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行政-災害復興

改善しつつある避難所の環境

3県の避難所の環境把握を公表しました。これまで4回は、地方団体の協力を得て当チームの様式で把握していましたが、今回はいくつかの機関の調査結果を、当チームの様式に当てはめて把握しました。地方団体の負担を軽減するためです。環境は順調に改善し、9割の避難所が要支援度Ⅰ(環境がよい避難所)になりました。なおいくつかの避難所が困難を抱えているので、これらの改善を市町村にお願いしています。これから梅雨と夏になるので、暑さ対策やハエや蚊の対策も必要となります。
もちろん、住宅を用意して、避難所を解消することが最優先です。阪神淡路大震災と比べても、避難所におられる人の数は減りつつあります。

市町村の関心は、復旧と復興に向かいつつあります。先週は釜石市で意見を聞きました。17日18日は、宮城県内と岩手県内それぞれ2か所で、復興に向けての問題点などを聞くことにしています。移動距離が長く、結構な強行軍になります。

全国の避難者数調査

今日、全国の避難者の数を公表しました。全国の地方自治体の協力を得て、どの市町村に、どのような施設(体育館、旅館、仮設住宅など)に避難しておられるのかを調べたのです。これは、初めてのことです。実は、これが結構大変なのです。
まず、どの市町村に避難しておられるか。原発事故関連市町村からの避難者については、福島県が調べています。しかし、そのほかの避難者を含めた全体像は、正確なところはわかりませんでした。発災以来、警察の発表による「避難所の避難者数」に頼っていたのですが、警察も各市町村からもらった資料を集計しています。市町村ごとの把握対象が違うので、必ずしも統一がとれていなかったのです。しかし、混乱したときに、それは仕方のないことです。
今回調べたら、北海道から沖縄まですべての都道府県、約1,000の市区町村に避難しておられました。全国の市区町村の数が1,750ですから、いかに広範囲に広がっておられるかわかります。3県の外に避難している人は、約5万人もおられます。

次に、どのような施設に避難しておられるか。私たちは避難者と聞くと、体育館などに毛布をひいて避難している人を想像します。しかし、旅館に避難した人や、公営住宅、仮設住宅に入った人もおられます。住宅に入られた方は、自宅から出ているという意味では避難者ですが、ひとまず落ち着かれました。
ところが、これも各市町村ごとに把握の仕方が違うので、そう簡単ではありません。例えば、在宅避難者(自宅にいるが食事を避難所にもらいに来ている人など)を把握している団体と、そうでない団体があります。調査結果によると、いわゆる避難所におられる人は、約4万人です。

これまでの災害では、多くの方が元の市町村に避難されていたので、このような問題は生じませんでした。今回の災害は大きく、このような調査が必要になりました。
職員たちが、その必要性に気がついてくれました。すなわち、避難者は全国のどこにおられるか。これは、政府が把握するしかありません。もう一つは、各市町村ごとのとらえ方がまちまちで、仮設住宅に入っている人も含まれている場合があることに気がついたのです。この人たちを避難者の数字に含めると、避難所がいつ無くなるかが見えないのです。
全国の市町村に協力をいただかなければならないので、調査票はなるべく簡略化しました

進むがれきの片付け

被災地では、大量のがれきが発生し、その片付けが大きな課題になっています。100年分のゴミが発生した町もあります。市町村によって進捗状況は違いますが、どんどん片付けが進んでいます。
職員が、片付いている状況がわかる写真を、掲載してくれました。岩手県釜石市と大槌町の同じ場所で、3月下旬と最近の状態を比較したものです。車で移動中に撮ったものです。すなわち、たくさん撮影したものから、同じ場所を選び出したのです。ご苦労様でした、Nくん。
「遅れている」と指摘を受けているのが、仮設住宅建設、がれきの処理、義援金などの配分です。関係府省と調整し、対策を打ちました。

被災地現地での会議

11日土曜日は、岩手県釜石市で、被災市町村との意見交換会でした。復旧、復興に際し、どのような点が問題になるのか、国として何をすればよいのか。直接、意見を聞こうという趣旨です。現行制度のどこが使い勝手が悪いのか、東京にいたのではわかりません。また、市町村も、なかなか言い出しにくいでしょう。特区をつくるなどの構想もでていますが、何を変える必要があるのか。それを探るためです。
今回は、総理も出席されました。来週は、宮城県内で2か所、岩手県内でもう2か所開催する予定です。

12日日曜日は、仙台市で、孤独死(孤立死)を防ぐための有識者会議を開きました。仮設住宅での孤独死は、阪神淡路大震災の時も、大きな問題になりました。今回の被災地は高齢者、単身生活者が多いのです。これまでの経験を生かし、どうしたら防ぐことができるかを検討し、関係者の皆さんに理解してもらうためです。
復旧・復興は、道路の補修や家の再建といったハードだけでなく、このようなソフトも重要です。しかし、人間関係は難しいです。若者の引きこもり対策をやっているNPOなどが、活躍しています。
3月11日の発災以来、3か月が経ちました。仮設住宅の建設も進み、復旧や復興に重点が移りつつあります。

これらの会議は、1週間に満たない短期間で、準備をしました。また、各界の方に出席していただきます。そして、場所は東京ではありません。これだけの会議を設営してくれた職員、県庁、市町村の方に感謝します。
私は、金曜日の夜に盛岡に入り、土曜は釜石まで往復。岩手県は広いので、かなり距離があります。夜は盛岡泊まり。そして、日曜朝に仙台に移動しました。今週もよく働きました。金曜日定例の資料更新をご覧下さい。
振り返ると、この仕事について以来、先週と先々週の日曜日に、お休みを頂きました。二日だけですか。まだまだ、たくさん仕事があるということです。