カテゴリーアーカイブ:社会の見方

情報爆発

2010年7月25日   岡本全勝

24日の朝日新聞別刷りbeに、グーグル副社長のインタビューが載っていました。記事の表題は、「『情報爆発』読み解く検索」です。
・・「人類が誕生から2003年までに蓄積した情報は、5エクサバイト。いまは同じ量の情報が、2日ごとに作られている」・・グーグル幹部は最近しばしばこう語る。5エクサバイトは50億ギガバイト、DVDだと10億枚以上の量だ。その多くが、インターネットにアップロードされているとみられる。
初期のインターネットにアップロードされる情報の大半は、文字(テキスト)だった。だが、いまは写真、音声、動画といった非テキスト系の情報が急増している。今年3月に、ユーチューブは「1分ごとに24時間分の動画がユーチューブに投稿されている」と発表した。昨年5月の段階では、毎分20時間分だった・・
すごい増加量ですね。鉄や石油などの資源について、人類が使った(作った)量のほとんどが20世紀後半だと、読んだことがあります。人口も爆発していますが、情報の爆発のすごさは比較になりません。
ちなみに、私がこのホームページのために、使っているニフティのサーバーは、現時点で36メガバイトです。私のホームページは、ほとんど文字情報なので、データ量は多くないようです。

金融市場対国家の規制

2010年7月25日   岡本全勝

24日の朝日新聞佐藤隆文前金融庁長官のインタビューから。
アメリカで、金融機関に対する規制を大幅に強化する法律が成立したことの評価について。
「ボルカールールは、①顧客サービスと関係ない自己勘定取引を商業銀行にさせない、②投資ファンドへの出資や運用などを制限する、の2本柱からなっている。公共性の高い銀行が、顧客向けサービスと関係のない自己勘定でリスクの高い投資をすることは許さないということだ。
ビジネスの分野を制限する点では、ここ20年間の市場機能を重視した規制からは踏み込んでいる。ただ、企業が資金を集めるのを支援したりする投資銀行業務を否定しているわけではない・・あまり大げさに考えない方がいいのかもしれない」
アメリカが、他の国にも同様の規制を求める構えであることについては。
「金融危機の加害者であり、最大の被害者である米国や英国が自国の金融を立て直すために、規制を厳しくするのはわかる。欧米の金融機関は利益を膨らますため、高いレバレッジ(外部借入)でリスクの高い投資に走った。だが、日本ではこうした問題は起きていない。『日本も同じ規制を導入しろ』というのはとんでもない。国際的な統一ルールを作るには各国市場の特性も考えないといけない。それを無視して画一的な基準を持ち込めば、問題がない国や金融機関に不要な規制を課すことになる」

一方、欧州連合は、23日に、不況が続いても耐えられる経営体力が銀行にあるかどうかを調べる、特別検査(ストレステスト)の結果を公表しました。同じく、24日の朝日新聞、ロンドンの有田哲文記者は、次のように解説しています。
アメリカでは、金融危機で銀行の信用不安が高まっていた2009年2月にストレステストを実施し、結果を5月に発表した。対象は資産総額が1千億ドルを超える大手19社で、このうち資本不足と判定されたのは10社だった。アメリカ金融当局は、資本不足と判定した金融機関に、1か月以内に資本増強計画を提出させ、半年後の11月までに計画を実行するよう求めた。
各行とも、増資などで資本不足を解消する方針を表明。計画通り実施し、アメリカ政府が求める水準まで資本を増やすことができた。このため、公的資金の再注入や国有化などは免れた。
市場では、当初、「検査の基準が甘い」との指摘もあり、検査結果以上に損失が膨らむことへの懸念が根強かった。だが、その後の株価は上昇し、楽観ムードが高まった。投資家の多くは、テストによって金融機関の財務状況が明らかにされたことや、増資で体力が向上したことを評価。金融危機が長引くことへの不安を解くことに成功した。
これを参考にすると、欧州のストレステストの成否のカギは、透明性があると投資家が判断するかどうかである。
(有田さん、活躍してますね。わかりやすい記事でしたよ。)

