カテゴリーアーカイブ:社会の見方

負担と受益の将来推計

2007年10月17日   岡本全勝
今日17日の経済財政諮問会議は、「社会保障制度と財源のあり方(社会保障と税)について」でした。民間議員から、給付と負担の選択肢」についての試算が示されています。
試算Ⅰ(p2)は、2011年度に向けた試算です。①14.3兆円の歳出削減を行ったケース、 ②11.4兆円の歳出削減を行ったケース、③は①に比べ、2008年度から2011年度にかけて毎年度1兆円の歳出を積み増すとしたケースの、3つです。
新成長経済移行シナリオ(名目成長率3.0%、実質成長率2.4%)の場合、③では増税必要額は3.2兆円です。成長制約シナリオ(名目成長率2.2%、実質成長率1.6%)の場合は、増税必要額 6.6兆円です。
試算Ⅱ(p6)は、中長期の社会保障の選択肢です。2011年から2025年までを、試算してあります。
給付維持・負担上昇ケース(一人当たり給付を維持する場合、国民の負担はどの程度増えるのか)と、給付削減・負担維持ケース(一人当たり負担を維持する場合、給付をどの程度削減する必要があるのか)です。
成長ケース(名目3.2%、実質1.7%成長)と、制約ケース(名目2.1%、実質0.9%成長)の2通りで試算してあります。
給付維持の場合は、税と保険料をあわせた国民の負担は11~12兆円程度増加。債務残高の名目GDPに対する比率を上昇させないために、合計で14~29兆円程度の増税が必要です。
給付削減の場合は、給付を3割程度削減することが必要。債務残高の名目GDPに対する比率を上昇させないために、合計で8~24兆円程度の増税が必要です。
18日以降の新聞で詳しく解説されるでしょうから、お読みください。

マスコミの力

2007年10月13日   岡本全勝
12日の朝日新聞は、新聞週間特集で、新聞記者が取材で暴いた事件を取り上げています。一つは、朝日新聞北海道支社による、偽牛ミンチ(ミートホープ)事件です。疑惑のコロッケを買って、検査機関に持ち込んで肉の種類の鑑定までしています。「報道で批判して逆に訴えられると、数十億円単位の請求額になる」という心配を抱えてです。
もう一つは、北日本新聞(富山県)による、高校での世界史必修科目履修漏れです。もう一つは、各紙が追いかけた政治家とカネの問題です。
それぞれ、地道な取材と独自の調査で、素晴らしい結果を挙げています。各省の発表や誘導による「大本営記事」でなく、このような記事を書いて欲しいですね。
先日、ある紙が、年度末に租税特別措置の延長法律が通らないと、軽減税率がなくなって、ものの値段が上がる場合があることを、例を挙げて書いていました。それは正しいのですが、一方で、超過税率がなくなって、値段が下がるものもあるのです。なぜか、そちらの方は書いてありませんでした。

危機管理

2007年10月12日   岡本全勝
今日12日早朝、東京は非接触型定期券・パスモとスイカが使えない自動改札が生じて、混乱しました。その際に、自動改札をやめて、改札なしで通した駅がありました。そうしないと、たぶん大混乱が生じたでしょう。私は、この判断は正しかったと思います。しかし、この判断は、かなり難しいものです。
こうすると、切符を持っていない人が、通る恐れがあります。ただ乗りを防ぐことができません。いちいち確認をしようとしても、駅員が少なく、とても確認はできません。定期券でない人には「切符を買ってください」と呼びかけた駅もあったそうです。趣旨はわかりますが、これは「まじめな人が馬鹿を見る」ことになりかねません。
また、いったん自動改札を通った人がいると(故障していない駅もありました)、その人は、出るときも自動改札を通る必要があります。パスモのカードは入場を記録するので、自動改札を通らず出た人は、その記録を訂正しないと次に入場できないのです。今日の夕方、帰宅する人たちをどうさばいたか、これも検証して欲しいです。
パスモとスイカを使える駅は、すごい数です。一駅だけが臨機応変の判断をしても、全体では大変な混乱を招きます。今回、どのような判断で、このような処置をしたのか。マニュアルはあったのか。検証して欲しいです。

ワークライフバランス

2007年10月4日   岡本全勝
21世紀職業財団が、ワーク・ライフ・バランス企業診断・認証事業を始めます。今日の日経新聞に全面広告が出ていたので、ご覧になった方も多いでしょう。ご関心のある方は、アクセスしてみてください。村上理事から、「PRせよ」とのご指示がありました。資料は少し詳しくて、読みにくいですが、そのうちにより簡単な、わかりやすいページもできるでしょう。
「男は仕事、女は家庭」という時代ではありません。夫婦がそのような役割分担を選ぶことは妨げませんが、他人に押しつけないでください。そして、「男は家庭と個人を犠牲にして仕事にすべてを捧げるべきものだ」というのも、本人が選ぶことを否定はしませんが、部下に強要しないでください。そこまでしていながら、一人当たり生産性は、欧米諸国より低いんですから。
世の中の猛烈管理職さんに、よーく反省して欲しいです。上司が変えない限り、部下は変えられませんよ、帰れませんよ。
私も若いときは、「その宗教」の信者でした。職場に泊まり込むことを、自慢していたのですから。反省しています。今は、たぶん内閣府で一番早く退庁している上司だと思います。「上司元気で留守が良い」。さあ、早く帰りましょう。明日の朝、早く出社すればいいのです。

多重債務者対策

2007年9月27日   岡本全勝
月刊「国民生活」10月号は、「行政における多重債務対策の充実を求めて」を特集しています。多重債務者は、近年大きな社会問題になっています。その対策が、政府の仕事となったのです。そして、相談窓口の役割が、地方自治体に求められています。新しい時代の、新しい行政です。
ところで、「国民生活」は、これまで政府では、主に消費者問題と考えられていたようです。近年はNPOや個人情報保護も、国民生活局の仕事となっているようですが。私は、政府・自治体の役割として、もっと広い範囲で生活をとらえるべきだと考えています。生活者支援については、その一端を、「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年8月号に書きました。