カテゴリー別アーカイブ: 講演

講演

人事院の初任行政研修講師2

今日14日は、人事院の初任行政研修その2に行ってきました。先週4日に基調講義をした初任行政研修です。
90人の研修生たちが15班に別れて、与えられた課題を議論し、発表します。指導教官は、私のほかに2人。それぞれ5班ずつを指導します。後の二人は、被災者支援本部で一緒に苦労してくれた、福井仁史君と、辻恭介君にお願いしました。私たちは研修所(別々の部屋)ですが、研修生たちは新型コロナ対策で自宅や職場からのオンライン参加です。

各班ともよく調べてあって、論点の整理、資料の作成、発表も良くできていました。とても、入省して4か月目の新人たちとは思えない出来でした。各課題とも、正解のない問題です。他省庁の職員と集まって、議論をして、一定の結論を出す。それがこの研修の狙いです。成功でした。

市町村アカデミーで講義

今日7月13日は、市町村アカデミーで講義をしました。「管理職を目指すステップアップ講座」のうち、「目標設定と職場のマネジメント」の科目です。この研修とこの科目は従来からやっているのですが、今回、担当教授から「この科目を学長がしゃべれ」との指示がありました。

この研修は「人材育成・人事管理の在り方、行政経営、リスクマネジメント等に関する講義、演習等により、管理職(所属長)になった場合に求められる能力の向上を目指します。今後、管理職(所属長相当職)として活躍が期待される課長補佐等の職員を対象とします」ものです。いくつか実施している管理職研修の一つです。

管理職に必要な能力については、いろいろ話したいとがあります。今回は2コマ分(2時間半)あったので、かなり話すことができました。いつものように、私の体験談(失敗談)を豊富に織り込みました。骨子には要点を書いて重要なことは覚えてもらうようにしました。みなさん、千葉まで研修に来られるだけあって、熱心に聞いてくださいました。
参考。このホームページに書いている「明るい課長講座」。

フィリピン国会事務局研修講師

今日7月7日は、フィリピン国会事務局職員研修で、政策研究大学院大学に行ってきました。
対象者は、上下両院の事務局職員たち45人です。コロナ禍で来日することができず、オンラインでの研修です。私は日本語でしゃべり、同時通訳を介します。講義骨子や投影資料は、事前に英語に翻訳してもらいました。
フィリピン政府の研修では、昨年に次官級の研修講師を務めました。「フィリピン政府次官研修の講師

今回も要望は、東日本大震災での対応についてです。フィリピンも自然災害多発地帯ですから、日本の経験には興味を持ってもらえるようです。前回の経験を基に、資料と話の内容を少々入れ替えて話しました。質問や感想がたくさん出たので、うまく伝わったということでしょう。

人事院の初任行政研修講師

今日7月4日は、人事院の初任行政研修・行政政策事例研究「東日本大震災事例」の基調講義に行ってきました。これは、去年行ったのと同じ講義です。「令和3年度人事院初任行政研修講師
今回は、北区西ヶ原の人事院の研修所で、90人のうち半数が対面で、半数は隣の部屋で画面で行いました。

この研修は、歴史的に意義が大きい過去の行政事例を題材として、当時の困難に対応した関係者の話を聞き、行政官として取るべき行動を討議します。
研修生たちは、東日本大震災発災当時は小学生です。説明の際に、当時の現地の写真が効果的です。みなさん、熱心に聞いてくれました。ついつい熱がこもって、時間が足らなくなりました。もっとも、これは織り込み済みです。質疑応答も適確な質問が出て、うれしかったです。
今年は、福島の被災地視察も行われるようです。津波被害と原発事故被害の現場を見て、その悲惨さを実感してください。

今日は基調講義をすると共に、研修生が討議する課題を3つ与えました。彼らは班別にこの課題の一つを議論し、14日の発表会に臨みます。

講義は難しい

これまで何度も講義や講演をしましたが、何度やっても、しゃべることは難しいです。まず、本人の実感と反省があります。「今日はうまく話せたな」「観客の受けがよかったな」と思うときと、「今日はいまいちだったな」と思うときがあります。他方で、研修講義などでは、参加者による評価が出ます。なかなか満点は、もらえません。

市町村アカデミーでの研修生による講師の評価を見ると、高い評価の講師とそうでない講師がいます。中には全員が高評価の講師がおられます。尊敬します。
他方で、研修生の評価が低い講師がいます。その理由は、研修生の聞きたいこととズレていた場合や、内容はよいのに講師の言いたいことがうまく伝わらなかった場合があるようです。
前者は、学校側が講師に講義の趣旨目的を十分伝えていなかったことも考えられます。これは、事前の説明と打ち合わせで防ぐことができます。

後者は、伝え方が下手なのです。いくつか型があります。
・資料を棒読みする講師。
・早口、小声で聞き取りにくい講師。
・内容を詰め込みすぎで、消化不良になる。結局何を伝えたいのかが分からない。
この3番目は、公務員によく見ることができます。私もよくやりました。今も、時々やってしまいます。
昔は「時間が余ったらどうしよう」と心配して、たくさんの内容を準備したものです。これは、ダメでした。たくさんのことを伝えたいと思うのが、逆効果になっています。過ぎたるは及ばざるがごとし。

その対策は、私の場合は、講義の最初に「今日はこれだけを持って帰ってください」と、要点を3つほど挙げることです。そして、思い切って資料を簡素化することです。
公務員の講師は、しばしば執務で使っている説明資料を投影して説明します。これは絶対ダメです。
パワーポイントの資料は文字数が多くて、投影されても聴衆は読み取ることができません。投影するなら、絵や写真で、文字なら3行ほどの要点にしましょう。たくさんの資料を伝えたい場合は、講義とは別に「持ち帰り資料」にするとよいです。