科学外交、風土病対策

7月12日の日経新聞夕刊「人間発見」は、北里研究所の大村智名誉理事長でした。家畜の寄生虫を駆除する抗生物質を実用化して、世界のベストセラーになり、250億円の特許料収入を得たそうです。
それよりも、私が関心を持ったのは、その先です。その薬「イベルメクチン」は、人間にも効くことがわかりました。そしてアフリカのオンコセルカ症という、猛烈なかゆみや失明をもたらす病気を、抑えることができるようになりました。これで1億2千万人の人びとが、感染から守られたそうです。
先生は、次のように述べておられます。
・・最近、科学の力で世界に貢献する「科学外交」という言葉を聞きますが、イベルメクチンはその先駆けではないでしょうか。日本人の私たちが見つけた微生物がこの薬を生み出し、それが世界に貢献し、世界から評価されています。残念ながら、そのことが日本国内ではあまり知られていません・・
私も知りませんでした。このようなことを、もっと報道して欲しいです。マスコミでは、編集部のうちの何部の仕事になるのでしょうね。政治部や社会部は、国内を見ていますから。