カテゴリーアーカイブ:社会の見方

ゴルバチョフ大統領の役割

2022年7月17日   岡本全勝

6月23日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」亀山郁夫・名古屋外国語大学学長の「教養なくして人動かず」から。亀山さんはロシア文学者です。

――現代において外国語を学ぶ意義を教えてください。
「私たちが判断に迷わず、嘘か真実かを見分ける能力を身に付けるためにも、外国語・外国文化の学びは不可欠です。将来的には英語に加えてもう一言語という能力が求められると思います。どれほどの高性能の自動翻訳機も、胸の中の外国語ほどの価値はありません。自動翻訳機では文化を知ることができないからです。文化を知るとは、歴史を知り、歴史の根底に潜むメンタリティーのコアを把握することです。言語を学ぶことなしには絶対に理解できない精神性、異なるメンタリティーというものがあるのです」

「世界は単一的なグローバル化の流れの中で順調に進んでいるように見えるが、それとは関係ない個々のうめきが世界中にあふれていることを知らなければいけません。それを知るのが外国語学です。日本に何十万人という学生がいるなら、何百人かは、一人ひとりがひとつの国の運命を見守っていくことが必要じゃないでしょうか。私がロシアを見守るなら、ある学生はカンボジアかもしれない。それが全部アメリカと英語の勉強で終わってしまうのは悲しむべきことです」

――ロシアの歴史上の人物で、模範となるリーダーはいますか。
「ゴルバチョフ元ソ連大統領です。彼には国民の良識を信じるオプチミズムがあった。ゴルバチョフはソ連を崩壊させましたが、本当はその役割は他の人に任せて、その後の国づくりのところで登場すべきだった。彼はヨーロッパの家という思想を持っていて、ヨーロッパの中にあるべきロシアを位置づけしようとしていた。そうすれば歴史はいまと違っていたかもしれません」

変な人たち、男性社員編

2022年7月11日   岡本全勝

今回もまた、このホームページで定番のお話しです。

電車の中や駅で、変なおじさんやお兄さんを見かけます。この夏は例年にまして暑いです。なのに、黒や紺の背広上下を着て、汗をかいている人です。
暑い夏に、黒の背広はやめませんか。上着を着たいなら、もっと涼しいのがあるでしょう。あるいは、上着をやめてシャツだけにしませんか。ネクタイは締めないのだし(中には、ネクタイをしている人がおられますが、何か事情があるのでしょうね)。

私は夏は、薄い青色やネズミ色系の上着にしています。シャツは青の縦縞模様が多いです。ボタンダウンで、ネクタイをしません。
後輩たちが黒の背広で来たら、「君たちが貧乏でスーツをたくさん持っていないことは分かるけど、夏に黒はやめてくれ。夏用の上着を持っていないなら、黒の上着を着てくるなよ」(笑い)と忠告します。

女性がさまざまなおしゃれをしているのに、男の人はなぜこんな暑い格好をしているのですかね。「熱帯地方」の日本に、黒の背広上下は罪です。

気配り破壊器

2022年7月10日   岡本全勝

変な人たち、地下鉄編」の続きにもなります。
混み合った車両に、無言で人を押しのけて乗ってくる人。その多くは、スマホを操作しながら、前の人に声をかけることなく、乗り込んできます。周囲の人に気配りができない人たちです。そんなに、スマホが重要なのですかね。それとも押し入る際に、ばつが悪くスマホを見ているのですかね。
周囲を見渡して、混雑した場所を避ける、通路を確保することはできませんか。混み合っているときは一声かける、「お願いします」とか。

私は、スマホを「猫背・近眼製造器」「脳力低下装置」「時間泥棒」と呼んでいますが、「周りが見えない人製造器」「気配り破壊器」という名称も加えましょう。
新技術は、悪いことも普及させます。「スマホ使用による脳の低下」「現代社会の時間泥棒」「テレビとスマホ、低俗?の程度」「スマホの副作用