予言には、自己充足的予言と自己否定的予言があります。予言したことがその通り実現する場合と、実現しない場合です。金融の場合は、投資家の判断がどちらに転ぶかによって、(実は条件がそろっていなかった場合でも、楽観によって株価が上がって)実現する場合と、(実はひとまず条件はそろっていたのに、悲観的になって株価がさらに下がり)実現しない場合があるのでしょう。

科学外交、風土病対策

2010年7月12日   岡本全勝

7月12日の日経新聞夕刊「人間発見」は、北里研究所の大村智名誉理事長でした。家畜の寄生虫を駆除する抗生物質を実用化して、世界のベストセラーになり、250億円の特許料収入を得たそうです。
それよりも、私が関心を持ったのは、その先です。その薬「イベルメクチン」は、人間にも効くことがわかりました。そしてアフリカのオンコセルカ症という、猛烈なかゆみや失明をもたらす病気を、抑えることができるようになりました。これで1億2千万人の人びとが、感染から守られたそうです。
先生は、次のように述べておられます。
・・最近、科学の力で世界に貢献する「科学外交」という言葉を聞きますが、イベルメクチンはその先駆けではないでしょうか。日本人の私たちが見つけた微生物がこの薬を生み出し、それが世界に貢献し、世界から評価されています。残念ながら、そのことが日本国内ではあまり知られていません・・
私も知りませんでした。このようなことを、もっと報道して欲しいです。マスコミでは、編集部のうちの何部の仕事になるのでしょうね。政治部や社会部は、国内を見ていますから。

南北逆の地図

2010年7月9日   岡本全勝

8日の日経新聞夕刊に、「南が上、逆さ地図」という記事が、地図と一緒に載っていました。北東アジアの地図で、日本列島のほか、ロシア沿海地方、南北朝鮮、中国の一部が含まれています。ミソは、南北が普通の地図と逆になっていることです。太平洋が上で、ロシアが下に来ます。
これだと、日本列島が弧であることがよくわかり、またロシアから見て日本が「邪魔」なこともわかります。載っている情報は変わらないのに、少し見方を変えるだけで、感じ方が大きく違うという一例ですね。世界地図でも、日本で見る地図は日本と太平洋が真ん中にありますが、西欧の地図では大西洋が真ん中に来て、日本は端っこにあります。極東です。
この地図「環日本海諸国地図」が富山県庁でよく売れているというのが、記事の内容です。この地図の元は、オーストラリアでつくっている地図で、世界地図が南北逆になっています。私の記憶では、「正しい××の地図」と銘打たれていました。これだと、南半球のオーストラリアが、地図の上真ん中に来るのです。
私は、富山県勤務の時に、知事からこの地図を見せられ、「物の見方はこうも変わるのだ」ということを、教えられました。(2010年7月8日)
昨日書いた、オーストラリアの南北逆さ地図は、「マッカーサーの正しい地図」でした。

アジアで評価される日本ブランド

2010年7月5日   岡本全勝

7月5日の朝日新聞夕刊に、アジア各国で、日本産を偽装や模倣した農水産物が、たくさん見つかったそうです。中国産なのに「紀州」と表示した梅、大分県の日田梨にそっくりな包装の韓国産梨、「北海道」と大きく書かれた台湾の牛乳など。
それ自体はけしからんことですが、うれしいことですね。それだけ日本製品が、高級・安全と思われているということでしょう。日本が嫌われていたり、日本製品は粗悪と思われていては、このような模倣はされません。これまで日本が、欧米の商品をありがたがるという「拝外」でした。デパートでは、イギリス展が恒例でしたよね。それが、だんだん魅力が小さくなり、他方で、日本が外国から、ありがたがられる地位になったということです。
これまでは、自動車や電化製品など、日本の工業製品が模倣されることが問題になっていました。今回は、農産物です。すでに、女性週刊誌やポップカルチャー、アニメなども、好まれています。さらに広がって、日本文化・日本の生活様式全般が、あこがれの的になると良いですね。サッカーや野球などスポーツ選手も、アジアのヒーローになりませんかね。
最近は、銀座、秋葉原、新宿で、たくさんのアジアからの観光客が買い物をしています。どんどん来てもらって、日本にお金を落としてもらいたいです。日本人もこれまでさんざん、ロンドンやパリで落としてきましたから。もっとも、かつて書きましたが、日本で買うものがヨーロッパ製品では困ります(2月13日の項)。