カテゴリー別アーカイブ: 歴史

「先の大戦」、内容と名称

10月2日の日経新聞夕刊、斉藤徹弥・編集委員の「「新しい戦前」に必要な思考 多面的で柔軟な外交が重要」に次のような話が載っています。

・・・筑波大学名誉教授で国立公文書館アジア歴史資料センター長の波多野澄雄さんは「先の大戦は4つの異なる戦争が重なったものだ」とみています。
まず日中戦争です。1937年から45年まで戦った一番長い戦争です。2つ目は日米戦争で、太平洋を舞台に多くの犠牲者を出しました。3つ目が東南アジアでの日英戦争です。フランスやオランダを入れてもよいでしょうが、東南アジアの独立に影響を及ぼしました。最後が45年8月から1カ月弱の日ソ戦争です。

先の大戦は、多大な犠牲を払い、あらゆる人に影響を与えました。その教訓も多岐にわたり、理解するのは容易ではありません。このように戦争を4つに分けて考えれば、それぞれの戦争の目的や被害、残した負の遺産などを考えやすくなるでしょう。戦争を多面的にみることができるようになるかもしれません・・・

4つに分けるのは、わかりやすいです。
では、全体を何と呼ぶか。「先の大戦」と呼びますが、悩ましいです。「第二次世界大戦」は日本がアジアで行った戦争だけでなく、ヨーロッパでの戦争を含みます。
当時の日本政府は1941年(昭和16年)に始まった戦争を「大東亜戦争」と呼び、その前に始まった日中戦争は「支那事変」と呼んでいたようです。戦後は「太平洋戦争」が使われるようになりましたが、これは対米戦争を表す言葉でしょう。

永遠の都ローマ展

先日、キョーコさんのお供をして、東京都美術館の「永遠の都ローマ展」に行ってきました。展示されている彫刻などは素晴らしく(複製もありますが彫刻の場合は、鑑賞するには問題ないですね)、なかなかのものでした。
目玉であるカピトリーノのヴィーナスのほか、カピトリーノの牝狼(歴史の教科書に出てきます)、コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(写真で見たことはありますが、こんなに大きかったのですね)・・・。

もっとも、「永遠の都ローマ展」と銘打っていますが、カピトリーノ美術館展という方が正確でしょう。古代ローマから近世までの歴史をたどったもの、全貌を紹介する展示ではありません。
中世の教皇や貴族たちが集めた古代ローマの美術品。ローマ教会にとっては異教の品々です。それに気がついて教皇が手放して、ローマ市に寄贈したのが、美術館の起源のようです。ともあれ、現代に伝わったことはよかったです。ヴィーナス像は、地中に隠され、ずっと後になって掘り起こされたとのこと。だから、保存されたのですね。

見た後は、いつものように美術館の食堂で昼ご飯を食べました。ゆったりとした気分で、心地よい時間でした。室内を見渡すと、ほぼ満席。
で、男性は1割ほどで、残りは女性客です。お店の従業員に「男性客はこんなに少ないのですか」と聞いたら、「ええ」と笑っておられました。

フリーランスの語源

9月13日の朝日新聞文化欄「牟田都子の落ち穂拾い」「肩書ひとつに宿る自分」に、フリーランスの語源が載っていました。
「中世ヨーロッパで、主君を持たず自由契約によって諸侯に雇われた騎士」で、ランス(lance)は騎士の持つ槍です。
なるほど。

日本では、「包丁一本 さらしに巻いて 旅に出るのも 板場の修行~」ですかね。この歌は、藤島桓夫さんの「月の法善寺横町」ですが、若い人は知らないでしょうか。

二つの東京オリンピック

9月8日の朝日新聞夕刊、來田享子・中京大教授・日本オリンピック委員会理事の「研究してきた五輪、どう変える」から。

「1964年の東京大会が日本の国際社会への復帰を象徴する出来事であったのに比べ、21年の大会は国際社会に立ち遅れている日本を象徴する祭典でした。昭和の高度経済成長期を回顧し、21世紀に入っても、その郷愁を核にした幻影を追い求める感覚が随所にみられたのは、残念でした」

具体例で挙げるのが、16年リオデジャネイロ五輪の閉会式。次回の開催都市である東京に引き継ぐ「フラッグハンドオーバーセレモニー」で当時の安倍晋三首相が人気ゲームのキャラクターに扮して登場した。64年大会で生まれた東京五輪音頭のリメイク版もいかにも焼き直しに感じたという。
「新しい時代の扉を開こうとする感性の欠如に加え、若い世代の倫理観にもとづいて物事を進める意識が乏しかった」

なぜ、そんな風になってしまったのか、についての考察は明快だ。
「上意下達的な組織、そして時代を的確にとらえるリーダーの不在です。組織のガバナンスやコンプライアンスの国際基準、時代や社会の変化に伴って変わるオリパラの理念をつかめていませんでした」

外国人が好きなコンビニエンスストア

9月8日の日経新聞に、中村直文・編集委員の「訪日客は何しにコンビニへ? 「うまい」日本を再発見」が載っていました。

・・・日本のどこへ行っても外国人であふれかえっている。東京や大阪、京都などはもちろん、地方都市でもインバウンド(訪日外国人)が目立つ。彼らが決まって利用するのがコンビニエンスストアだ。目を輝かせながら品定めする外国人を見ると、なぜか誇らしげな気持ちになる・・・

詳しくは、本文を読んでいただくとして。
コンビニで売れているのは、菓子類(駄菓子は日本独特と聞いたことがあります)、サンドイッチ(日本のような柔らかいパンのは、海外にはあまりないのだそうです)。

外国人が驚いたものに、次の3つが上げられています。
・温水洗浄便座や排便音を隠す機能を備えたトイレ
・真ん中で割ると手を汚さずにジャムなどが塗れる容器
・エレベーターで行き先階を間違えたとき「ダブルクリック」で取り消せるボタン