カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ

行政-再チャレンジ

湯浅誠さんの履歴書

日経新聞夕刊連載「人間発見」、今週は、湯浅誠さんです。このホームページにも、何度か登場いただいています。

社会の問題、困った人たちに手をさしのべる活動をしておられます。私は、非営利団体の重要性について、東日本大震災で認識し、その後もそれを主張しています。
・社会の問題を拾い解決するのは行政の役割と思っていましたが、いくつかの分野では非営利団体が先に取り組んで成果を上げています。ある面では行政は非営利団体に負けているのではないかと思いますが、お互いに得意な分野があるのです。
・非営利団体は行政の下請けではなく、得意分野を受け持つ、対等の立場で協働すべきものです。政府も子どもの貧困に力を入れるようになりましたが、こども食堂活動は、彼らの活動がなければ成り立ちません。

2008年末の年越し派遣村では、湯浅さんが日比谷公園で活躍しました。それは、対応の遅い行政に対する異議申し立てでした。私は当時は総理秘書官で、官邸で「批判される立場」にいました。桝添厚生労働大臣からの報告と相談で、その人たちに厚労省の講堂に入ってもらうことを決めたことを覚えています。
まだその頃は、市民活動、今では社会活動は、行政にとって「やっかいな人たち」という程度の認識しかありませんでした。東日本大震災で、その認識を改めたこと(コペルニクス的転換)は、何度か書きました。
今では、湯浅さんと意見交換をするようになり、市町村アカデミーにも講義に来てもらっています。

不登校の子どもの保護者「学校は助けにならず」

11月23日の読売新聞教育欄に「「不登校前より支出増」9割 保護者「学校助けにならず」6割 支援NPO調査」が載っていました。

不登校の子どもを持つ保護者の9割が「不登校前より支出が増えた」と実感していることが、支援団体のアンケートで分かった。学校に相談しても「助けにならなかった」と感じた保護者が6割おり、経済面も含めて支援が不十分な現状が明らかになった。

学校の担任に相談したうちの58・4%、学年主任や校長、教頭に相談したうちの57・9%が「助けにならなかった」と回答。一方、フリースクールに相談したうちの86・6%は「助けになった」とした。

外国出身高校生の日本語学習

11月21日の日経新聞に「外国出身高校生の日本語学習 官民連携の教室、進路描く」が載っていました。

外国出身の高校生らの支援が課題になっている。日本語が不自由なままで学習や進路選びで困難を抱える生徒も少なくない。高校と教育委員会、NPO(非営利組織)が協力して手助けしている現場を訪ねた。
10月下旬の土曜日。神奈川県立川崎高校(川崎市)の教室に14人の若者が三々五々集まった。中国、フィリピン、ネパールなどの出身で、同市や横浜市北東部の高校に通う生徒たちだ。
川崎高では毎週土曜日、日本語学習支援教室が無償で開かれている。この日は日本語指導員ら10人の運営スタッフが生徒を迎えた。
教室は午前、午後の2部制だが1日通しで学ぶ生徒も多い。学習内容は一人ひとり違う。「げた箱」「体育館」といった初歩的な単語を学ぶ生徒もいれば、日本語能力試験で最高難度のN1レベルの問題に挑む生徒もいる。ある女子生徒は大学の推薦入試を前に、志望理由を書く作業に真剣な表情で取り組んでいた。

教室は2020年7月に開始。認定NPO法人の多文化共生教育ネットワークかながわや県教委、川崎高など4つの拠点校の協力で運営されている。同NPOによると、3者連携の取り組みは全国でも珍しい。
発足の背景にあったのは外国出身の生徒らの高校中退率の高さだった。18年度の文部科学省調査によると、日本語指導が必要な生徒の中退率は9.6%で全公立高校生の1.3%(17年度)を大きく上回った。
21年度調査では5.5%と改善したが全公立高校生(1.0%)との差は大きく、就職者のうち非正規の職に就いた割合も4割と非常に高かった。高校を中退すれば一段と不利になるだけに、中退防止の取り組みは「安全網として大きな意味を持つ」(同NPOの高橋清樹事務局長)。

