「災害復興」カテゴリーアーカイブ

行政-災害復興

経済同友会の復興支援

経済同友会の機関誌「経済同友」6月号は、「復興支援活動報告 東北の今とこれから」を特集してくださっています。
経済同友会は、東日本大震災に際し、特に被災地の人づくりや経済活性化を支援してくださいました。「IPPO IPPO NIPPON プロジェクト」は、専門高校に教育用の資機材を寄付してくださいました。
また、被災地での人材育成に力を入れてくださいました。今回の特集は、その報告です。女川町役場や地元企業の職員を、同友会の会員企業が受け入れて研修をしてくださいました。地方の役場や企業には、なかなか経験できないことです。

地域の発展の基礎は、なんと言っても人です。いくら施設をつくってもイベントをしても、それを発展持続する人たちがいないと、続かないのです。
これまでの復興行政や地域振興行政では、十分に力を入れていませんでした。従来の行政手法では、人材育成は限界があります。ノウハウ、支援主体、継続性などです。
今回の同友会の支援は、画期的でした。ありがとうございます。

発掘で分かる災害の歴史

文化庁編『日本人は大災害をどう乗り越えたのかー遺跡に刻まれた復興の歴史』(2017年、朝日選書)を紹介します。これは、「発掘された日本列島展2016」の副産物です。その関連企画として、発掘調査などでわかった大災害からの復興についての講演会をまとめたものです。
弥生時代の洪水、古墳時代の火山噴火、平安時代の貞観地震、中世の戦乱など、「災害列島日本」の歴史でもあります。

東日本大震災は、忘れられていた列島の大災害を、思い出させました。また、復興工事のために、たくさんの箇所で発掘調査も行われました。いろんな新たな発見もありました。全国から調査員が応援に入ってくれました。復興庁も財政面から支援をしました。毎年の「発掘された日本列島展」でも、被災地での発掘は特設コーナーをつくって、解説してもらいました。
これらを、後世にどう引き継いでいくか。これも課題です。

「全勝さんは、発掘が好きですねえ」という人がおられます。私は明日香村出身で、遺跡の発掘を身近に見て育ちました。近所のどこかで、発掘が行われていましたから。官僚にならないなら、考古学者になりたかったのです。小学生の時の「将来の夢」の作文にも、書いたのですが。

総理福島視察

今日7月1日は、総理の福島視察に同行してきました。
川俣町山木屋地区は、避難指示が解除され、住民が戻りつつあります。課題は商業サービスの再開です。元々住民が少ない山間の地区です。地区の復興の拠点として、公設民営の形で、商店や飲食店を作りました。「とんやの郷」です。今日開所式でした。たくさんの人が集まっていました。

飯舘村の老人ホームは、村に避難指示が出たときも、入居者を他の地区に避難させるより、その地にとどまる方が入居者のためになると、残ることを決断しました。線量も低かったのです。
老人ホームの高齢者が、劣悪な条件で避難を余儀なくされ、移動中に亡くなられた場合や、移転先で健康が悪化した場合も多いです。移動は、心身に負担になるのです。ここのホームの判断は、良かったと思います。ただし、従業員は避難したので、遠くから通勤してくださったのです。

川内村では、新しくできた喫茶店で、カレーライスをいただきました。タイ国のコーヒーチェーン「アメイゾン・カフェ」の日本1号店です。しゃれたお店です。リンクを張ったので、紹介ビデオをご覧ください。
Amazonと書くのですが、タイでは、アメイゾンと発音するのだそうです。これは、村に工場を建てた「コドモ・エナジー」という会社が、運営しています。ありがとうございます。

徐々にですが、着実に暮らしが戻っています。また、新しいにぎわいの基礎ができつつあります。

トレーラーハウスを使った旅館

新聞各紙が報道しているので、お読みになった方も多いでしょう。宮城県女川町で、トレーラーハウスを使った旅館が、引っ越しをしました。日経新聞電子版が、詳しく解説しています。「トレーラーハウス大移動 女川・元旅館女将たちの挑戦
詳しくは、この記事を読んでいただくとして。最初に、このトレーラーハウスを利用したホテルができたときは、「知恵者がいるなあ」と思いました。運んできて据え付ければ良いのですから。復旧には最適です。他にも、トレーラーハウスを、村役場の支所の建物に利用した例もあります。
もっとも、電気や上下水道などいろんなパイプをつなぐ必要があります。単体でどこででも利用できるほど、簡単ではありません。

このトレーラーハウス・ホテルは、私も宿泊しましたが、広くて快適です。あの細長いコンテナとは思えません。当然、バストイレ付きです。安いビジネスホテルより、広いです。もし、女川に行かれる機会があれば、利用してみてください。

福島復興再生総局幹部会合

今日は、福島で、福島復興再生総局幹部会合を開きました。吉野大臣が就任され、新しいメンバーで、取り組みの実績と今後の課題を確認しました。
この組織は、福島復興のために、現地にある国の3つの機関(福島復興局、環境再生事務所、原子力災害現地対策本部)を統轄するものです。私が事務局長で、毎週関係者に集まってもらい、情報交換と統一のとれた対応ができるようにしています。縦割りの弊害が起きないようにです。県庁との連絡も密にしています。
今日は、大臣や副大臣に集まってもらい、意見交換をしました。各省から政務職が集まる、それも福島の現地で行うことに、意義があります。

この春に、避難指示が解除できる地区は解除しました。その地区に、にぎわいを取り戻すことが必要です。他方、まだ帰還困難な地区では、復興拠点をつくることにしています。除染はかなり進みましたが、その土などを中間貯蔵施設に運び込む必要があります。黒いフレコンバッグが積まれていると、復興の妨げです。そして、引き続き被災者の支援をすることが必要です。