カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

災害時、インターネットの効果

5月31日の日経新聞「大震災と企業」に、ヤフーの井上雅博社長のインタビューが載っていました。
それによると、5月下旬までの2か月半で、ヤフーがネットを通じて集めた募金は、90万人で14億円です。社長自身が、金額の大きさに、間違いではないかと思われたそうです。
また、インターネットは、被災状況や安否確認、支援物資集めにも、大きな力を発揮しました。3月14日のヤフー・ジャパンの総閲覧件数は、23億件。災害時には、平時の15倍にもアクセス件数が跳ね上がるそうです。情報を知りたい人にとって、重要な手段になりました。もちろん、被災地では電気や通信が通じないので、利用できません。また、信用できない情報が出回ったという欠点もありました。

いずれ、今回の大災害についての評価がされるでしょうが、ITはその新しい要素でしょう。阪神淡路大震災は、ボランティア元年と呼ばれました。今回の大災害では、それを教訓に、ボランティア活動がさらに進化しました。それ以外でも、自衛隊や消防の活動も進みました。そして、阪神淡路大震災の時には大きくなかったITの効果、さらには物流やコンビニの役割、企業の社会的貢献が認識されました。

被災者支援説明会延期

今日30日は、仙台で、被災者支援の各種制度説明会を予定していました。しかし、宮城県地方が暴風雨になる予測だったので、県庁と相談して延期しました。対象者が、各市町村の防災担当者です。この人たちには、各地域の警戒に当たってもらわなければならないのです。
地盤沈下した地域も多く、豪雨は心配です。がれきを積み上げてあるので、強風も心配です。また、弱くなった傾斜地や堤防もです。

被災者支援の壁新聞

被災者の方に支援の情報をお届けするために、「壁新聞」を発行しています。主に避難所に貼ってもらっているのですが、郵便局やコンビニの協力を得て、被災地域の店舗の壁にも貼ってもらっています。もちろん、各市町村は、よりきめの細かい情報を、広報誌や壁新聞で伝えています。政府広報は制度一般を伝えることはできるのですが、「○日にどこそこで、無料相談会があります」といったお知らせはできないのです。
今回、これとは別に、壁新聞特別号を発行しました。これは、全国に散らばって避難された方の所在を確認するためです。急いで避難されたので、多くの方がどこにおられるか、不明です。今お住まいの市町村役場に届け出てもらうと、そこから元いた市町村役場につながるようにしました。そうしないと、健康診断や学校への入学、介護保険などのサービスが十分にできないのです。現在、約5万人の方が、届け出ています。この特別号は、そのような目的なので、全国の郵便局、コンビニ、スーパーの協力を得て、店頭で貼ってもらいます。

拙速を旨とすべし。走りながら考える。司令塔の役割

3月17日の朝日新聞オピニオン欄に、軍事アナリスト小川和久さんが、次のようなことを話しておられます。これは、発災後6日目です。
・・危機管理の要諦は「拙速を旨とすべし」だ。万全でなくてもいい。政府は走りながら態勢を整え、走りながら対策を講じていくことだ。
私は以前から、国家的な危機管理の際には、専門家を集めた「指令塔チーム」を設けることが不可欠だと主張してきた。被災地は何を求めているのか。その情報を一か所に集約し、その時点で必要と判断した地点に、救助要員と資材や機材を集中的に投入するためだ。
チームは大規模にしてはいけない。10人程度がいい・・閣僚がずらりと並ぶ会議では時間も手間もかかりすぎる。役人も多数が呼ばれ、省庁が一時停止してしまう・・
・・1995年の阪神淡路大震災当時から、大規模災害に対応する能力は、自衛隊も消防も警察も長足の進歩をとげた。現在、それぞれが高いレベルで迅速に活動しているが、ばらばらではその実力を十分に発揮できない。相互が連携することでさらに大きな力にもなる。そのためにも、統括する司令塔が必要だ・・
私が従事したのは、3月19日からで、また救助でなく被災者生活支援ですが、納得することが多いです。