1月16日(すみません、古くなって)の朝日新聞オピニオン欄「葬式代、どうします?」から
ある調査によると、日本の葬儀の90%は仏教式です、費用の平均は、葬儀一式が127万円、別途お寺へのお布施が51万円、飲食接待費が46万円だそうです。
「寺は比較的新しい。自前のホールと祭壇を持ち、葬祭業者を介さない葬式を提案している。檀家は約700軒。情報公開を進め、1970年代後半から毎年、檀家に決算書を配っている。お葬式でのお布施の平均額は約26万円だ。1件ずつの内訳をまとめた一覧表がある。それを示しながら住職が語るには・・」
・・ほら、お布施が4万円や5万円の方もいらっしゃるでしょう。ああ、この3万円は生活保護のお宅でしたね。事情によっては、お布施は受け取りません。昨年は約80件のお葬式にかかわりましたが、3件はお布施ゼロです。それどころか、寺の持ち出しもあります。ここに赤い字で「13万8千円」と書いているのは、この寺が棺などの実費を払ったという意味です。亡くなったのは60代で独り暮らしの方。手元には1万円しか残っていませんでした・・
・・例えば親を長く介護していると医療費などが非常にかさみます。その末に、いよいよ最期のお葬式に100万円も200万円もかけるなんて、とてもじゃないけど無理ですよ。「もうお葬式をする費用がないけど」という方の相談にも乗っています・・
・・30~40年前までこの地域は寺も檀家も、みんな貧乏でした。私の母だって借金に走っていました。それでもお葬式となると地域の人たちが3日間、ずっと煮炊きをして食事を用意していた。地域コミュニティーは冠婚葬祭でつながっていた側面があります。しかし、高度経済成長期からお葬式はどんどん大きくなっていく。会葬者が千人規模というケースもあり、まるで家の権威を周囲に見せるためのようでした。バブル期は寺の再建ラッシュで、檀家は何十万円もの寄付を平気で出してくれました。その時期、お布施は全国的に一気に上がった。いまもその流れを断ち切れずにいるわけです・・
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政府が企業に賃上げを要請すること
1月26日の日経新聞「日曜に考える」「ベアは広がるか」、早川英男さん(富士通総研エグゼクティブ・フェロー)の発言から。
「政府の賃上げ要請をどう受け止めていますか」との問に。
・・賃上げは労使の交渉に委ねるのが原則で、政府の要請は本来好ましいことではない。だがデフレ均衡から抜け出すには、だれかが背中を押す必要がある。今回に限ってはあってしかるべきだ。
第2次石油危機のさなかにあった1980年には官民の連携で賃上げを抑制した。第1次石油危機後の大幅な賃上げがインフレを悪化させたという反省からだ。おかげで不況もインフレもそれほどひどくならずにすんだ。今回は逆のケースと言える・・
「継続的な賃上げに必要な条件は何ですか」
・・何よりも企業が生産性を高め、付加価値を増やさなければならない。コストの削減だけに目を向けるのではなく、魅力的なモノやサービスを提供していく必要がある。その努力を支えるような政府の成長戦略も欠かせない・・
・・だが持続的な賃上げのカギを握るのは第3の矢の成長戦略だろう。特定の分野に企業を誘導する「ターゲティング・ポリシー」ではなく、企業が自由に動ける環境づくりこそが政府の役割だ・・
日本の生活文化を売り込む
先日も、日本の生活文化を海外に売り込むための、「クールジャパン機構」を紹介しましたが、日本の良さを海外に売り込むことが関心を呼んでいます。
読売新聞は「ソフトパワーのつくり方」を連載していました。例えば1月9日(第6回)では、日本を訪れる外国人観光客が、物見遊山でなく、日本を体験することに関心を持ち満足していることを取り上げていました。ハレの場でなく、普段着の日本にも関心を持っているのです。いろんなものが独特の陳列をされている格安量販店のドン・キホーテ、浅草のカッパ橋道具街の食品見本(ロウ細工)、しかもそれを作る体験コースとか、観光果樹園のもぎ取り体験も。
