味なものでした。普段とほとんど変わりません(そもそも米国で祝日は1月1日のNew Year’s Dayだけです。ただ、クリスマス時期から引き続きテレビで飲酒運転はやめましょうみたいな呼びかけをやっていましたので、夜遅くまで飲んでいる人も通常よりは多かったのかもしれません。)。米国での年越しといえばニューヨークのカウントダウンがまず思い浮かびますが、あれは例外だということがよく分かりました。
 ということで、こちらに来て1年足らずの日本人にとって、米国での初めてのクリスマス&正月は、ほとんどネタとはならない寂しいものとなってしまいました。また、ネタ探しの旅に出たいと思います。
P.S.クリスマス前後にクリスマスのリースをグリルにつけた車を数台見かけましたが、これは日本でグリルに(特に田舎のヤンキーを中心に)しめ縄をつけるようなものといえるでしょう。きっと。

米国まめ日記1

国土安全保障省 ~米国のチョット省庁再編~
 少し古い話なのですが、去る11月25日、ブッシュ大統領は「国土安全保障省設置法案」に署名しました。これにより、国境警備隊、湾岸警備隊などを含む22の米国政府機関・部門の総勢17万人を統合する巨大官庁、国土安全保障省が誕生することになりました。
 22の政府機関・部門といわれてもあまりピンと来ないかもしれませんので、ちょっと日本に当てはめて考えてみますと、内閣官房の一部(危機管理監等)、内閣府の一部(防災関係)、法務省の一部(入国管理)、財務省の一部(税関)、農水省の一部(植物・動物検疫)、国土交通省の一部(海上保安庁)&その他色々を一まとめにしたような役所が誕生するといったイメージでしょうか(たぶん)。
 この「巨大官庁」に対しては、「こんな寄せ集めの巨大官庁がそもそもワークするのか」といった批判等がありますが(巨大官庁に対してはどの国でも批判がつきものなのです)、この巨大官庁設立構想の発表から設置法署名までの期間の短さは、日本人の私にとっては驚きです。
 「9・11」を防げなかったという反省を受けて、ブッシュ大統領が国土安全保障省構想を発表したのは、今年の6月。わずか半年あまりで、その巨大官庁の設置法が成立してしまったわけです。
 そういえば、エンロン疑惑に端を発した企業会計スキャンダルへの対応も非常に迅速(かつ厳しいもの)でした。
 拙速ではといった批判はあると思いますが、アメリカの持つこの”スピード感”、日本が学ぶべきところかもしれません。