カテゴリー別アーカイブ: 連載「公共を創る」

連載「公共を創る」執筆状況報告

恒例の、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況報告です。
「(1)社会を支える民間」の後半分を、右筆たちに手を入れてもらって、編集長に提出しました。毎回、さまざまな意見をくれたり、丁寧に手を入れてくれたりする右筆たちに感謝です。
締めきりに、間に合わすことができました。記事の形にしてもらうと、4回分になりました。11月25日号から12月16日号です。

今回は執筆に時間がかかり、余裕のない提出となりました。反省。
その続きの執筆も、進んでいないのです。今回出稿した分で年を越せると思ったのですが、編集長からは、年内の次の原稿の催促を受けました。
これからは恒例の年賀状書きもあるし、ほかに引き受けている案件もあります。夜の意見交換会も盛況で、時間が取れません。困ったことです。
毎回、同じことを言っています。

連載「公共を創る」第98回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第98回「サービス提供、担い手は官か民か」が、発行されました。

前回に引き続き、社会における企業の役割を説明します。前回は、損害保険の役割を紹介しました。みんなでお金を出し合い、事故や出費の必要性が発生したときに金銭を給付するのが保険制度です。
そのような観点からは、地域や親族での助け合いが、最初の保険とも言えます。助ける側にも、助けてもらう側にもなります。そして、民間会社の保険や、政府の保険に発展しました。また、政府そのものが、保険金を集めない保険とも言えます。税金で、国民や住民の困りごとに応えるのです。

この議論をサービス提供主体の違いに広げると、経済学や行政学の教科書では公共サービスと民間サービスとの違いが説明されますが、官と民との区別があまり有効でないことがわかります。
1980年代から民営化、民間委託が広がりました。他方で、企業が撤退したバス路線などでは、市町村がそれを担う場面も出てきました。
すると、企業が提供するのか行政が提供するのかが重要なのではなく、住民にとっては、サービス提供が確保されること、そしてその質の確保です。そして、行政の役割は、民間が提供しない重要なサービスを提供することと、官民が提供するサービスの質の監視です。

なおこの視点からは、公務員と民間従業員との、一律の区別も有効ではありません。公務員はストを禁止されています。しかし、コロナウイルス感染拡大で分かったことは、役所の内部管理業務などは少々滞っても問題なく、それに比べ保育園、学童保育、介護施設は休まれると住民に大きな支障が出ます。

連載「公共を創る」第97回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第97回「保険に見る企業と政府の協働」が、発行されました。

前回までの「第4章 政府の役割再考 1.社会の課題の変化」(連載第71回〜96回)では、日本が成熟社会に入り社会の課題が変わったこと、それに従って行政の任務も大きく変わるべきであることを説明しました。今回からは「2.社会と政府」に入り、これらの変化を念頭に、これからの政府の役割を検討するために、社会と政府の関係を見直してみます。

本稿では、社会は公私が対立しているのではなく、官(政府・行政)、共(非営利活動、非営利団体)、業(企業・市場経済)の三つの主体・場・仕組みに支えられていると考えるのです。そして、社会が私たちの暮らしを支えている場合には、モノやサービスの提供だけでなく、働く場、他者とのつながり、生きがいや居場所という機能も果たしています。それらは、法律や制度だけでなく、国民の意識と生活がつくっています。
かつて安全で安心といわれた日本、また驚異的な経済成長を支えたのは、これら国民の民度や気風がつくるこの国のかたちでした。
しかし、今や日本社会の安心にほころびが生じ、経済も低迷しています。安心して暮らせる社会をつくるためには、行政の役割を現状に即して変更していくことも必要ですが、民間の役割や国民の意識の変革も重要です。

ここでは、社会を支える民間活動と国民意識を再検討します。まず、改めて企業という存在に注目してみます。保険を例に、企業が私益を追求するだけでなく、社会を支えていることを見ます。

連載「公共を創る」執筆状況報告

恒例の、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況報告です。
紙面では「第4章政府の役割再考」の「1社会の変化」が10月21日で終わり、28日から「2社会と政府」に入ります。「(1)社会を支える民間」の前半、3回分は既にゲラになっています。
その続きを書き上げ、手を入れてもらうべく、右筆たちに送りました。右筆さんたち、よろしくお願いします。

「(1)社会を支える民間」の後半は、社会を支える国民の意識についてです。日本は民度が高く、関係資本や文化資本も強いと言われています。「この国のかたち」「日本人論」として高く評価されてきました。しかし、それらが新しい暮らしの形に適合せず、社会の活力と安心にほころびが出ています。この通念と社会の仕組みの問題について説明しました。

これまでの執筆で、いろんな角度いろんな分野でこの問題を取り上げたので、それらの集約となります。「この話は、どこかで書いたよな」と、過去に書いたものを見なおしてみると、たくさん出てきます。まあ、この主題で書いているので、当然ですが。
とはいえ、今回も執筆に難渋しています。転職したばかりでいろいろと用務があること、夜の異業種交流会を再開したことから、なかなか執筆の時間を取ることができません。

連載「公共を創る」目次4

「目次3」から続く。
全体の構成」「執筆の趣旨」「日誌のページへ」「目次」「目次2」『地方行政

第4章 政府の役割再考
2 社会と政府
(1)社会を支える民間
10月28日 97社会と政府ー保険に見る企業と政府の協働
11月11日 98社会と政府ーサービス提供、担い手は官か民か
11月18日 99社会と政府ー広がる企業の役割
11月25日 100社会と政府ー通念と生活の「ずれ」ー顕在化した不安
12月2日 101社会と政府ー家族と職場に見る「ずれ」の実像
12月9日 102社会と政府ー「新しい通念と仕組み」構築の方向性
12月16日 103社会と政府ー「通念」を変える─その方策と障害

2022年
(2)政府の社会への介入
1月13日 104社会と政府ーその理念的な推移
1月20日 105社会と政府ー産業政策と日本の発展
1月27日 106社会と政府ー産業政策の転機
2月3日 107社会と政府ー政府とコミュニティーの関係
2月10日 108社会と政府ー「国のかたち」の設定ー倫理
2月17日 109社会と政府ー倫理や慣習への介入
3月3日 110社会と政府ー社会意識の変化
3月10日 111社会と政府ー「世間の目」と学歴・職業観
3月17日 112社会と政府ー倫理や社会意識、議論する場は?
4月7日 113社会と政府ー生活への介入
4月14日 114社会と政府ー「生きていく力」を身に付けるには
4月21日 115社会と政府ー個人の自由への介入
5月12日 116社会と政府ー家族と個人の衝突
5月19日 117社会と政府ー国民・社会の政府に対する意識
5月26日 118社会と政府ー国民の政治参加と新自由主義的改革の実像
6月2日 119社会と政府ー「戦後民主主義」の罪
6月16日 120社会と政府ー政治への嫌悪感とゼロリスク信仰
6月23日 121社会と政府ー行政・官僚への不信ーその内実
7月7日 122社会と政府ー行政と官僚ー信頼回復への道筋
7月14日 123社会と政府ー政治参加の現状─主権者教育と地方自治
7月21日 124社会と政府ー社会参加の意識─諸外国との比較
8月4日 125社会と政府ー社会参加政策のあり方―スウェーデンとドイツ
8月18日 126社会と政府ー政治・社会参加を促す具体策
8月25日 127社会と政府ー政治・社会参加の重要性
9月1日 128社会と政府ー政治・社会参加で「つながり」を得る
9月8日 129社会と政府ー日本における政治・社会参加の現状考察
9月29日 130社会と政府ー求められる「構造的な改革」
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