米国まめ日記1

国土安全保障省 ~米国のチョット省庁再編~
 少し古い話なのですが、去る11月25日、ブッシュ大統領は「国土安全保障省設置法案」に署名しました。これにより、国境警備隊、湾岸警備隊などを含む22の米国政府機関・部門の総勢17万人を統合する巨大官庁、国土安全保障省が誕生することになりました。
 22の政府機関・部門といわれてもあまりピンと来ないかもしれませんので、ちょっと日本に当てはめて考えてみますと、内閣官房の一部(危機管理監等)、内閣府の一部(防災関係)、法務省の一部(入国管理)、財務省の一部(税関)、農水省の一部(植物・動物検疫)、国土交通省の一部(海上保安庁)&その他色々を一まとめにしたような役所が誕生するといったイメージでしょうか(たぶん)。
 この「巨大官庁」に対しては、「こんな寄せ集めの巨大官庁がそもそもワークするのか」といった批判等がありますが(巨大官庁に対してはどの国でも批判がつきものなのです)、この巨大官庁設立構想の発表から設置法署名までの期間の短さは、日本人の私にとっては驚きです。
 「9・11」を防げなかったという反省を受けて、ブッシュ大統領が国土安全保障省構想を発表したのは、今年の6月。わずか半年あまりで、その巨大官庁の設置法が成立してしまったわけです。
 そういえば、エンロン疑惑に端を発した企業会計スキャンダルへの対応も非常に迅速(かつ厳しいもの)でした。
 拙速ではといった批判はあると思いますが、アメリカの持つこの”スピード感”、日本が学ぶべきところかもしれません。