月刊『地方財務』(ぎょうせい)で、2010年10月号から連載中。
2011年4月号で中断中。すみません。大震災というリスクの対応を実践しています。原稿は後回しです。
(目次)
はじめに-政府が取り組まなければならないリスクとは何か・・・2010年10月号
第1部 社会のリスク
第1章 リスクの分類-私たちを取り巻く新しいリスク・・・2010年11月号
1 リスクの分類
2 分類の視点
第2章 政府の対応-進む対策・・・2010年12月号
1 武力攻撃事態や災害への備え
2 事故や犯罪への対策
3 健康の危険への対策
4 社会生活の危険への対策
第3章 新しいリスクはなぜ生まれるのか-豊かさの影・・・2011年1月号
1 新しいリスクとは何か
2 科学技術が生む新しいリスク
3 豊かな社会の新しいリスク
第4章 政府の役割の変化-豊かさから安心へ
1 リスクに対する政府の役割・・・2011年2月号
2 個人の責任、政府の責任・・・2011年3月号
3 リスク社会と国家の変貌・・・2011年4月号
第2部 行政組織のリスク
第5章 自治体の危機管理
第6章 「行政の危機」を管理する
(連載の原稿)
今日は、頑張って、原稿を書き上げました。雑誌『地方財務』10月号から連載する予定の「社会のリスクと行政の役割」です。このホームページでも書いていましたが、日本大学法学部大学院で半年間講義をし、またいくつかの場所で講演をしました。それを、連載する予定です。乞うご期待。もっとも、長尾編集長の厳しい眼に、合格したらですが。
講義ノートはあるのですが、原稿の形にするには、労力が必要です。連載は久しぶりなので、勘を取り戻すのに、時間がかかります。本業でも講義がありますし、それ以外の講演や原稿も引き受けているので、なかなか時間が取れません。自分で、忙しくしているのですがね。(2010年8月21日)
月刊『地方財務』10月号に、拙稿「社会のリスクの変化と行政の役割」第1回が載りました。
近年、これまでにない社会のリスクが顕在化し、政府(中央と地方)は、対策を迫られています。大震災、テロ、ミサイル発射、製品事故、新型インフルエンザ、サイバーテロといった、生命・身体・財産への被害だけでなく、いじめ、引きこもり、自殺、セクハラ、虐待、無縁社会といった、人間関係のリスクも、大きな問題になっています。
また、かつて日本は、世界一安全で安心な国だと言われていました。しかし、国民の安心は揺らいでいます。なぜ、そうなったのか。それを生んだ社会の変化と、行政の役割について考えます。
内閣官房再チャレンジ室長や、総理秘書官を務めていた時に考えていた課題を、整理し直そうという試みです。日本大学法学部大学院で、春学期に講義したノートを基に、執筆中です。(2010年10月5日)
10月号を読んだ読者から、早速、お便りがありました。次のような趣旨です。
・・岡本校長の講義で聴きましたが、戦後50年で大方の行政サービスが出揃い、豊かになったからこそ発生したリスクも多いという気がしました。今後、どのように話が展開してくのか、大変興味を持っています・・
ありがとうございます。私が対象としているのは、現在の日本社会であり、日本の行政です。びっくりするような新事実を書く、わけではありません。しかし、「このような見方もあるのか」「そう考えると、わかりやすい」と言っていただけるような角度からの、分析をお示しできたらと考えています。励ましのメールを頂いたので、頑張って続きを書きましょう。(2010年10月6日)
連載「社会のリスクの変化と行政の役割」の11月号のゲラが届いたので、朱を入れて返送しました。長尾編集長が、まず朱を入れてから、送ってきて下さいます。間違いなく、私の原文が、読みやすく正確になっています。いつも、「なるほどねえ」と感心し、反省します。私は、かなり読みやすい文章を書いている、つもりなのですがね。
昔と違い、原稿の受け渡しはデジタルですから、校正も楽になりました。文章が落ちたりすることや、誤植はないです。原稿とゲラとの読み合わせは不要です。それでも心配なので、見比べはしますが。しかし、これで安心できず、12月号の原稿締め切りが、迫ってきます。(2010年10月15日)
今日は、『地方財務』連載12月号の原稿を、完成させました。今回は第2章で、新しいリスクに対する政府の対応を、具体的に並べました。元となる日大大学院での講義ノートはあるのですが、もう一度事実確認をすると、結構時間がかかりました。
その点、インターネットは便利ですね。これがなければ、それぞれの対策や法律を確認するのに、もっと多くの時間がかかり、とても間に合いませんでした。ミサイル防衛から共生社会まで、これだけの範囲のリスクと対応を一人で調べるのは、やや無理がありますね。しかし、私が得た知識や教訓、またこのような見方もあるのだということを、皆さんにお伝えできればと思って、頑張っています。
それでも、締め切りまでに編集長に送れば、一安心。でも、すぐに次の号の締め切りが来ますし、来月末締め切りの原稿をもう1本抱えています。(2010年10月24日)