SDGs、うさんくさい

2022年7月10日   岡本全勝

6月19日の朝日新聞オピニオン欄「SDGs、うさんくさい?」から。
・・・「持続可能な開発目標」と訳されるSDGs(エスディージーズ)。見聞きすることが増え、学校でも教えられています。ところが、目標が多岐にわたって分かりにくいうえ、我田引水も目立って、「うさんくさい」との指摘も出ています・・・として、アンケート結果が載っています。
「関係する記事や番組が増え、企業がこぞって貢献をうたうSDGsですが、なんだか「うさんくさい」と感じたことがありますか」という問に、281人中163人が「はい」と答えています。

斎藤幸平・東京大学大学院准教授の発言から
・・・アンケートで、SDGsの理念が薄められてしまっている、と危機感を抱いている人が多いことに驚きました。私がSDGsを「大衆のアヘン」と指摘したのは、マイバッグやマイボトルといった小手先の行動は資本主義が内包する根本的な問題から目をそらす役割をするのでは、と警鐘を鳴らすためだったからです・・・
・・・まず必要なのは、資本主義の過剰さを見つめ直すことです。年中無休や24時間営業、翌日配送、洋服や食べ物の大量生産と大量廃棄。終わりなき競争とそれに伴う環境負荷。こんなことを続けていて、私たちは幸せになるのでしょうか。科学技術の恩恵を「速く多く作る」ために使うのではなく、働く時間を減らして、趣味や社会貢献の時間、友人や家族と過ごす時間を増やすために向ける方がいいのではないでしょうか。
SDGsの危うさは、「金持ちの道楽」になりかねない点です。電気自動車を買えばいい、という話ではなく、そもそも車を買えない人もいる。一部の人たちの「頑張って良かった」で終わることのないよう、格差の問題に切り込む平等志向の社会ビジョンが必要です。世界的には、過去の植民地支配に起因する途上国の状況を改善しないといけません。
言葉はブームなのに、参院選の争点になっていないことも象徴的です・・・

私は、日本語に訳さず「SDGs」とそのまま使うことで、この言葉をうさんくさく思っています。多くの人に分かってもらい参加してもらうなら、中学生でも分かる言葉にしてください。「持続可能目標」ではいけないのですか。この点でも、「消費される言葉」と思えます。

低賃金の日本

2022年7月9日   岡本全勝

6月28日の朝日新聞は「日本経済の現在値」で、「世界と比べ下落33位、ビッグマック価格」を伝えていました。
・・・英経済誌「エコノミスト」の調査によれば、今年1月時点の日本のビッグマックの価格は390円で、57カ国中33位。10年前の320円と比べて21%高くなったが、タイや中国はそれを上回り、各64%、58%(各国通貨建て)も上昇。2000年に5位だった日本の順位は下がる傾向にある。ビッグマックの価格は各国の物価や購買力を測る参考値にすぎないものの、日本の物価水準がどんどん下がっていることは間違いなさそうだ。
なぜ、世界との違いが出たのか。1990年代初頭にバブルが崩壊した後、日本の経済が「日本病」と呼ばれるほどの長期停滞に陥ったためだ。消費の低迷で企業が商品やサービスの価格を上げられず、働き手の賃金も上がらないことで、さらに消費が停滞する悪循環に陥った・・・

記事には、国別の価格と、日本の2000年(当時は5位)からの順位が、図表になって載っています。「このような国にも抜かれたのか」と思います。しかし、これが事実です。

6月30日の日経新聞は、「韓国の最低賃金5%増 時給約1000円、日本の大都市並み」を伝えていました。
・・・韓国の2023年の最低賃金が22年比5.0%増の9620ウォン(約1010円、時給ベース)に決まった。伸び率は前年水準を維持し、10年前と比べて98%増となった。韓国の最低賃金は全国一律で、円換算では東京都(1041円)や大阪府(992円)など日本の大都市圏水準となる・・・