カテゴリー別アーカイブ: 講演

講演

東大での講演

今日は、東大駒場で、90分の講義。かつて私が教えに行っていた、教養学部と大学院総合文化研究科の講座です。現在は、総務省の後輩が講座を持っているのですが、ゲストでしゃべりに行ってきました。
久しぶりに訪れると、駒場キャンパスも新しい建物が建って、様変わりしていました。もう10年も経つのですね。
学生さんが熱心に質問してくれたので、授業は2時間かかりました。

東北大学公共政策大学院で講義

今日は、東北大学公共政策大学院で、2コマ講義をしました。牧原出先生のお誘いです。被災者生活支援本部以来、お呼びがあれば、都合の付く限り出かけていくようにしています。少しでも私たちの仕事を伝え、また私が何をして何を考えたかを伝えることも、重要だと考えています。
今日は、公共政策大学院の学生さんが相手なので、単なる実績や課題を話すだけでなく、学生さんにも考えてもらうように工夫しました。被災地での「制度と現実との間の隙間やずれ」をどう解決するかです。公務員はしばしば「検討しますと言って先送りする」と批判されますが、現場ではそれが許されない場面も多いのです。
さらに、私が悩んだ実例や悩んでいる課題を出して、「被災地で考えるマイケルサンデル」や「あなたが市役所の職員だったらどう考えるか」を、宿題に出しました。
30人を超える学生が、土曜の午後に熱心に聞いてくれました。質疑応答も、しっかりした質問でした。「お客さん」の反応が良いと、やりがいがありますね。
来週の土曜日と併せて合計4コマあるので、結構話せます。レジュメと資料を、ばっちり用意して臨んだのですが、エピソードを挟んだり、関連した実例などに話が飛んで、時間が足りなくなりました。いつもの悪い癖です(笑い)。でも、レジュメと資料を配ってあるので、いくら脱線しても大丈夫。
講義や講演は苦になりませんが、休憩を挟んで3時間しゃべるのは、のどが疲れました。来週もあるので、明日はその準備をしなければなりません。

日中韓人事シンポジウム

今日11月8日、人事院での「日中韓人事シンポジウム」で、基調講演をしてきました。中国、韓国と日本の国家公務員人事担当部局が、毎年持ち回りで会議を開いています。今年が第8回目、日本が開催国です。今年のテーマは、「不測の事態に備える公務の対応」で、私の努めは、東日本大震災での公務員などの動員についてでした。この1年半の経験を、お話ししてきました。
中国からは、国家公務員局の蔡啓明(サイ・チミン)局長、韓国からは高位公務員政策課のユン・ビョンイル課長が出席されました。冒頭、大震災の際にいただいた支援に、お礼を申し上げました。
いつも早口の私も、同時通訳の時は、ゆっくりお話しします。今日も、イヤホンで通訳さんのことばを聞きながら、早さを調節しました。もっとも、中国語と韓国語を同時には聞くことができないので、片方だけでしたが(苦笑)。

ちょうど4年前の秋、麻生総理のお供をして、北京を訪問したり、国際会議に出席したことを思い出しました。リーマン・ショック直後の経済混乱期で、どのようにして1929年の世界大恐慌を防ぐかが、課題でした。アメリカは、ブッシュ大統領からオバマ大統領に代わる時期で、機動的な対応ができず。ヨーロッパは金融危機の震源地で、これまた対応できないときでした。日中韓の3か国が財政出動して、世界経済を救おうという道筋をつけました。日中韓3か国のGDPは、当時、英米仏の3か国の合計より大きかったです(うろ覚えです)。麻生総理が、人民大会堂で胡錦濤主席と、青瓦台で李明博大統領と話し込まれるのを、見ていました。
初めて日中韓首脳会議を定期的に開催することとして、福岡県で開催しました。それまで、この3か国首脳が定期的に集まらなかったことが、私には不思議でした。世界に貢献する日本、アジアとともに発展する日本。欧米ばかりを見るのではなく、この重要な隣国とともに発展しなければなりません。経済だけでなく、いろんな分野での交流が必要ですし、できると思います。

慶応大学で講演

今日は午後から、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所で、講演でした。「復興リーダープロジェクト」です。公務員、NPO、企業、マスコミなどの社会人が、受講生でした。それぞれ復興に関与しておられる人ばかりで、かつ土曜日に勉強しようという意欲のある人なので、話は早いです。
逆に言うと、通り一遍の「復興の現状と課題」をお話しするだけでは、要望に応えられません。私が考える「今回の復興の難題」「復興から見た日本の行政や社会の課題」を、大胆に切り込んでお話ししました。
質疑も活発で、合計2時間半かかりました。

講演の記録

日立製作所で講演、企業への期待

今日は、日本を代表する、いえ世界的な大企業に呼んでいただき、幹部の前で「復興の現状と課題」をお話ししました。
大変な打撃を受けた東北のインフラやサービスが、企業の努力によって、すごい早さで復旧したこと、また1年前にはサプライチェーンの寸断で悲観的だった日本経済が急速に回復したことについて、お礼を言いました。そして、復旧が進んでいない地域は、津波被害地と原発事故被害地域であること、これらの復旧には時間がかかることを説明しました。
このホームページでも書いていますが、地域の復興には、インフラ復旧だけでなく、サービスの再開、働く場の復旧が必要です。これらは、行政だけでは達成できず、企業の貢献が必要です。
ただし、被災地において大企業に、一律に復興への協力をお願いすることは、効果的ではありません。誤解を恐れずに、次のようなことを、お話ししました。
1 特に被害を受けた東北3県の人口や経済規模は、日本全体の約5%でです。もちろんこの地域の復興に協力いただきたいのですが、この地域の生産額を2倍にするよりは、残りの95%の地域の生産を10%増加させる方が、日本全体の経済が大きくなります。そして、その「上がり」を、東北につぎ込んでほしいのです。
2 東北3県でも、新幹線と高速道路の走っている内陸部の回復が早いです。また、労働力や諸条件も、沿岸部に比べ優位です。例えば、大きな津波被害を受けた岩手県沿岸部は、盛岡から片道で2時間から2時間半かかります。条件は決して良くないです。関東地方、東北の便利な地域、そして不便な地域と、それぞれ条件が違うので、それに応じた協力をお願いしたいのです。