連載「社会のリスクの変化と行政の役割」が載った、月刊『地方財務』11月号が発行されました。第2回目は、第1章リスクの分類-私たちを取り巻く新しいリスク-です。古典的な身体・生命・財産へのリスク(災害、事故、武力攻撃など)だけでなく、経済社会システムへのリスク(ライフラインの途絶、金融危機など)や人間関係(他者との関係、社会とのつながり)へのリスク(不登校、引きこもり、自殺、児童虐待など)まで範囲を広げて、近年の社会のリスクを整理しました。
インターネットにたとえると、古典的なリスクはハードウエアの故障です。机の上のパソコンが、金槌で叩かれたようなものです。二つ目の経済社会活動の混乱は、ネットワークの故障です。パソコンは正常ですが、光ファイバーがとぎれるか中継装置が故障して、インターネットがつながりません。三つ目の人間関係へのリスクは、コンテンツの障害です。パソコンもネットワークも問題がない、しかし画面では文字化けが起こって意味が通じません。
私の主張は、政府(中央、地方)は、この新しいリスクへの対応を迫られているということです。ご関心ある方は、お読みください。(2010年11月1日)
今日は、連載「社会のリスクの変化と行政の役割」12月号の、印刷原稿の校正をしました。出張中に、自宅にゲラが届いていました。ここまでは順調なのですが、ほっとしておられません。容赦なく、次の締め切りが追いかけてきます。パソコンと基礎データを中国に持っていったのですが、時間が取れず、そんなには進みませんでした。出張先のホテルで書こうという魂胆が、間違っていますよね。(2010年11月13日)
(ウルリッヒ・ベック氏)
11月11日の朝日新聞夕刊が、ウルリッヒ・ベックさんの来日を、取り上げていました。ベック氏は、ドイツの社会学者で、著書『危険社会』で有名です。
彼の主張するリスク社会論は、多岐にわたるのですが、私はそのうちの「近代後期の個人化」に、大きく影響を受けました。最近、講義し連載している「社会のリスクの変化と行政」は、それを基にしています。(2010年11月16日)
連載「社会のリスクの変化と行政の役割」1月号の原稿を書き上げ、長尾編集長に送りました。ネパール出張の飛行機の中、カトマンズのホテルで、精を出した甲斐がありました。旅先では確認できなかった点を調べて、今日完成させました。
例によって、ある文章をあっちへ持っていったり、こっちとくっつけたり。小さなか所で行き詰まってみたり。あれも書きたい、これも書きたい、でもバランスを失する。良く書けたと思っても、全体を通してみるとすわりが悪く、ばっさり削ったり、と悩み続きの執筆でした。締め切りが来たので、このあたりで手放します。
今月締め切りの原稿が、もう1本残っています。そろそろ、年賀状の苦行にも、着手しなければならないし。(2010年11月27日)
連載第3回が載った、月刊『地方財務』(ぎょうせい)12月号が発行されました。今回は、第2章「政府の対応-進む対策」です。第1章で取り上げた様々なリスクに対し、中央政府と地方政府が近年充実した対策を、解説しました。
法律や事実を確認するのに、結構な手間がかかりました。ご関心ある方は、お目通しください。また、「これが抜けている」といったものがあれば、御指摘下さると幸いです。(2010年12月4日)
連載「社会のリスクの変化と行政の役割」第4回が載った、月刊『地方財務』1月号が発行されました。今回は、第3章「新しいリスクは、なぜ生まれるのか」です。第1章と第2章は幅広い事実の整理でしたが、第3章からはそれらの背景を分析します。
近年、リスク論や危機管理論が流行する背景には、新しいリスクが増えたことがあると言われます。しかし、よく見ると、古くからのリスクが再認識されたり、社会のリスクに「格上げ」されたものもあります。
それらを除いて、新しいリスクが生まれる原因は、一つには科学技術の発達であり、もう一つは豊かな社会が生む新しい不安です。それを、解説しました。ご関心ある方は、お読みください。「ふ~ん、こんな見方もあるのか」「そうか、こうなっているのか」と思っていただければ、うれしいです。
2月号の原稿は正月休みに書き上げ、編集長に送って、一安心。しかし、編集長からは、「3月号の原稿は、今月末が締め切りです」と、温かい言葉(!)を頂きました。はい。(2011年1月5日)
連載『社会のリスクの変化と行政の役割』3月号原稿を、昨日書き上げて、編集長に送りました。先日、2月号の原稿を渡したばかりなのに、すぐ1か月が経ってしまいます。
2月号から、第4章「政府の役割の変化」に入っています。3月号は、個人の責任と政府の責任を、いろんな角度から解説しました。オリジナルなことはそんなに書いていないのですが、行政学、福祉論、法学、経済学、心理学などのこれまでの知見と、日本の現状・具体例を広い視野から整理しようと試みています。管見では、そのような視点から整理したものが見あたらないので、結構「時間と体力」が必要です。
いろいろと書きたいことが浮かんできて、2月号は第1節だけで分量を超過。3月号も第2節だけで、分量をはるかに超過。第3節は、4月号に先送りしました。2月は28日しかないので、すぐに次の締め切りが来ますね。