カテゴリーアーカイブ:社会の見方

増税時期を失した日本

2008年8月19日   岡本全勝
16日の読売新聞「失速、最長景気」インタビュー、石弘光元政府税制調査会長の発言から。
・・景気拡大が続いているうちに、消費税を引き上げて財政再建の糸口を作るべきだった。日本経済は(雇用、設備、債務という)3つの過剰を解消し、増税に耐えうるだけの力がついていました。
小泉政権で消費税率引き上げを封印したのは、政治的には正解だったかもしれませんが、マクロ経済的には非常にまずかった。財政の構造改革をしなかった・・

経済成長が解決する問題、低成長が顕在化させる問題

2008年8月13日   岡本全勝
13日の日経新聞経済教室は、大田弘子前経済財政担当大臣の「弱み克服、たゆまぬ成長で」でした。
・・地方経済の低迷や、正規と非正規雇用の格差など、分配をめぐる問題の多くは、実は高度成長期から存在し、これまで覆い隠されてきたものであると、私は考えている・・

人口減少がもたらす可能性

2008年8月12日   岡本全勝
11日の日経新聞経済教室は、西水美恵子さんの「逆境バネに人口減克服」でした。日本の人口減少に関し、将来を悲観的にみる論調が多いが、そうした負の影響を克服した未来を想像し、その実現に何をすべきか考えるべきだという主張です。
第1は、労働者不足に直面した生産者が、一人ひとりの働きぶりを高める努力をし、生産性が高まる可能性です。
第2は、高齢者が活用される可能性、第3は、女性の活躍が広がる可能性です。

地域とICT

2008年8月7日   岡本全勝
遅くなりましたが、今川拓郎さんのインターネット・コラムを紹介します。日経新聞のサイトに載っている「官×学の政策回転ドア」で、8月7日号は「平均点は550満点中80点・地域のICT活用の打開策は何か」です。
・・実は、白書が強調したかったのはランキングではない。むしろ、ICT活用度は画一的に評価することは難しく、地域の実情に応じてICT活用のあり方が異なるということだ。・・条件不利地域(過疎、豪雪)や高齢化地域の市区町村では、平均的にはICTの活用は遅れているが、医療、福祉、地場産業・農業、観光、住民交流といった地域に密接な課題の解決にICT活用の比重が置かれていることが伺える。このような地域では、限られた政策資源のなかで、目的意識の高いICT活用に徹する必要があると考えられる。
・・重要なことは、地域におけるICT活用はそれ自体が独立したテーマではなく、医療・福祉・教育・防犯など、地域が抱える課題と直接結びついていることだ。ICTはあくまでツールであって、これを積極的に導入したとしても、地域の課題解決とリンクしていない限り無駄な投資に終わる。
・・ICT利用には、対面による接触を「代替」する側面と「補完」する側面の双方が存在する。出張する代わりにテレビ会議で用件を済ませるのは「代替」だが、面会のアポ取りで電子メールを送ったり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で知り合ってオフラインで会合を始めたりするのは「補完」である。・・お互いの距離が遠くなるほど移動費用が増し、対面による接触が減ってICTによる接触が増える。これが「代替」による効果である。一方、距離が近くなると移動費用が減り、対面による接触が増えてICTによる接触が減るが、近距離内ではICTによる接触も逆に増加に転じている。これが「補完」による効果である・・
今川さんも、総務省のお役人です。詳しくは、原文をお読みください。

最低賃金

2008年8月5日   岡本全勝
中央最低賃金審議会は5日、地域別の最低賃金(時給)の引き上げ額の目安を15~7円と決めました。読売新聞は、次のように伝えています。
・・生活保護の水準まで最低賃金を引き上げることを目指した改正最低賃金法が7月に施行されたことを受け、生活保護の水準を下回る12都道府県については、目安を上回る引き上げを求めた。・・引き上げ額の目安は例年通り、全都道府県を4ブロックに分けて示された。さらに今年度は、生活保護水準を下回る12都道府県について、生活保護と最低賃金の「乖離額」が初めて提示された。乖離分は原則2年以内、最長5年程度で解消することを求めた。何年で解消するかは各都道府県の審議会に委ねる・・
かつて、このHPで「生活保護が国民としての最低限度の基準とすれば、それを下回る賃金は、憲法違反といえないでしょうか」と書き(2007年9月9日の項)、ドーア先生のコラムに引用してもらいました(2007年10月22日の項)。