カテゴリー別アーカイブ: 社会の見方

国際郵便事情

先日、数枚の文書を封筒に入れ、国際郵便でアメリカのワシントンまで送りました。念のために、書留にしました。便利ですね、配送状況をインターネットで追跡できるのです。

新高円寺駅前郵便局に出したのが1月15日。東京国際郵便局からアメリカに向けて発送されたのが1月16日。アメリカについたのが22日。USJFKAとあるのは、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港のことでしょうか。直ちに税関検査のため税関へ提示され、23日に通関手続きに入りました。
ところが数日経っても、そこから進みません。ようやく、2月18日に配達されました。一月近くかかっています。
この郵便物だけが時間を要したとは思えず、大量の郵便物が滞っていたのでしょうね。

ヨーロッパ、校内スマホ禁止

1月29日の朝日新聞に「欧州、苦肉の校内スマホ禁止 中高で広がる、法制化も議論」が載っていました。
私も、最後に引用した「たばこが特定の年齢や特定の場所でしか喫煙ができないように、スマホについても検討すべき時が来た」との意見に賛成です。お酒、賭博、有害図書などと同様に、未成年の発育を妨げるものは規制すべきです。

・・・ベルギーでは、日本の中学・高校にあたる多くの学校で、スマートフォンを禁止する動きが出ている。欧州各国にも広がり、それに反対するデモまで起きる事態になった。

11~18歳が在籍する、首都ブリュッセルから南西へ約30キロにあるこの学校では、約10年前から先駆的な取り組みとして、学校にいる間のスマホの使用を禁止している。ニコラ・スピルスティンズ校長(48)は「生徒同士の会話の時間が増え、SNSによるトラブルも起きにくい」と説明する。
スピルスティンズ校長ら教師の悩みの種になっているのがSNSだ。
利用者の好みに合わせて投稿が表示される「おすすめ」を見続けることで依存的になったり、同級生らの顔写真を使った「なりすまし画像」の投稿がいじめにつながったりするのだという。「スマホに依存すると、子どもは『孤立』する。校内だけでも使わせないのが一番の解決策だ」とスピルスティンズ校長は指摘する。
校内でのスマホ使用を禁止するとともに、SNSの危険性や影響、なぜ他人の写真を勝手に投稿してはいけないのか、といったことを教える授業も始めた。

一方、スマホの校内での使用を禁止する動きは、各国にも広がっている。ユネスコが2023年に発表した報告書によると、世界の4カ国に1カ国が、学校でのスマホの禁止を法律やガイドラインで定めている。
フランスもその一つで、18年に幼稚園から中学校までを対象に、校内でのスマホの使用を全面的に禁止する法律を定めた。オランダでは「勉強の邪魔になる」として昨年から、小学校から高校を対象に、スマホだけでなく、タブレット端末やスマートウォッチも禁止に。イタリアは昨秋から中学校までを対象に、デジタル教育などの教育目的も含めてスマホを全面的に禁止した。

世界保健機関(WHO)は、若年層のSNS依存を防ぐために、学校でのスマホ禁止は有効との見方を示している。
昨年9月に発表した欧州、中央アジア、カナダの11歳から15歳の約28万人を対象にした調査の報告書によると、全体の11%がSNSの使用を自ら止められない「依存状態」であることがわかった。男子の9%に比べて女子は13%と割合が高かった。
WHO欧州地域事務局のナターシャ・アゾパルディ・ムスカット国別保健政策・システム部長は、「たばこが特定の年齢や特定の場所でしか喫煙ができないように、スマホについても検討すべき時が来た」と指摘し、規制が必要との考えを示した・・・

国鉄からJRへ、38年

1月29日の日経新聞に「国鉄超えたJRの歴史、純利益15倍に 10の数字で解剖」が載っていました。巨額の赤字を生んでいた国鉄が、民営化によってここまで変身しました。
・・・1987年の分割民営化で誕生したJRグループは、2025年1月29日に旧国鉄(日本国有鉄道)の存続日数「1万3818日」を上回る。公営から民間に転身して約37年10カ月、本州3社の純利益は15倍に増えた。歴史的な民営化がもたらした変化を10の数字で解剖する・・・

・2024年度の連結純利益見通しは本州3社で総額7020億円。民営化した1987年度の15倍になりました。
・1965年頃の従業員数は約46万人。現在は7社で約17万人です。

2%成長が10年続くと

日本の国内総生産(DGP)が600兆円を超えたと、内閣府が公表しました。喜ばしいことですが、「ようやくか」との思いがあります。500兆円を超えたのが1992年(504兆円)で、それから32年かかりました。

2月18日の読売新聞1面が、折れ線グラフで示しています。この図は優れものです。「GDP 初の600兆円超 24年 500兆超えから32年 名目2.9%増
・・・名目GDPは、高度経済成長期を経て、1973年に初めて100兆円を超えた。約5年ごとに100兆円ずつ増え、92年には500兆円台を突破。その後はバブル崩壊や低成長で長期間伸び悩んだ・・・
100兆円超えが1973年、200兆円超えが78年、300兆円超えが83年、400兆円超えが88年、500兆円超えが92年と、確かにほぼ5年ごとに100兆円ずつ増えています。もっとも、100兆円から200兆円は2倍、200兆円から300兆円は1.5倍と、伸び率はしだいに低くなっています。

ところで、もし2%成長が続いていたら、10年で(1.02の10乗は)1.2倍、30年で1.8倍になっていたはずです。すると、900兆円です。3%だとすると、10年で1.3倍、30年で2.4倍になります。
1991年から30年間の経済成長外国比較」「経済停滞30年の原因私見2

鎌田浩毅著『大人のための地学の教室』

鎌田浩毅・京大名誉教授が『「地震」と「火山」の国に暮らすあなたに贈る 大人のための地学の教室』(2025年2月、ダイヤモンド社)を出版されました。

宣伝文には、次のように書かれています。
「東日本大震災によって日本列島は地震や火山噴火が頻発する「大地変動の時代」に入った。その中で、地震や津波、噴火で死なずに生き延びるためには「地学」の知識が必要になる。本書は、京都大学名誉教授の著者が授業スタイルの語り口で、地学のエッセンスと生き延びるための知識を明快に伝える」

いつもながら、わかりやすいです。400ページを超える本ですが、1800円(税抜き)です。今時、この値段でこれだけの内容の本は、めったにないでしょう。

後書きに、産業技術総合研究所の地質図が紹介されています。その一部(大分・熊本県境の宮原地域)は、鎌田先生が若き日に実査をして作られたとのこと。縮尺5万分の1の地質図を1枚作るのに、15年間没頭されたのです。