カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

福島での新産業創出

今日9月2日は、福島産業創生協議会が主催するフォーラムに出席し、基調講演を行ってきました。第29回フォーラム グリーンフィールド型 『フクシマ・スマートシティ・プロジェクト』

原発被災地では、順次、避難指示が解除されています。住民が8割戻った町もあれば、まだ1割の町もあります。他方で、戻らないと決めた住民も多いです。
帰還希望者に戻ってもらえる条件を整えることと共に、新しい人を呼び込むことも必要です。そのためには、働く場が必要です。新しい産業です。
経産省や県が、様々な試みをしています。民間からの協力もありがたいです。

アクセンチュア(株)が、会津若松市に福島イノベーションセンターをつくり、デジタルの実験場と、スマートシティを試みています。地方創生のよい試みです。

福島の桃

今日8月26日昼、NHKテレビで、福島の桃を取り上げていました。「甘い、なめらか、もも」。再放送は、金曜朝4時です。

福島は桃の生産量が、日本で2位です。8月に限ると、1位です。桃の出荷は、西から始まるので、岡山県や山梨県が有名ですが、福島の桃も量とおいしさでは負けていません。世間では、知られていないのですよね。日本酒といい、どうも宣伝へたです。
原発事故の影響で、販売量が減っていたのですが、ようやく復活してきました。東南アジアでも、売れているのです。日本の2倍の値段がするようですが、それでも売れているのです。

私も大好きで、毎年、知り合いの果樹園から送ってもらっています。おいしいです。柔らかいのや硬いのや様々な種類があって、時期によって違う品種が楽しめます。こんなに種類があるとは知りませんでした。

避難町議会、住民の意見を聞く

浪江町の議会報告会が開かれ、住民と意見交換をしたと、報道されていました(NHKニュース)。
市町村の首長と執行部や議会が、住民から意見を聞く場は、多くの自治体で行われています。浪江町など原発被災地の自治体の違いは、町外でも開くということです。多くの住民が町外で避難生活をしているので、そちらに出向くのです。
富岡町双葉町大熊町

福島、国と地方の協議会

今日は、福島市で「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開きました。国と地方とが、復興について意見交換する場です。法律に定めてあるので、「法定協議会」と略称しています。
今回で、19回になります。国からは、復興大臣、経産大臣、環境大臣ほかが出席しました。福島において、大臣が出かけていって意見交換することに、意義があります。

着実に復興は進んでいるのですが、まだまだ課題は多いです。
避難指示が解除されていない地域があること。解除されても、住民が十分に戻らないこと。また、原発という主たる産業がなくなった後、何でこの地域の暮らしを成り立たせるかなど。難しい問題があります。地域の中も、復興状況に差があり、一律の議論はできません。
資料は、追って載ります。

役に立たなかったオフサイトセンター

7月30日の朝日新聞1面は、「原発、甘い備えの象徴解体へ 福島、機能しなかった事故対策拠点」でした。
・・・東京電力福島第一原発事故で「前線基地」になるはずだった福島県大熊町の旧オフサイトセンターが、解体されることになった。8月にも作業が始まる。事故直後、役割を全く果たせず事故への備えをないがしろにしていた象徴の建物が、今年度内に姿を消す。事故の教訓をきちんと伝えていけるかが今後、問われる・・・

・・・この建物は鉄筋コンクリート2階建てで、第一原発の南西5キロにある。2011年3月の原発事故では国が現地対策本部を設置。経済産業省や文部科学省、自衛隊、県庁、東電などから計150人が集まった。
だが、停電や通信回線の不通で情報の収集も発信もできなかった。気密性も不十分で、室内の放射線量は毎時200マイクロシーベルトと、避難指示を出す基準の50倍超になった。事故からわずか4日後の同月15日午前に避難を始め、その日のうちに全員が撤収した。
その時、約1キロ離れた双葉病院には90人ほどの患者が避難できず取り残されていた。現地本部は患者の搬送を自衛隊に任せ、救出が遅れて病院内や移動中のバス、避難先の体育館などで約50人が死亡した・・・

オフサイトセンターとは、「原発や核燃料工場などの事故の際、関係省庁や自治体、事業者らが集まり、情報収集や住民の被曝防護策、避難指示区域の設定などを検討する前線基地。発電所(サイト)から離れた拠点のため「オフサイトセンター」と呼ばれる。正式名称は緊急事態応急対策拠点施設」と解説があります。
(このようなカタカナ語は、一般人には通じないですね。直訳したら「原発施設敷地外中心施設」でしょうか。それは位置の表示であって、機能を示していません。私も最初に耳にしたときは、どんな施設か理解できませんでした)。

津波災害にあっては、いくつかの被災した施設が、災害遺構として保存されています。教訓を後世に伝えるためです。ところが、原発事故にあっては、そのような施設はないようです。
第一原発は廃炉になり、いずれ建物は片付けられるのでしょう。県がアーカイブ施設をつくる予定ですが、これは資料の保管です。東電が、廃炉資料館を造っていますが、これは廃炉作業を説明するものです。
これだけの大事故を起こしたのですから、経済産業省や東電がしかるべき施設を残すべきだと、私は考えています。
原発事故の失敗は、2つあります。一つは、原発事故を防ぐことができなかったこと、メルトダウンを引き起こし、放射性物質を大量に放出したことです。もう一つは、周辺住民を安全に避難誘導しなかったことです。前者が施設内、後者が施設外での失敗です。

いくつかの企業は、起こした失敗を伝えるために、事故の機材を保存し、社員教育に使っています。例えば、日航、御巣鷹山墜落事故東京メトロ、中目黒脱線事故