カテゴリーアーカイブ:社会の見方

繰り返される金融危機・市場経済に内在する不確実性

2008年6月28日   岡本全勝
26日の日経新聞経済教室は、奥村洋彦教授の「繰り返される金融危機。不確実性の分析、不可欠」でした。不確実性が高まったと言われますが、金融危機は今に始まったことではありません。1970年代以降でも、イギリスでの中小金融機関の経営危機、日本や北欧のバブル経済、アジア通貨危機、アメリカでのS&L(貯蓄金融機関)問題、ヘッジファンドLTCMの破綻、ニューエコノミー・バブル、そしてサブプライムローン・バブルと続き、むしろ常時生み出されるものと指摘しておられます。
人間が経済活動を行う以上、バブルの発生と崩壊は不可避との考えがあります。ケインズらは、現在の経済行動は人々が将来をどう予測するかにかかっていること、将来の「場」は現在や過去の「場」とは異なるので、何が起きるかを客観的な確率で予想できず、主観的な確率に頼らざるを得ないことなどを理由に、経済システムには不確実性が内在していると考えました。さらに、客観確立のある場合をリスクとし、ない場合を不確実性と区別しました。
どうして、バブルはいつか崩壊するとわかっていながら、失敗するのか。詳しくは、原文をお読みください。

骨太の方針2008

2008年6月27日   岡本全勝
今日27日に経済財政諮問会議で、「経済財政改革の基本方針2008」(骨太の方針2008)が答申され、直ちに閣議決定されました。
今年のポイントの一つは、「骨太の方針2006」で決めた歳出歳入一体改革を堅持することです。これについては、各紙が報道しているように、「歳出削減は限界だ」「新たな歳出要素が出てきて、この原則は守れない」との大きな声が、各省や与党からありました。この点については、大田大臣の記者会見をご覧ください。
もう一つは、低炭素社会の構築が、柱として立ったことだと思います。そのほか、道路財源の一般財源化など、これまでに決まったことも、含まれています。

基礎年金消費税方式

2008年6月25日   岡本全勝
25日の日経新聞経済教室は、八代尚宏先生の「未納こそ年金財政のカギ。税方式で真の皆年金、保険料は厚労省の目的税」でした。
未納の実質放置は、国民皆年金の放棄に等しいこと。税方式は、未納問題がなくなること。社会保障国民会議の年金財源試算には、あり得ないケースも含まれていること。年金の税方式化は、全体では負担増にならないことを主張しておられます。私は、先生の主張に賛成です。

車減少社会の到来

2008年6月22日   岡本全勝
日経新聞が19日から、「縮むクルマ経済」を連載していました。主要先進国で初めて、日本の自動車保有台数が減り始めました。当然、予測されたことですが。少子高齢化に、若者の車離れ、ガソリン高が追い打ちをかけました。それは、自動車業界だけでなく、ロードサイド型の小売業・飲食店・娯楽産業に、モデルの転換を迫ります。これについては、連載を読んでください。
さらに、道路建設をはじめとする公共事業や、公共交通とまちづくりの哲学も、これまでの方向を変える必要があります。コンパクトシティーは、その一つの考えです。産業界は市場経済が淘汰してくれますが、公共事業やまちづくりは、政治と国民が考えを変えないと、方向転換できません。

年金財政改革

2008年6月16日   岡本全勝
16日の朝日・読売・日経3紙に、「どうする年金、3社で座談会」が載っていました。今年になってから、日経が税方式を主張したのに対し、朝日・読売が保険料方式の修正案を主張しています。この座談会は、3紙の論説委員らが、3社の主張を議論したのです。
政府の案を批判するだけでなく、改革案を提言することは、私はとても良いことだと思います。「新聞社は自説を主張してはいけない」という意見もあるそうですが、社説では毎日、自説を主張しています。それなら、批判より建設的な提言の方が意味があります。年金財政に限らず、いろんなテーマでやって欲しいです。
大林尚記者は、大活躍ですね。