カテゴリーアーカイブ:社会の見方

特別会計余剰金

2008年9月5日   岡本全勝
東大出版会PR誌『UP』9月号に、醍醐聡教授が、「増税なき増収財源としての特別会計余剰金」を書いておられます。これまで「埋蔵金」が議論されてきましたが、それは特別会計の積立金です。教授が書いておられるのは、毎年の余剰金=予算計上したけれど使われなかったお金です。
2006年度の特別会計余剰金は51兆円、そのうち翌年度への繰越が42兆円、積立金が7兆円、一般会計繰り入れが2兆円です。翌年への繰越のうち、歳出見合いでの繰越もありますが、それは5兆円、そのうち確定しているのは2兆円です。すると、それを除く繰越金と積立金が、「利用可能」な金額になります。
詳しくは、原文をお読みください。

無保険の子ども

2008年9月2日   岡本全勝

親が国民保険料を滞納し、保険証を取り上げられると、子どもが無保険の状態になります。お医者さんにかかると、いったん全額自己負担になるので、病院に行かなく・行けなくなります。そのような子供が増えていることが、問題になっています。8月31日の毎日新聞、9月2日の朝日新聞が大きく解説していました。

日本のガバナビリティー

2008年9月2日   岡本全勝
日経新聞2日の夕刊「明日への話題」、小枝至日産自動車相談役の「ガバナビリティーと規制改革」から。
・・日本人は統治能力(ガバナビリティー)が高く、簡単に言えばお上に従順な国民と言われる。この国民性と中央集権的な官僚による国家指導が、第二次大戦後の急速な復興と経済大国になることができた要因の一つと考える。だが、グローバルでの競争力の内容が変化するのに伴い、日本が経済大国として勝ち残るには、この体制の変更が求められている。つまり、国民一人ひとりが自分の頭で考えること、会社で言えばおのおのが独自の戦略をたて自分の責任で実行することが必要である・・

公共事業のあり方

2008年8月31日   岡本全勝
30日の朝日新聞「公貧社会」は、「山砂載せ、さまようダンプ街道」でした。そこに、公共事業の解説があります。
・・社会資本整備の公共事業は、経済の発展段階で重点や中身が異なる。成長の離陸期では、産業活動の中心となる都市部へ人口が流入する中で、大都市圏が中心となる。高度成長期は、発展する都市圏と地方との所得や生活水準の差を縮めるため、地方に重点配分して産業の発展を促す役割。それ以降は、地域間のバランスを維持し、生活の質を高める投資という段階だ。
奥野信宏・中京大教授は「80年代半ばまでは、国民所得を最大にし、地域格差を最小にするという点で、投資の分野や地域はほぼ合理的だった。その後は、円高や製造業の空洞化対策、貿易不均衡是正の内需拡大やバブル崩壊後の景気対策で、基本理念を失った」と話す。
・・特に地方では、道路や工業団地を整えても工場は来なくなり、農業などにたずさわる人も減ったのに、金をばらまくことが目的の所得再分配政策の色合いが濃くなった・・
国と地方の公共事業費が、1980年代後半から大幅に伸び、90年代半ばから減り始め、2000年以降に急減している様子が、図に示されています。現在の総額はピーク時の半分、85年頃と同額です。

景気回復の終わり

2008年8月30日   岡本全勝
29日の日経新聞が、今回の景気回復を解説していました。
2002年2月から約6年間続いた景気回復がとぎれ、後退局面に入ったことが確実になったのです。景気の山(拡大のピーク)と谷(下げ止まりの底)の判定は、内閣府が行いますが、しばらく時間がかかります。谷から山への期間が、回復局面です。
仮に2007年12月が山だったとすると、拡大期間は71か月になり、戦後最長だった「いざなぎ景気」(1965年11月から70年7月)の57か月を上まります。戦後の平均期間は33か月なので、その倍になります。
もっとも、今回の景気回復は、力強くありません。平均実質成長率では2.1%。いざなぎ景気の11.5%や、バブル景気の5.4%に比べ、はるかに低いです。
戦後最長だけれど、実感のない景気回復でした。エコノミストも、どう命名するか悩んでいるようです。
成長寄与度を見ると、輸出が61%に対し、個人消費は38%です。グローバル化で成長したけれど、内需は盛り上がらず、ということです。名目成長率も上がらず、給与が上がらなかったので、個人には実感できませんでした。
しかし、もう、かつてのような大きな成長は、見込めないでしょう。そして、世界経済との関係が、大きくなります。すなわち、世界経済の変動に影響されることと、新興国の経済成長をどう日本が取り込むかです。前者は受動的影響、後者は能動的影響です。