外国出身の生徒たちには日本語力以外のハンディもある。進路選択や将来のキャリアを描くのに必要な情報の不足や、ロールモデルとなる”先輩”の不在だ。
そこで川崎高の教室では大学生が指導に加わっている。

沖縄の女性の困窮に立ち向かう

日経新聞夕刊連載「人間発見」、おきなわ子ども未来ネットワーク代表理事・山内優子さんの「母になる女性に寄り添う」は、沖縄の女性の貧困と子どもへの虐待、そしてその連鎖へ挑んでおられる報告です。11月16日の記事から。

11年8月、衆議院の沖縄・北方問題特別委に参考人として出席。米軍統治を「空白の27年」と指摘、子どもの貧困解消に向けた予算確保の必要性を訴えた。

招致されたのは、当時の沖縄県知事の仲井真弘多氏を含めた4人。特別委のメンバーには現首相の岸田文雄氏や現知事の玉城デニー氏がいました。仲井真氏は県が自由に使途を決められる3000億円規模の一括交付金の創設を求めましたが、私はその1%、30億円を恵まれない子どものために使ってほしいとお願いしました。
太平洋戦争で地上戦があった沖縄では4人に1人が犠牲になったといわれています。戦後は27年間にわたる米国統治です。米軍は基地拡大に突き進みましたが、学校や保育所、母子生活支援施設の整備には消極的。本土で保育所などが続々と整備されたのとは対照的で、まさに失われた27年でした。
復帰して50年間に投入された沖縄振興予算は総額で13兆円を超えますが、福祉に目を向けると施設整備を含め遅れたままです。観光がリーディング産業の沖縄では夜に働くニーズが多いのは誰もがわかっていたはずですが、行政は夜間保育所などの受け皿を満足に整えませんでした。
離婚した親の場合、子どもを自宅に残して働きに出ざるを得ません。その子は寂しさと好奇心から夜の街をうろつくようになります。そこで出会った相手と交際し、一部は経済力がないまま若くして妊娠、出産に至ります。沖縄ではこのような循環が断ち切れず、結果として何世代にもわたって貧困の連鎖が生じているのです。

15年、当時の沖縄・北方相による沖縄の子どもの貧困に関する懇談会に出席したときのことです。県外の有識者がキャリア教育の重要性を訴えたのには、驚きを通り越して危機感を抱きました。中卒後の進路未決定率が全国の3倍という実情とズレが大きすぎます。沖縄について何もわかっていない。
大臣に直談判し、沖縄のNPOの代表者らと改めて懇談してもらいました。切実な声が届いたか、内閣府から10億円の予算が付いたと聞いたときは天にも昇る心地でした。

児童相談所の業務急増

10月20日の日経新聞夕刊に「児童相談所 夫婦げんかも対応」が載っていました。
・・・児童相談所の負担が増している。厚生労働省によると、全国の児童相談所が2021年度に対応した件数は20万7659件(速報値)と31年連続で増え、過去最多を更新。子どもの面前での夫婦間のドメスティックバイオレンス(DV)も児童虐待ととらえられるようになったことが背景にある。児相の人手不足の解消や通告制度の効率化が急務となっている・・・

相談件数の急増は、父から母への暴力とその逆、夫婦げんかも子どもへの心理的虐待に位置づけられたことが大きいとのことです。この10年ほどで相談内容は大きく変わりました。6割が心理的虐待で、身体的虐待の24%をはるかに上回ります。10年前は、身体的虐待の方が多かったのです。
怒鳴り声を聞いた近所の人が警察に通報することで、児童相談所に通告が行くのです。夫婦げんかは夜に多いので、東京都の場合は夜間に業務委託会社が通告を受け、翌朝に児童相談所に報告し、児童相談所が対応を決めるとのことです。

しかし、訪問しても対応は難しいことが予想されます。詳しくは記事をお読みください。