東洋の古典、西洋の古典

ふと思い立って、柳沼重剛著『ギリシア・ローマ名言集』(2003年、岩波文庫)を読みました。途中寄り道して、『ギリシア ローマ 古代知識人群像』(1994年、岩波・同時代ライブラリー)も。

名言の中には、漢文や古文にもよく似たのがあったりします。でも、ラテン語や英語での表現は知りません。
日本は明治以来、それまでの中国文化から西洋文化に乗り換えました。私の父親までは漢文が素養であり、毛筆も必須でした。私は漢文も不十分で、毛筆もできません。肝冷斎のような古典漢文通は、絶滅危惧種でしょう。
とはいえ、記紀、万葉集、源氏物語、平家物語などのさわりは、身につけています。

次の世代は、英語が必須になりました。しかし、西洋古典の、ギリシャ・ローマ、聖書、シェイクスピアには、子どものころから慣れ親しんでいるわけではありません。
私たちの世代までが漢文を少し理解できたように、西欧の知識人はラテン語を学びました。これからの日本人たちが、英語で西欧の人たちと会話する際には、このあたりは不利でしょうね。