カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

双葉町、避難指示一部解除

4日午前0時に、福島県双葉町で、避難指示が初めて一部で解除されました。
解除されたのは、放射線量が比較的低い「避難指示解除準備区域」に指定されていた北東部と、「帰還困難区域」のJR双葉駅周辺の道路などです。
これで、避難指示解除準備区域は全地域で解除されました。帰還困難区域で避難指示が解除されたのは初めてです。

ただし、避難指示解除準備区域だった地域は、津波に襲われた場所で、住宅の建設は制限されています。産業団地と祈念公園の建設が進んでいます。
JR双葉駅周辺は、復興拠点に指定して、除染、家屋の解体を進めています。ここも、まだ除染やインフラ復旧がすんでいないので、まだ人は住めません。町役場の出張所が開設されました。
立ち入りが自由になることで、工事などが進めやすくなります。これから、それらを進めて、住民が住める町をつくります。

また、帰還困難区域のうち、大熊町の大野駅前が5日に、富岡町の夜ノ森駅前が10日に、避難指示が解除されます。
14日には、常磐線が開通する予定です。どの駅でも、乗り降りできるようになります。ただし、この場所も、まだ除染などがすんでいないので、住むことはできません。

大震災から9年、報道

3月11日が近づいてきました。報道各社が、特集を始めています。
朝日新聞が、3月3日から特集「東日本大震災9年」を始めました。第1回は、まち復興で「まち再生へ、手探り続く」です。
3県の人口、観光客数、水揚げ金額の、被災前との比較がついています。分かりやすいです。
陸前高田市では、かさ上げした町が、まだ空き地が見だつことを取り上げています。仙台市では、復興住宅がかんせいしたものの、自治会を続けることの難しさを取り上げています。

ところで、陸前高田市の記事には、町を映した航空写真もついています。実は、朝日新聞は、2月17日の一面に、「街は整う、人は戻らない 大規模かさ上げの陸前高田」という記事を載せ、そこに同様の航空写真もつけました。
その際の写真は、町の中心部に作られた大型店舗などを外した、空き地ばかりの土地でした。今回の写真は、前回外された、店舗が建っている町の中心が写っています。同じ町とは思えない写真です。

常磐線と浜通りの歴史

2月24日の読売新聞、論壇キーワード。武田徹・専修大学教授の「常磐線 日本近現代史の縮図」が、勉強になります。

・・・いわゆる「本線」ではない路線の中で最長となる全長約343キロの常磐線は日本近現代史の縮図のような存在だ。1897年に東京・田端から久ノ浜(現在のいわき市)まで開通すると常磐炭田の石炭を首都圏に運んで近代産業の成長を支えた。山間を走る東北本線より勾配が緩やかで高速で走る旅客列車や積載量の多い貨物列車の運行に適していたため、仙台までつながると東北北部、更には青函連絡船を経由して北海道との間で人と物資を運ぶ主要路線となった。東北地方初の特急はつかりも常磐線経由で運転された・・・

・・・しかし、そんな常磐線の存在感は戦後1960年代以降翳かげり始める。石油へのエネルギー資源の転換が進む中、常磐炭田は徐々に生産量を減らして76年には閉山となり、石炭を積んだ長大な貨物列車が走る光景はみられなくなった。68年には東北本線の全線電化と複線化が完成し、長距離列車が常磐線を迂回する必要性も減った。
福島第一原発の建設が進んだのがちょうどこの時期だったことは留意に値する。池田勇人内閣が60年に策定した国民所得倍増計画で重点開発する「太平洋ベルト地帯」と位置づけられたのは大分県から茨城県までの沿岸だった。双葉、大熊の町議会が61年に原発誘致を決議した背景には福島県の太平洋岸地区が発展から取り残されかねない不安が色濃くあった・・・

詳しくは、原文をお読みください。

福島、国と地方の協議の場

今日は、天皇誕生日の振替休日。福島市で「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開きました。国と地方とが、復興について意見交換する場です。法律に定めてあるので、「法定協議会」と略称しています。
福島からは知事や市町村長が、国からは復興大臣、経産大臣、環境大臣ほかが出席しました。国会開会中に、この人たちの日程を合わせようとすると、休日になることが多いのです。

大臣が、福島に出かけて意見交換することに、意義があります。今回で、20回になります。定期的に開くことで、関係者がそれぞれの考えや課題を述べ、実行できたことを報告します。
原発被災地の復興は、そう簡単には進ません。しかし、意見を交換することで、齟齬のない施策が立案実行できます。

銀座三越で、被災地応援販売会

東日本大震災被災地で、昨年10月の台風19号で被害にあった地域の事業者を支援するための販売会を、銀座三越9階銀座テラスで開催します。
台風19号被災地東北事業者応援マーケット」です。
2月23日(日曜日)、24日(祭日)10:00~18:00
出店団体は、次の通り。
・岩手県釜石市 かまいしDMC
・宮城県丸森町 一社)筆甫地区振興連絡協議会
・福島県国見町 株式会社陽と人

民間企業から復興庁に出向してくれている職員たちと先輩たちが、企画してくれたそうです。
ありがとうございます。