カテゴリーアーカイブ:社会の見方

中国、文化大革命

2019年8月26日   岡本全勝

8月24日の朝日新聞オピニオン欄は、歴史学者・米シカゴ大学講師である王友琴さん、文化大革命についての「絡み合う、被害と加害」でした。
・・・中国社会を大混乱に陥れた文化大革命の終結から43年。中国の人々はいまだにその傷痕を癒やすことができていない。1千万人にも上るとされる、その犠牲者一人ひとりの記録を独自に調査している米国在住の中国人学者がいる。見えてくるのは絡み合う「被害」と「加害」。私たちは歴史の記憶にどう向き合うべきなのか・・・

・・・文革が終わって大学入試が再開され、北京大学の中国文学部に合格します。そして徐々に文革でいったい何が起きたのかを調べ始めました。なぜですか。
「私の調べた北京の学校10校で1966年8月だけで校長3人と教師3人が迫害によって亡くなりました。しかし、校史には何の記載もありません。政府の発表にも被害者の細かな史実はありません。でも、そんなのはおかしい。死者には一人ひとり、名前がある。当時、必ず誰かが見聞きしていたはずです。単なる数字ではなく、すべての死者が尊重されるべきではないでしょうか。そのためにはまず、すべての死が記録されなければならない。そう思いました」・・・

・・・「南京大虐殺を調べる学者は支持され、募金の呼びかけもあるのに、文革を調べる学者は調査をやめろと言われる。同じように中国人の死について調べているのにですよ。ダブルスタンダードと言われても仕方ないですよね。すべての歴史に対し、事実は事実として認めるべきだと思います」・・・

・・・2013年ごろ、中国で当時の紅衛兵が自らの行為を謝罪する動きが出ました。これまでになかった文革での「加害」への自意識です。どう受け止めましたか。
「外相などを歴任した陳毅の息子の謝罪のことですね。彼は紅衛兵として文革時に自分が教師を批判したことを謝罪した。それ自体はいいことですが、詳細については語っていません」
「きちんと事実に向き合わない人も多い。例えば、私の学校の紅衛兵の『親玉』として有名だった女性は『副校長を守れなかった』ことにおわびをしました。でも、それは違う。直接に手を下したかどうかは別として、そうした状態をつくるのに彼女たちは関与したのではなかったのか」・・・

文化大革命は1966年から1976年です。私でも小学生~大学生の時代ですから、いまの若い人は分からないでしょうね。
当初は実態が分からず、その名前通りに受け取った人が多かったようです。実態は、毛沢東とその取り巻きによる権力奪還闘争、それも国民を大々的に巻き込んでの闘争だったようです。まずは、名称を変えないと、誤解は一人歩きします。

中国と中国共産党が、詳しい検証を公表していない、させないので、国民にとってもよく分からないままでしょう。
国家が歴史の解釈を独占することの怖さが、わかります。研究や報道を規制するということは、それだけ権力にとって「都合が悪いこと」なのでしょう。また、それだけ権力は「弱い」のでしょう(強くて心配ないことなら、規制はしないでしょう)。逆に、自由主義、民主主義の「強さ」が分かります。

歴史を動かす要素

2019年8月25日   岡本全勝

ウィル・デュラント、アリエル・デュラント著『歴史の大局を見渡す』 (2017年、パンローリング)を本屋で見つけて、読みました。

アメリカの歴史家による、エッセイだそうです。歴史を大局的に見渡します。
そこには、歴史が何によって形作られるかの思索が綴られています。
人の性質、モラル、宗教、経済学、社会主義、政治、戦争といった要素と、発展と衰退、進歩といった見方が述べられています。

著者は、「哲学について全体像の感知、すなわち物事を「sub specie totius」(全的相の下に)見るものと考えた」(ウィキペディア)とのことです。
なるほど。
学問の世界は、社会科学も自然科学も、細かく分けて分析する流れにあるようです。しかし、それらを全体に見る見方、あるいは横串にした見方も欲しいです。

ただし、残念ながら、エッセイに終わっているようです。私なら、どのような要素を取り上げ、どのように記述するかなどを少し考えながら、読みました。
学問的に、このような大局観で歴史を分析したものはないですかね。それとも、歴史とは、簡単なものではなく、そのような大局的分析にはなじまないのでしょうか。

ところで、翻訳には、原著の出版年や解説がついていません。この本が、どのような位置づけにあるのかわかりません。少々不親切ですね。

アメリカ経済界、株主第一主義を見直し

2019年8月24日   岡本全勝

アメリカの経営者団体が、株主第一主義を見直すそうです。8月20日の日経新聞夕刊「米経済界「株主第一」見直し、従業員配慮を宣言」。8月21日の日経新聞「米企業「株主第一」に転機 背景に社会の分断」。

・・・米主要企業の経営者団体、ビジネス・ラウンドテーブルは19日、「株主第一主義」を見直し、従業員や地域社会などの利益を尊重した事業運営に取り組むと宣言した。株価上昇や配当増加など投資家の利益を優先してきた米国型の資本主義にとって大きな転換点となる。米国では所得格差の拡大で、大企業にも批判の矛先が向かっており、行動原則の修正を迫られた形だ・・・

新しく掲げた全利害関係者への約束では、1顧客、2従業員、3取引先、4地域社会、5株主となっています。
株主は5番目です。1から4番目も納得します。
というか、これまでの「株主第一」がおかしかったですよね。CSR(企業の社会的責任)を突き詰めれば、今回提示されたような関係者が、重要なものとして出てくるはずです。

日本文になじまない英語とカタカナ語

2019年8月21日   岡本全勝

朝日新聞1面下に、「しつもん!ドラえもん」という欄があります。小学生向けでしょうか。
8月20日は、コンピューター編で「コンピューターの頭脳(ずのう)の中心(ちゅうしん)で、情報(じょうほう)を処理(しょり)したり計算(けいさん)したりする電子回路(でんしかいろ)をなんていう?」でした。
答えは、CPU(中央演算処理装置・ちゅうおうえんざんしょりそうち)です。

小学生には少々難しい、と思う問いですが。ここで取り上げるのは、CPUという言葉です。これを見ただけでは、何のことかわかりませんよね。中央演算処理装置という言葉だと、正確にはわからなくても、何かしら理解ができますよね。
むやみに英語やカタカナ語を使うのは、困ります。
先日も、ピクトグラムという表現がありましたが、多くの人にとって???でしょう。「絵文字」といえば通じるのに。

データ量、エクサバイト、ゼタバイト

2019年8月20日   岡本全勝

8月15日の読売新聞解説欄「データ爆発時代に生きる」に、データの量を量る単位が載っていました。1単位は、バイト(B)です(もっとも、一番小さな単位はビットで、1バイトは8ビットです)。忘れないように、引用しておきます。

1000バイト=1キロバイトKB 400字詰め原稿(0.8KB)
1000キロバイト=1メガバイトMB=100万バイト シェークスピア全著作(5MB)
1000メガバイト=1ギガバイトGB=10億バイト CD(0.7GB)
1000ギガバイト=1テラバイトTB=1兆バイト ノートパソコンのハードディスク(1TB)
1000テラバイト=1ペタバイトPB=1000兆バイト 3D映画アバターに使われた記憶装置(1PB)
1000ペタバイト=1エクサバイトEB=100京バイト 巨大IT企業が保管しているデータ量
1000エクサバイト=1ゼタバイトZB=10垓バイト 地球をすっぽり覆う1ミリ方眼紙のマス目すべてに全角文字を書いたデータ量