カテゴリーアーカイブ:社会の見方

薄れゆく方言

2020年5月6日   岡本全勝

関係者の方は、気を悪くしないでください。
NHKニュースなどを見ていて、「おや?」と思うときがあります。現地の人が、街頭で質問に答えているときです。

私が30年以上前に鹿児島で暮らしていたときは、会話に苦労しました。単語が異なる以上にアクセントが違って、聞き取りにくかったのです。何度も聞き直したり、「こういうことやね」と確認していました。
3か月くらい経ったときに、職員から「課長、もう鹿児島弁に慣れてください」といった趣旨の内容を、鹿児島弁でしかられました。

ところが最近、テレビで鹿児島の人が、東京言葉でしゃべっていることが多いです。沖縄の人も、私がかつて知っている沖縄方言とは違う言葉を話しています。それを聞く度に、「違うで」と(もちろん関西弁で)テレビに向かってつぶやいています。

NHKの番組「チコちゃんに叱られる」、チコちゃんの関西弁はうれしいのですが、叱るときに「ボーっと生きてんじゃねーよ」と東京弁になるのですよね。
河内弁で「ボーっと生きてたらアカンど」は少々きついので、「ボーっと生きてたらあかんで」が良いと思うのですが。(ええと思うわ)。この項、続きまっせ

子どもの夜ふかし

2020年5月3日   岡本全勝

4月29日の朝日新聞オピニオン欄、西野精治・スタンフォード大学教授の「子どもの夜ふかし 家族みんなで見直す機会に」から。

・・・日本の子どもの睡眠時間は年々短くなり、どの統計でも大人の睡眠時間と同様に、世界でワースト1~2位です。欧米では、すでに「危険域」と見なされる範囲です。新型コロナウイルスの感染拡大で休校が続き、外出や運動も制限されています。私の暮らす米国では、家族ぐるみで子どもの生活習慣を整えようとする取り組みがみられますが、日本の子どもたちは、どうでしょうか。
ふだんから日本では、夜の10時、11時に幼児を連れ歩いている親をしばしば見かけます。欧米では見られない光景です。夜ふかしが日常的な家庭環境で育った子どもは、親の生活パターンに引きずられて夜型の生活習慣を身につけて、睡眠不足が常態化しています。それが、負債として蓄積し、体内時計の混乱を招き、睡眠障害の原因にもなります。

発達段階にある子どもの睡眠は、大人以上に大切です・・・人間は、特に脳が未熟な状態で生まれてくるので、新生児は1日合計16時間くらい眠り、睡眠パターンも大人とは違う。脳が活性化する「レム睡眠」が多く、深い眠りの「ノンレム睡眠」が睡眠の時期にかかわらず出現する。脳の発達には、それがとても大切です。睡眠パターンが大人並みになるのは、だいたい12歳ぐらいになってからです。

発達過程の脳では、刺激に応じて神経回路の形成、除去を繰り返し、成熟した脳での最適な情報処理システムをつくり上げていきます。最近の研究により、こういう発育期の脳の形成にとって、睡眠が非常に重要だということがわかってきました。
昼間の眠気が強いと、イライラし、キレやすくなり、授業中にちゃんと席についていられず、先生の言うことを理解できないこともあります。やる気が低下し、倦怠(けんたい)感や身体症状も出て、「慢性疲労症候群」を発症したり、不登校の原因になったりすることもあります。逆に睡眠時無呼吸症候群などの治療をしたら、ADHD(注意欠陥多動性障害)と見られていた症状が改善したという症例も報告されています・・・

原文をお読みください。

内部告発

2020年4月30日   岡本全勝

朝日新聞夕刊が、4月20日から「内部告発の行方」を連載しました。
取り上げられた事例は、アパート建設・賃貸大手会社の施工不備、建築基準法違反。大手遊技機メーカーや内視鏡製造会社の不正会計処理。補助金を受けて建設したサービス付き高齢者向け住宅の目的外使用。郵便局の公職選挙法違反などです。
内部告発制度が、機能していることがわかります。

ところが、この記事が明らかにしているように、内部通報した人は、会社からひどい仕打ちを受けています。
生々しい実態が載っています。会社から、逆に糾弾されるとか。その後、告発者の方が正しいとわかった後、会社は取材に応じません。
内部告発者は、法律で守られているのですが。それを実質的にしないと、勇気と正義感だけでは、なかなかできることではありません。

