今日10月25日は、京都大学公共政策大学院で、講義をしてきました。東日本大震災での経験です。あわせて、その際考えた、町のにぎわいを取り戻すこと、公共とはなにかを、お話ししてきました。京都は、さわやかな秋の空でした。
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講演
武蔵野市役所研修会
今日は、夕方から、武蔵野市役所部課長研修に行ってきました。ご注文は、大震災の経験と、管理職の心得を話せということでした。それぞれのテーマで1回分あるものを、2つ合わせて1回で話しました。やや無理があったですね。
あとで、「もう少し、管理職の心得を聞きたかった」「職場の3大無駄の話を聞きたかった」との意見をもらいました。すみません、ご関心ある方は、「明るい公務員講座 仕事の達人編」をお読みください。
皆さん、熱心に聞いてくださいました。中には、自治大学校の卒業生も。
武蔵野市は、上品な住宅街。財政力も強く、行政でも先導役を務めてきました。西尾勝先生が行われた、市民参加の実践の市でもあります。
吉祥寺駅はわが家から中央線で4駅。近くなのですが、近年は降りたことがなく。夕方の駅前は、大変な人出でした。東北の過疎地を主に見ている私には、うらやましい限りです。
日本財政学会
10月20、21日と、香川大学で開かれた日本財政学会に呼ばれて、行ってきました。私の出番は、「C-6 災害復興財政を考える」の討論者としてです。各先生の発表に質問をするというより、これまで地方財政や大震災復興に携わった経験者として、気づいた点を申し上げてきました。先生方の今後の研究に活かしてもらうためです。
平成の30年間は、大規模災害が頻発した時期でもありました。雲仙普賢岳の噴火が平成3年、阪神・淡路大震災が平成7年、東日本大震災が平成23年。それ以外にも、地震、台風、豪雨など。これらに合わせて、復興財政も充実してきました。財政・地方財政で、この30年間に大きく変わった分野の一つでしょう。
終戦直後に大きな台風災害が続き、一連の財政支援制度ができました。災害救助法、公共施設復旧費補助、激甚災害指定、特別交付税措置などです。その後、平成に入るまで、大きな枠組みの変化はなかったようです。
ところが、これらは公共施設や農地の復旧に公費を入れるにとどまり、被災者支援は避難所と仮設住宅提供まででした。
雲仙普賢岳の噴火の際に、従来の支援だけでは自治体現場の要求に応えられないことから、(地方債を使い)交付税を財源に自治体に基金をつくりました。私は自治省交付税課の課長補佐で、その設計をしました。この仕組みは、その後も使われています。ただし、金利が低くなって基金の果実では事業ができなくなり、取り崩し型の基金になっています。
もう一つが、公共施設に限らず、被災者の生活を支援することに踏み切りました。住宅再建の際の、被災者生活支援金です。さらに、中小企業の再建支援、孤立防止などコミュニティ支援もです。すると、どこまで私有財産に公費で支援するのかが、課題となります。
また、被災者支援は公費だけでなく、様々なものがあります。各自が契約している損害保険、義援金、(原発事故のように)賠償金。
中小企業再建の場合はお金の支援だけではダメで、技術支援をしています。孤立防止は、見回りや傾聴が重要です。市町村支援も、財政支援だけでなく、職員応援が必要でした。そして、ボランティア活動です。これらは、財政措置を見ている限りでは、視野に入ってきません。
すると、自治体への財政支援だけでなく、被災者への支援。お金の支援と、人や情報の支援まで広げて見る必要があります。
激甚災害指定が、しばしばニュースになります。しかし、この指標は、公共施設の被害額が主です。役場庁舎や学校、道路は被害が少なく、他方で個人の住宅がたくさん被害を受けても、大災害にならないことも想定されます。
被災者の支援まで、視野を広げると、このような問題も見えてきます。そのような話をしてきました。
旧知の先生方とも、お会いすることができました。久しぶりの高松市なので、高松城や栗林公園も見てきました。讃岐うどんも味わってきました。
柏市役所職員研修
今日午後は、柏市役所に呼ばれて、管理職研修の講師を務めてきました。
秋本市長と、先日から、どのような点を話すかを詳細に打ち合わせしていたので、重点を絞って話すことができました。
私は、若くして管理職になりました。本を読んだり、先輩に聞いたりして、管理職のあり方を勉強しました。でも、一番身についたのは、自分でやったこと、特に失敗です。その基本的なことは、本には書いていないのですよね。
いま、「明るい公務員講座」の第3巻「課長編」を編集中です。課長さんたちがどのような点で困っているのか、良い実地調査になりました。
第3巻には、それらも反映させましょう。