カテゴリーアーカイブ:社会の見方

フランスの研究者留学制度

2019年12月20日   岡本全勝

12月15日の読売新聞文化欄「始まりの1冊」は、先崎彰容さんの『個人主義から<自分らしさ>へ』へでした。
日本思想史が専門の先崎さんが、フランスに留学します。そのきっかけが書かれています。

・・・文部科学省の留学制度「日仏共同博士課程」は、応募の条件として、仏語ができてフランスを専門外とする者と定めていた。
この奇妙な条件について、フランス大使館関係者は、大国アメリカに対抗するための制度であること、つまり理系文系を問わず、アメリカ一辺倒の現状を是正するためであると説明した。
フランス専門の研究者なら、黙っていても留学してくる。そうでない学生を自国に呼び込み、仏語で交流させ、各国に帰国させるのだ――国益を明確に説明されたときの驚きは今でも忘れない・・・

よく考えた戦略ですね。

リン・ハント著『なぜ歴史を学ぶのか』2

2019年12月19日   岡本全勝

リン・ハント著『なぜ歴史を学ぶのか』の続きです。次のような記述もあります。P87

歴史学は、時間に対して3つの扱い方をしてきました。
第一は「模範の探索」です。19世紀に歴史学が大学で学問となると、学生であるエリートの成年男子に対し、古代ギリシアやローマの歴史を教えました。彼らは、政治や軍事指導者になることを期待され、その最良のモデルとしてです。現在もなお、政治家は古典の中から、理想となる指導者や文章を引用します。

1800年代中葉から1900年代中葉に、模範の探索は、第二の「進歩の投影」に取って代わられます。
それは、歴史とは人類の進歩であると見なされます。古典時代が黄金時代であり、そこから堕落したとか、興亡の循環であるという歴史観に取って代わったのです。
その際には、進歩した西洋が、他の地域より優れているという考えがありました。他方で、国民国家を作るために、各国の歴史が作られました。

第三は「全地球的時間」です。最近の傾向です。歴史は単純な進歩ではない。各国が遅れて西欧に追いつくのではなく、各地域で異なった歴史が進んでいきます。また、人間の相互作用だけでなく、地球規模での環境、微生物や病気、植物、交通運輸、交易などが視野に入ってきます。ジェンダーもそうです。

政治の歴史から、経済の歴史へ、そして文化の歴史へと代わってきたともいえます。あるいは、政治家の歴史から、実業家の歴史、そして庶民の歴史に代わってきたのです。

GAFA、プラットフォーマー

2019年12月18日   岡本全勝

GAFA、ガーファって、聞かれたことがあるでしょう。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4大巨大IT企業です。
12月12日の読売新聞が「プラットフォーマーとは」で、詳しく解説していました。
・・・米グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなどの巨大IT企業は、デジタル経済の舞台を提供する「プラットフォーマー」として、人々の生活に便利なサービスを提供し、社会に大きな影響力を持つ。4社は頭文字から「GAFA」とも呼ばれる。だが、あまりに大きくなりすぎ、その全貌をつかむのは難しい。利便性の反面、影の部分も大きくなり、国家による監視の目も厳しくなりつつある。
巨大IT企業はインターネット上で便利なサービスを無料で提供し、世界中から膨大な個人データを集めている。個人データが自由に使われれば、利用者にとっては望まないサービスを繰り返し勧められるなど不利益を被る恐れがある。複数の個人情報を組み合わせて分析し、勝手に人物像が形成される可能性もあり、歯止めが必要となる・・・

皆さん、聞いたことはあるけど、詳しくは知らないのではないでしょうか。
これらが抱える問題点は、記事を読んでいただくとして、4社を並べて比較しています。これは分かりやすいです。
例えば「グーグル 検索 世界シェア9割」とか。それぞれの巨大さ、独占状態が、よくわかります。

リン・ハント著『なぜ歴史を学ぶのか』

2019年12月17日   岡本全勝

リン・ハント著『なぜ歴史を学ぶのか』(2019年、岩波書店)が勉強になりました。「E・H・カーの『歴史とは何か』の21世紀版」という書評もあるようです。

どちらの本も「歴史」と題にありますが、「歴史学とは何か」という本です。
かつて(19世紀から20世紀前半)、事実を探求すれば歴史がわかるとされていた実証主義に対し、カーは「歴史とは現在と過去との対話である」と喝破し、見る人の時代や立場によって、歴史の解釈が違ってくることを主張しました。

ハントはさらに進めて、立場の違いが解釈の対立を生んでいることを指摘します。戦争や虐殺による事実が、加害者(の子孫や国)と被害者(の子孫や国)との間で論争を引き起こしています。教科書の書きぶりであったり、「英雄」の記念碑の扱いです。被害者(の子孫や国)は、加害者の非道ぶりを国際社会で訴え続けます。アジアにおける日本もまた、例外ではありません。

また、これまで「歴史の事実」とされていたものが、ヨーロッパ人による、ヨーロッパ中心の歴史観であったことを、してきします。これらは、ハントが初めて主張したのではなく、ここ数十年の社会の実態であり、歴史学の進歩によるものです。この項続く。

参照「歴史学は面白い」「歴史は書き換えられるもの」「覇権国家イギリスを作った仕組み、7」「日経新聞夕刊コラム第16回 未来との対話

来ました、不審メール

2019年12月15日   岡本全勝

先日、携帯電話が鳴りました。ショートメールが入っています。
開けて読もうとすると、警告文が出てきました。「このメールには、電話番号が入っていて、怪しいです」といった趣旨の文章です。私の携帯電話はドコモなので、ドコモがそのような設定にしてくれているようです。

注意しながらメールを開くと、発信者は英語で「manager」とかなんとか書かれています。文面は、「あなたは未払いがあるから、次の電話番号に電話しなさい」です。そして、050で始まる電話番号が書かれています。
直ちに、削除しました。
キョーコさんのスマホには、もっとたくさん怪しいメールが届いているそうです。