カテゴリーアーカイブ:経済

反グローバル化、経済による説明、2

2016年11月3日   岡本全勝

白石隆・政策研究大学院大学長の「反グローバル、経済低迷で欧米内向き」の続きです。他方でアジアの数字は、次のようになっています。
1995年の1人あたりGDPを100とすると、2005年は、
中国223、ベトナム174、韓国154、シンガポール138、マレーシア、フィリピン、タイ120台、アジア経済危機で大打撃を受けたインドネシアでも115です。
2005年を100として2015年までの伸びを見ると、
中国236、ベトナム163、インドネシア152、フィリピン141、韓国、マレーシア、シンガポール、タイ130台です。
・・・つまり、東アジアの国々では1995~2005年の10年間より、2005年~2015年の10年間の方が1人あたりGDPが伸びた。アジアで反グローバル化の動きがほとんど見られないのもうなづける・・・
詳しくは原文をお読みください。(2016年11月3日)

反グローバル化、経済による説明

2016年11月2日   岡本全勝

10月30日読売新聞「地球を読む」は、白石隆・政策研究大学院大学長の「反グローバル、経済低迷で欧米内向き」でした。
欧米で反グローバル化の動きが強いのに対し、アジアではほとんど見られないことに関して。
・・・これを考える上で参考になるのは、各国の経済成長の動向だ。1995年の各国通貨建て実質の1人あたり国内総生産(GDP)を100として試算すると、10年後の2005年には英国とスペインは130に伸びた。米国とオランダは120台半ばで、フランス、イタリア、ドイツは110台半ばだった。
日本の伸びは先進国中で最低の109だった。かつて、「我々は日本とは違う」と言わんばかりに欧米で「日本病」が語られていた背景には、欧米諸国の所得の顕著な伸びと日本のもたつきがあったと言える。
しかし、これは次の10年間に様変わりした。2005年の1人あたりGDPを100とすると、2015年には米国とオランダは106、英国が105、フランスは103、スペインとイタリアは100以下にとどまり、ドイツだけが突出して良い116だった。ちなみに日本は106。何のことはない。欧米の多くの国々も、日本と同じかそれ以下の伸びだったである。
ただ、近年の国民所得の伸びを比較する場合、日本と欧米で一つの重要な違いがある。日本の1人あたりGDPは1990年初頭からすでに20年以上にわたって伸び悩み、多くの日本人が生活水準の急速な向上を期待しにくい状況が続く。
一方、欧米では冷戦終結から世界金融危機まで好景気が続き、所得も伸びた。このため、欧米の人々は、自分たちの生活はこれからも良くなると思っていたが、その期待が裏切られた・・・
この項続く。(2016年11月2日)

競争優位? スイスの海運会社

2016年11月1日   岡本全勝

日本の海運大手3社が、コンテナ船事業を統合すると報道されています。世界ランキングでは、日本郵船が11位、商船三井が14位、川崎汽船が16位です。統合しても、世界第6位だそうです。
ところで、世界1位はデンマークの会社ですが、第2位はスイスの会社とのこと。海のない山国のスイスに、本社を置いているということですか。へえ~ですね。(2016年11月1日)

成功して得たもの失ったもの

2016年9月7日   岡本全勝

朝日新聞9月5日経済面「トヨタ自動車 ベンチャー精神、原点回帰」、豊田章男・トヨタ社長の発言から。
・・・たとえば販売店の経営者の3代目、4代目の方に、「1代目の方がトヨタの販売店をやるときに、何がなくて、何がありましたか」とうかがうと、「あったのは夢と情熱です。それと借金。なかったのは信頼、お客様だったと思います」と。そして今あるのは信頼、実績で、借金もない。なくなったのは夢と情熱なんですね・・・

広がる所得格差

2016年8月16日   岡本全勝

日経新聞経済教室8月9日は、岩井克人教授の「問われる資本主義 株主主権論の誤りを正せ」でした。先生の主張は原文を読んでいただくとして、そこに載っている2つの図がわかりやすく、勉強になります。
図の1つは、上位1%の所得階層の所得が国全体の所得に占める割合を、アメリカ、イギリス、フランス、日本、スウェーデンについて、100年間にわたってグラフにしたものです。これは、有名になったピケティ教授の「21世紀の資本」が使ったデータを基にしたそうです。
第1次大戦直後は、どの国も極端な格差社会で、上位1%の人が全体の20%もの所得を手にしていました。その後、世界恐慌、第2次大戦を経て、格差が急速に縮小し、所得割合は5~10%くらいになります。ところが、1980年代以降再び格差が広がります。スウェーデン、日本、フランスはさほどではないのですが、アメリカとイギリスはすごいです。
図の2つめは、アメリカの上位1%の所得割合の内訳を、資本所得、企業家所得、賃金所得に分解したものです。資本所得は余り増えず、最も大きく増えているのは賃金所得なのです。経営者の報酬は、平均的労働者の報酬に対し、1960年代は25倍でしたが、近年ではなんと350倍になっています150億円という経営者もいるそうです。想像を絶しますね。
先生は、ここから「株主主権論の間違い」を解説しておられます。そこは本文をお読みください。