カテゴリーアーカイブ:生き様

カンボジアPKOから30年

2023年5月12日   岡本全勝

5月3日の日経新聞が、「PKO犠牲30年で慰霊式 カンボジア殉職の高田警視」を伝えていました。
・・・国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の文民警察官として派遣され、国連平和維持活動(PKO)に従事した岡山県警警視の高田晴行さん(当時33)が1993年に殉職してから4日で30年になるのに合わせ、在カンボジア日本大使館関係者らによる「慰霊の集い」が2日、首都プノンペンで開かれた・・・

私にとっても、忘れることのできない出来事です。「柳井俊二さん、カンボジアPKO」「当時の写真
帰国したあとも、緊張が続きました。12日早朝、成田空港に到着して、村田大臣はパトカーの先導で首相官邸に急ぎ、宮沢総理と河野官房長官に報告しました。赤信号の交差点にサイレンを鳴らして入り、助手席の警護官が身を乗り出してほかの車を制止するという経験をしました。

12日には、地方交付税法質疑の参議院本会議が開かれました。本題ではないカンボジア出張の件が質問されました。これは、事前に質問通告があったので用意された答弁案に基づき、総理と村田大臣が答弁されました。ところが、野党の質問者は答弁に納得せず紛糾し、大臣はいったん退席して改めて答弁することになりました。本会議場の後ろの部屋で関係者が集まり、答弁ぶりを検討しました。

第126回国会参議院本会議 平成5年5月12日議事録
「議長(原文兵衛君) 自治大臣の答弁については、後刻協議することとし、次に進みます。」013
「武田節子君 ・・・自治大臣と文民警察官との会見で警察官の方々から、何人死ねば帰されるのですかとか、現地の実情が理解されていない等々の発言があったと伝えられておりますが、この点、正確な御報告を求めたいと思います・・・」036
「国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来の質問は、文民警察官の十三人の方から、何人死ねたら帰るのかという質問があったというお尋ねであろうかと思います。私は、その質問はなかったと申し上げます。(拍手)」041

大型連休終了

2023年5月7日   岡本全勝

春の大型連休が終わりました。長いと思っていたのに、あっという間でしたね。いつも同じことを言っています。
皆さん、行楽に出かけたり、休養をとったり、家庭の用事にと、有意義に過ごされたことでしょう。一部を除き天気もよく、新型コロナの行動制限も緩くなり、多くの人が出かけたようです。
飲食店や運輸関係の方は、休むどころではありません。病院や警察、消防も、休みとは関係ない仕事をしておられます。そのおかげで、平穏な暮らし、休みが過ごせます。感謝しなければなりません。残念ながらいくつか事故も起き、石川県の地震では大きな被害が出ています。早期の復旧を期待しています。

私は、締め切りが迫っていた原稿2本を、右筆の協力を得て、連休の初めに完成させました。やれやれ。そのあとも続きに挑戦していますが、またまた難渋しています。結論に入っているのですが、どのようにまとめるか悩んでいるのです。150回にわたりさまざまなことを書いたので、一苦労です。これまでの誌面を読み返し(それも労力が必要です)、「ここで、こんなことを書いたなあ」と思い返しています。
ホームページも少し書きためました。連休中も、結構な数の方が見てくださったようです。ありがとうございます。

一番の仕事は、孫のお守でした。運動不足解消の散歩にもなります。娘家族がやってきて、賑やかな食事も。じいさまにとっては、行楽地に出かけるより楽しいことです。
原稿は進みませんでしたが、連休中に執筆を進めようという発想が間違いだと思いましょう。肝冷斎は、休みなしで頑張っています。

東洋の古典、西洋の古典

2023年5月2日   岡本全勝

ふと思い立って、柳沼重剛著『ギリシア・ローマ名言集』(2003年、岩波文庫)を読みました。途中寄り道して、『ギリシア ローマ 古代知識人群像』(1994年、岩波・同時代ライブラリー)も。

名言の中には、漢文や古文にもよく似たのがあったりします。でも、ラテン語や英語での表現は知りません。
日本は明治以来、それまでの中国文化から西洋文化に乗り換えました。私の父親までは漢文が素養であり、毛筆も必須でした。私は漢文も不十分で、毛筆もできません。肝冷斎のような古典漢文通は、絶滅危惧種でしょう。
とはいえ、記紀、万葉集、源氏物語、平家物語などのさわりは、身につけています。

次の世代は、英語が必須になりました。しかし、西洋古典の、ギリシャ・ローマ、聖書、シェイクスピアには、子どものころから慣れ親しんでいるわけではありません。
私たちの世代までが漢文を少し理解できたように、西欧の知識人はラテン語を学びました。これからの日本人たちが、英語で西欧の人たちと会話する際には、このあたりは不利でしょうね。

大型連休が始まりました

2023年4月29日   岡本全勝

今年は5月1日と2日を休むと、4月29日から9連休です。季節も良くなり、新型コロナもかなり収まって、よい時期です。皆さんは、行楽などの予定を立てておられることでしょう。知人にある件で電子メールを送ったら、マレーシアの観光地から返事が来ました。

私は連休に入る前に、原稿や講演会の資料作成に追われていました。「連休中にやればよいや」と思っていたのですが、「連休前に提出してください」との指示があり。重なるときには、重なるもので、それ以外の用務もあって・・・。
締め切りが迫っているのにめどが立たないのは、精神衛生によくないですね。たくさんの人の協力を得て、どうにか間に合わせることができました。ほっとしています。が、連休明け締め切りの原稿が、まだできていません。

連休中は孫の相手と、キョーコさんのお供をしましょうか。原稿を書きためて、貯金ができればよいのですが。気分がゆったりすると、仕事ははかどらないのですよね。

四方田犬彦著『先生とわたし』

2023年4月22日   岡本全勝

あるところに紹介されていたので思い出し、四方田犬彦著『先生とわたし』(2007年、新潮社)を読みました。アマゾンでは、次のように紹介されています。
「伝説の知性・由良君美が東大駒場で開いたゼミに参加した著者は、その学問への情熱に魅了される。そして厚い信任を得、やがて連載の代筆をするまでになる。至福の師弟関係はしかし、やがて悲劇の色彩を帯び始める……。「教育」という営み、そして「師弟」という人間関係の根源を十数年の時を経て検証する、恩師への思い溢れる評論」

由良君美先生は、確か東大駒場で英語を習った記憶があります(もっとも、私の記憶が不確かなことは先日証明済みです)。名前を覚えていたので、読んでみようと思いました。師弟の軋轢、といっても師の一方的な悩みからきていたようですが、それをあとになって理解する弟子の話は、胸にくるものがありました。

旧来「治外法権の」と訳されていたextraterritorialに「脱領域」という訳語を、deconstructionに「脱構築」という訳語を与えたのは、由良先生とのことです。在外経験がないことも意外でした。

著者の四方田さんが1972年に東大文Ⅲに入学し、由良ゼミに入ることから物語は始まります。私は1973年の入学なので、1年違いで駒場の空気を吸っていたことになります。当時の駒場の情景が書かれていて、懐かしさとともに、私とは全く違った高尚な議論がされていたことを教えられました。
文学、社会、自然ととんでもない範囲と数のゼミが開講されていて、田舎からきた18歳には「これが知か」と、まぶしかったです。いくつも参加しては、途中で挫折しました。今から思うと、もったいないことでした。住んでいた駒場寮が、学内にあるのに、勉強にはふさわしくない環境でした。と、言い訳をしておきます。