観光庁の調査では、外国人が日本で満足した出来事は、次の通りです。生活文化体験が71%、歴史・伝統文化体験が、68%、自然・景勝地観光が63%、温泉入浴が57%、日本食が56%、繁華街の街歩きが53%、美術館・博物館が52%、買い物が52%、旅館に宿泊が42%です。
私も若い頃、海外旅行が珍しかったときに、ヨーロッパの観光地も行きたかったですが、町中でのレストランや商店での買い物がうれしかったです。もちろんそれには、日本にない「あこがれ」「珍しさ」が必要です。
NHKスペシャルも、ジャパン・ブランドを特集しています。かつて日本人が、ヨーロッパの暮らしにあこがれ、アメリカンライフにあこがれたと同じように、アジアの人たちが日本の生活文化をあこがれてくれると良いですね。
産業振興、政府はどこまで関与すべきか
12月29日の日経新聞、「ベンチャー育成、官がどこまで」に、政府の成長戦略として、官が主導するファンドによる新企業育成の議論が載っていました(官民ファンド)。政府が産業にどこまで、どのように関与するのかは、大きな課題です。
国家が経済成長をするために、産業政策がとられます。かつては、欧米先進国に追いつくために、先進的な産業を導入し保護育成しました。他方で、衰退する産業を保護しました。これは、技術指導、補助金、低利融資、税制、参入規制などの手法を組み合わせました。
また、一時的に破綻に瀕した個別企業を救済したこともあります。企業再生や銀行救済などです。このほか、日本の生活文化を海外に売り込むための、「クールジャパン機構」も作られています。
かつてのような特定産業の保護育成は、終わったようです。今、話題なっているファンドは、どの産業と決めずに新産業・ベンチャーを育成しようというものです。追いつき型経済発展の時代が終わったら、自らで新しい分野を開拓する必要があります。既存企業が新しい分野に進出するほか、ベンチャー育成は、その一つです。
放っておいてもどんどん新企業が出てくれば良いのですが、近年の日本は廃業が多く開業が少ないとのことです。起業家精神を喚起し、どのような条件を整えると、新企業がたくさん出てくるのか。その際どこまで、政府が関与するかです。
ところで、銀行がこのような挑戦者に融資をしてくれるほかに、保険の役割もあります。新しく見込める商品やサービスに、リスクの補償をするのです(例えば、2013年7月18日、日経新聞「ニッポン金融力会議。新産業、保険で後押し」)。そのような観点からも、保険の役割は重要です。目的とともに、手法も大切です。
仮想通貨ビットコイン
「ビットコイン」という言葉を目にした方も、多いでしょう。ニュースやインターネットで、話題を集めています。これは、インターネット上に作られた「仮想通貨」です。実際に使われています。
わかりやすい解説が、日経新聞電子版に載っています(ビットコイン、ギークが育てた無国籍通貨。12月29日)。
なぜ、急速に広がっているのか。ビットコインは、金融機関を介さず、少ない手数料ですばやく送金できます。また、キプロスでは、金融危機の際に、政府が銀行預金への課税を決めると、ビットコインが資産の逃げ場になりました。
ビットコインは、通常の電子マネーやプリペイドカードとは違います。日銀金融研究所によると(1)発行体がない(2)発行時の払い込みがない(3)特定の資産による裏付けがないの3点で、従来の電子マネーとは大きく違うのだそうです。
日銀や政府といった、責任ある主体が発行しているのではありません。それでも通用するのは、皆がそれを通貨だと信じているからです。もっとも、その点では、紙幣も同じです。紙切れを、1万円や千円の価値があると信じているのですから。
しかし、通貨発行権は国家の重要な権限でした。実際には、中央銀行である日銀に委託しています。そして、金融政策として通貨の総量を管理しています。各国政府と離れて流通する通貨が巨額になった場合、金融政策や管理にどのような影響を与えるのでしょうか。
さらに、匿名であるので、犯罪に利用されているとも指摘されています。それらを含めて、インターネットが「主権国家」を掘り崩す例です。