カテゴリーアーカイブ:連載「公共を創る」

図・公私二元論から官共業三元論へ(サービス提供)

2023年4月4日   岡本全勝

連載「公共を創る」第146回「サービス提供における官民関係の変遷」に使った図を載せておきます。
図表1「サービス提供、公私二元論」をは、公私二元論での模式図です。左では、公共サービスは政府が提供し、私的サービスは企業が提供します。民間委託が進められると、右の状態が現れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

図表2「サービス提供、公私二元論から官共業三元論へ」は、官共業三元論に立った場合の模式図です。左が公私二元論で、右の官共業三元論に変わります。右の下では、政府部門(行政)、市場部門(企業)、非営利部門(NPOなど)が住民にサービスを提供しますが、3部門のそれぞれが得意なものを提供します。公的サービスと私的サービスの区別は、なくなっています。
右では上に、政府がもう一度出てきます。政府のここでの役割は、ルールの設定、誘導、監視です。公共的なサービスを民間主体も提供することから、継続的に安全で公平に提供されるよう、ルールを定めておくことが必要になります。このルール設定とその適正な運用がなされているかの監視が、この段階での政府の任務です(4月10日に左を修正しました)。

 

 

 

 

 

 

 

 

図・公私二元論から官共業三元論へ(課題の認知)

連載「公共を創る」第146回

2023年3月16日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第146回「サービス提供における官民関係の変遷」が、発行されました。
行政の手法について、説明しています。モノとサービスの提供手法においても、公私二元論が変更されている例を取り上げました。行政が企業や住民と一緒に規制を考える手法です。

官共業三元論でサービス提供を見ると、どのように位置づけられるか。模式図で説明しました。この図は、大震災復興の過程で考え、講演会で使っているものです。好評で、自信を持っています。

連載「公共を創る」第145回

2023年3月9日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第145回「「新しい課題に対する新しい行政手法」とは?」が、発行されました。

行政改革の議論を終えて、行政の手法の議論に入ります。この連載では、社会の課題が「貧しさの解消」から「不安への対処」に変わったことと、従来の「サービスの提供」といった行政手法ではそれらを解決できないことを説明してきました。そして、いくつかの分野では、新しい手法が試みられていることを取り上げました。

まず、貧しさの解消のために取られた、モノとサービスの提供手法について説明します。かつては、公共サービスは政府が提供し、私的サービスは市場が提供すると説明されました。しかし、このような公私二元論は、もはや成り立ちません。

 

連載「公共を創る」第144回

2023年3月3日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第144回「政策を体系的に示す─内閣・府省・自治体」が、発行されました。

各内閣が次々と新しい政策に取り組んでいるのに、それらが体系的でなく、官僚や国民にとって分かりにくいことを議論しています。このような議論をしているのは、私が首相秘書官を務めた麻生太郎内閣(2008年~09年)では、首相が特に力を入れる主な政策を体系的に示していたからです。
内政と外交について、それぞれ「安心と活力」「安全と繁栄」に分け、「これまでの実績」「これからの見取り図」を示しました。あわせて、首相としての責任を「政治のかたち」として示しました。その図は、官邸のホームページに載せていました。現在では国立国会図書館のアーカイブで見ることができます。

もちろん、内閣、首相が取り組む政策はこれだけではありません。しかしそれらは、各大臣と各省に任せておけばよく、必要に応じて首相と相談すればよいのです。また、各大臣と各省にとっても、首相が何に力を入れているかが分かります。
この図は首相と議論して骨格をつくり、各秘書官がそれに沿って仕事をするとともに、図を充実していきました。

地方自治体にあっては、多くの団体が総合計画をつくっています。ところが、国にあっては、内閣にも各省にもそれに当たるものがないのです。

連載「公共を創る」第143回

2023年2月10日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第143回「「新しい課題」への対処法」が、発行されました。
社会に新しい課題が次々と生まれているのに、行政の対応が必ずしも積極的でないことを議論しています。かつては縄張り争いをするくらい、積極的に新しい分野に取り組んだのに、なぜ消極的になったように見えるのか。

一つは、官僚主導から政治主導への転換がまだ安定しておらず、政治家と官僚との役割分担がうまく機能していないようです。官僚たちが、上司である政治家の指示待ちになったのです。
また、新しい政策が官邸から発信されるのですが、各省大臣からの発信が少なくなったように見えます。
政策には、大きなものから小さなものまで、さまざまなものがあります。すべてを官邸が抱えると、首相だけでなく内閣官房も機能不全になるでしょう。

日本の行政、官僚に求められているのは、国内で生まれている課題を拾い上げ、政策にすることです。かつての「追いつき型・制度輸入」手法ではなく、「国内の問題を拾い上げ、対策を考える」手法への転換です。
アメリカの社会学者C・ライト・ミルズの「社会学的想像力」という考え方を紹介しておきました。