行動制限を法律で行う国とお願いでする国

2020年4月28日   岡本全勝

4月27日の読売新聞文化欄、武田徹・専修大学教授の「総力戦 自粛で結集する日本式」から。
・・・総力戦とは軍人だけでなく、一般市民が兵器生産工場での労働に徴用されるなど、全国民を戦争に動員する体制のこと。第一次世界大戦時に欧州諸国で採用された。1938年に国家総動員法が成立した日本も日中戦争、第二次世界大戦を総力戦体制で戦った。
こうした総力戦体制はその後どうなったか。たとえば第二次大戦後の西ドイツでは非常時に私権の制限も含めた迅速な対応を連邦政府に認める基本法改正を1968年に実施したが、この改正では行政府の暴走を防ぐ歯止めや市民の抵抗権も同時に盛り込まれた。このように欧州の自由主義国は非常時の強権発動を民主主義の枠組みの中に位置づける努力をしてきた。
今回、その成果が新型コロナウイルス感染症対策で発揮される。欧米諸国は緊急事態宣言を発し、都市封鎖などを実施した。ドイツではメルケル首相が演説で国民の理解を求め、強い私権制約を含む対応がスムーズに受け入れられた。

その点、日本は違った。戦後、国家総動員法は廃止されたが、日本人は一丸となって戦災復興や高度経済成長を実現した。法に基づく強制から同調圧力を伴う自発的行動の誘発へと動員方法は変わったが、総力戦体制に通じる結集力を日常的に維持したところが戦後日本の強みとなってきた。
しかし新型コロナ感染症への対応では逆にその弱さが露呈する。日本では緊急事態宣言を出した後も強制よりも自発的行動に期待する、まさに日本式総力戦体制で感染症と戦おうとした。だが、気が緩むと自粛ムードが一気に萎しぼむなど感染防止がうまく進まない・・・

4月25日の朝日新聞オピニオン欄「自粛要請の落とし穴」山崎望・駒澤大教授の発言から。
・・・日本では、緊急事態宣言を出したものの、自粛要請にとどまっている。私権の制限という点では限定的ですが、問題がないとは言えません。
「3密の場所には行かないで」といった要請は、一見、穏当に見えます。しかし、責任の主体が政府ではなく、個人に帰せられている。「個人が勝手に自粛し、責任を負う」図式で、政府は責任を取らない。これは、新自由主義的な自己責任論の典型です・・・

・・・その結果、自分や他人の責任を問い合う、監視社会のようになりつつあります。みんなで社会のルールを決めるという民主主義の原理ではなく、「自分勝手なことをするな」という道徳的な感情が前に出てきてしまっている・・・
原文をお読みください。

インターネットを使い、子育ての悩みに答える

2020年4月27日   岡本全勝

4月22日の日経新聞「挑戦者たち」は、アジアン・ペアレント・グループCEOのロシュニ・マタニ・チョンさんの「子育ての悩み アプリが寄り添う」でした。シンガポールに住み、東南アジア最大の子育て支援サイト「アジアン・ペアレント」を立ち上げ、運営しています。
近代化と西洋化で、子育ての方法や意識が変化し、親に教わった子育ての仕方が通用しなくなっています。不安な新米パパとママを、支援する仕組みです。

・・・私たちのアプリは子育て中の親にとって百科事典のようなもの。サイトを訪れれば全ての課題が解決できるので、同じ悩みを持ち続ける必要がなくなる・・・
・・・起業のきっかけは米国での経験だ。大学卒業後、白人の家庭でベビーシッターのアルバイトをした。驚いたのが、しつけの方法だ。子供が悪いことをすると親は「もっと良いやり方はないかな」と諭していた。「そんなことやめなさい」と怒られた自らとは全く違った。

「西洋では子供にも内省させる。罰を与えるアジアのしつけとは違う」。華人系が7割を超えるシンガポールで、インド系として少数派意識を持ちながら育ったマタニは「自分がアジア人であることを実感した」。
マタニの驚きはアジアの親たちの戸惑いに通じる。自分が育てられた時代より豊かになり、欧米から入った自由や自主性を尊ぶ気風も高まった。隣近所の親類から聞く伝統的で画一的な子育ては現実とかみ合わない。では、どうしたらよいのか。マタニのアプリはそんな親たちが疑問や悩みをぶつけ、情報を得ながら自らの子育てを考える新しい舞台を提供している。

妊娠中の服装や環境といった身近な疑問に答えるほか、欧米の子育ての研究を各国語に翻訳して解説する。利用者同士で助言し合うこともできる。利用者は無料で、サイト上の広告や利用者を対象とした調査データの外販で稼ぐ事業モデルだ・・・