カテゴリーアーカイブ:社会の見方

ガソリン税

2007年12月4日   岡本全勝
4日の朝日新聞に、ガソリン税(揮発油税と地方道路税)の暫定税率についての世論調査が出ていました。記事では、1リットル当たり150円の価格の内訳が、わかりやすく図示されています。原価は87.1円です。ガソリン税の本則分が28.7円、暫定税率分が25.1円、合計53.8円乗っています。そのほか消費税などを合わせ、税金が62.9円です。
このうち暫定税率分は、来年3月に期限が来ます。単純に言うと、延長しないと、4月からガソリンが25円程度安くなります。一方、この財源で道路を造っているので、道路財源が減ります。世論調査結果で、暫定税率延長賛成が21%、反対が68%でした。また、大都市と地方で、結果にあまり差がありません。

職場の特徴と変化

2007年12月3日   岡本全勝
日経新聞は3日から1面で、連載「働くニホン、現場発」を始めました。職場での変化を、取り上げるようです。私は、日経新聞のこのような連載や、社会面に連載される「サラリーマンのシリーズ」を重宝しています。
関心を持って読み始めたのは、県の課長になったときです。駆け出しの管理職として、よそ様の実例は勉強になりました。いくつか職員管理の本を読みましたが、そこに書かれている原則とか法則とかいうのは、あまり役に立ちませんでした。「大胆にやれ」と書いてあると思えば、次には「繊細にやれ」と、正反対のことが書いてあります。出世した人の話や成功例も同様です。
それよりは、これら連載の具体事例の話が、参考になりました。どこの世界でも、同じような悩みがあるのだなあと、安心しました。そして、民間の職場はこれら連載にあるように、さらに変化しています。それも勉強になりました。
さらにもう一つ、官庁の職場は変だということにも、気づきました。私が知っている職場は、霞ヶ関と地方自治体で、民間の職場は経験がありません。最初の頃は、公務員の職場の作法が正しいと思っていました。でも、それは天動説でした。だんだん、官庁の方が変だと気づきました。

日本人の評価

2007年11月26日   岡本全勝
23日の読売新聞連載「日本、海外の向こうから」は、イギリスBBC放送とアメリカ・メリーランド大学の世論調査結果で、世界に最も良い影響をもたらしている国は日本とカナダであることを、紹介していました。その理由は、技術力の高さ、マンガなどのポップカルチャーの流行、日本人の海外での行儀良さだそうです。
それに対し、日本人の自己評価は低いのです。「明治以来、西洋に対し劣等感を持ち、自虐的になったから」という分析を載せています。

金融ビッグバン

2007年11月17日   岡本全勝

17日の朝日新聞変転経済は、「金融危機10年」の第4回「96年秋、日本版ビッグバン構想。セーフティネットなかった」でした。金融行政が、護送船団方式から自由化へ大きく改革が進みました。その際には、さまざまな思惑があったこと、また自由化で脱落する金融機関への安全網がなかったこと、そして想定外のアジア通貨危機が起きたことが解説されています。

社会の変化と税制の改革

2007年11月17日   岡本全勝
15日の日経新聞経済教室「税と社会保障、一体改革の方向」は、森信茂樹教授の「効率と公平、両立へ」でした。詳しくは原文を読んでいただくとして、そこでは、諸国の税制改革を二つの潮流に位置づけておられます。一つは、ヒト・モノ・カネの国際化・自由化の下で、高齢化に伴う社会保障費用を賄うためには、税制の中身を効率的で成長志向なものにしていく必要があるというもの。その現れが、所得税法人税を下げ、消費税に置き換える動きです。もう一つは、税制の効率化に伴う所得再分配機能低下への対応としての、税と社会保障の一体的設計です。具体的には、低所得者に対する減税と、減税しきれない場合は還付(社会保障給付)するのです。
このような議論は、経済財政諮問会議(11月8日)でもなされています。課題として、次の三つを挙げています。1つは、グローバル化の中での生産性向上・成長力強化です。2つめは、世代間の公平です。3つめは、社会保障財源の確保です。
私は、税制改革の課題を、次のように考えています。
1 大きな条件変化として、まず、国際化、高齢化、成長力低下を挙げましょう。国際化によって、日本独自の税制は困難になります。代表例が、所得税(個人所得課税)と法人税(法人所得課税)です。「大企業や金持ちからたくさん税金を取れ」というのは応能原則ですが、あまりに高くすると、その人たちや企業はより低い税率の国に逃げてしまいます。よって、国際的な水準とかけ離れた課税はできません。
高齢化と成長力低下は、社会保障費の増大を招く一方で、それに見合った税金が確保できません。増税が必要なのです。
2 2つめに、日本独自の問題があります。
このHPで何度も繰り返していますが、日本は、国民に本格的増税を問うたことがないのです。これが、必要な増税を遅らせ、国債を積み上げています。一方で、年金や高齢者医療は充実し、現役世代・将来世代への重い負担になっています。世代間に大きな不公平が生じています。私はこれを「究極の幼児虐待」と呼んでいます。
3 大きな課題の3つめに、どのような社会を目指すのか、という課題があります。
例えば、配偶者控除です。サラリーマンは、奥さんがいると税金を安くしてもらえます。しかし、これは働いている奥さんには、不公平な税制です。これまでは、妻は家庭を守るという通念で、このような税制ができたのでしょう。しかし、今や社会の実態に合っていません。また、減税しきれない低所得者に還付するというのは、税制を使った社会保障です。
こうしてみると、税制とは政治そのものであることがよくわかります。財政学の教科書では、公平だとか、応能負担・応益負担などの原則が、語られています。それらはもちろん必要ですが、社会の変化に対して税制も、昔のままではあり得ないのです。社会の変化に対し、税制の改革は遅れていると思います。